-------------------------------------------------------------------- 【第395回】麺専門店の繁盛方程式 8 我々がお客様に売っている物は何か -------------------------------------------------------------------- 昨日の日曜日は当社がお世話になっているデザイナーの先生の個展があった。 既に2回目であるが、前回は何年も前だったのでまだ出会っていなかった。 今回初めて、個展へ出向いてみると、50枚の大きなポスターが展示してあ った。 それぞれのポスターには私たちが既に忘れてしまっている懐かしいさぬきの方 言が巧みな表現で紹介されている。 これらのポスターを見ていると、既に亡くなっている祖父とか父を思い出す。 そして懐かしい昔、おそらく今ほど豊かではなく、貧困の中であえいでいた私 たちの祖先、先輩達の暮らし向きが想像出来る。 そして既に無くしてしまった古い日本の良かった昔を思い出せてくれる。 忘れ去られている方言を想像もつかないような巧みな表現で、生き生きと心の 中に蘇らせてくれた。 これらは特別にクライアントに依頼されての作品ではなく、この先生自身の生 き方を表現した作品だ。 それに情熱を燃やして、会場を借り切っての個展を開いている情熱にはいたく 感動させられる。 この先生は私より年齢が10歳上で、私が既に団塊の世代の中心だから、私の 同級生等は既にリタイアをしている人も居る。 ところがこの先生は違う、まだまだご自分の考え、生き様を作品にして世の中 に問うている。 昨今の日本はバブルの後遺症もほぼ癒えて、国民も随分豊かになり、自由と平 和を享受できる数少ない国のうちのひとつではなかろうか。 従って、国全体に戦後のように何か緊張感に欠けるような気がする。 北朝鮮、中国等との関係における将来にわたる火種を抱えていることも、殆ど の人達は判っていないような気がする。 このような国全体の平和の中で日々暮らしている我々はどうしても、緊張感に 欠ける生き方になってしまっている。 我々、仕事人は我々の仕事自体が芸術作品のはずだ。 我々の生きざまが全て表現されている。 従って、その作品にエネルギーが込められていなかったり、全力投球がされて いないということは、自分の生き方を表現出来ていないことだ。 麺専門店にとってのどんぶり一杯の芸術作品こそが、麺専門店のオーナー、店 主、店長にとって自分を表現出来る貴重な対象のはずだ。 それに対して、もったいない生き方をしている人が多いような気がする。