大和さんの機械で麺を作ることによって、「ただのラーメン」が「料理」という感覚に変わりました。
元々、建設会社の経営をしている主人が、人口がこれから減っていくと言われている中で、建設業の未来が明るくないのではと思ったのがキッカケでした。
さらにちょっとお洒落な感じにすれば、女性の方でも一人で抵抗なく入れてラーメンを召し上がっていただけるのではないかと思いました。
あとは藤井社長の仰るように「これからは女性がターゲット!」というお言葉に後押しされたというか、後ろ盾です。そのために女性の方が安心して来ていただけるように店の門構えも綺麗にして、店内も衛生的で、商品も女性が見たときにアートであり、感性が出てくる商品作りをしていきたいと思いました。
お客様がばりとはどんな店かと言われたときに、見てほしい姿がある。
女性オーナーならではの綺麗で優しいお店であること。ラーメン業界では少ないですよね。男性の勢い、パワーも良いのですが、女性らしさの感性、繊細さをお客様に伝えていきたい。「おもてなしの心」も感じていただきたいと思っています。また、お客様はラーメン屋だからこそというのも求めていると思います。だからこそ、元気で早くて美味しいお店。この5つを伝えていきたいと思っています。
居酒屋風を一新
ラーメンに特化し豚骨ラーメン専門店に
オープンから1年経過した時に、当初採用した4名の内の店長が不祥事を起こして、退社になり、続いて2人も辞めてしまい、人の問題がありました。当時は社長である主人がラーメン店の方も管理していたのですが、建設業も管理しなければいけなくて、手のまわらない所も出てきてしまって注意監督できる人がいないから、残った1人の社員の人が自分で判断して、社の方向性に合わないこととかも勝手に判断されていたというような問題が勃発しました。
そこで、オーナーが建設業と飲食の両立は難しい。このままいけば、飲食の方は閉めなければいけないかもしれないと私のところに相談に来ました。その頃の私は事務の仕事をしていて、子供も小さかったので育児もしつつな状態だったのですが、こちらの都合で急に閉店はスタッフに対してもお客様に対しても失礼であり、してはいけないことではないか。と思って、私がお店に入ります。と言ったんです。
それまで飲食業の経験はなかったんですが、ラーメン屋に入って一生懸命やっていた時に現在の現場統括である戸川が入社。戸川の経験もいかしながら共に立て直しを始めました。
実は最初、店名も「博多ラーメン&ダイニング ばり」としていて、夜の時間帯は居酒屋風にしていたのですが、お客様からすると、ここは車でくる立地でしたし、ダイニングで長居するお客様も多く、ラーメンを食べたいお客様がなかなか入れないという状況になっていました。
ならば、と思い一新して「博多とんこつ ばり」としてラーメンに特化し豚骨ラーメン専門店として生まれ変わったんです。
居酒屋形態が好きだったというお客様からお怒りの声もありましたけど、店の使命として「美味しいラーメンを食べていただきたい」という方向に変え、豚骨スープを主軸として本格派の豚骨博多の創作ラーメンを提供していくことにしました。
素材に対してもこだわり、その中でも「岡山」と「瀬戸内」を表したいというこだわり
地元の産物などを使って、こだわった商品づくりをしていて、最近やっと、岡山地元の食材にこだわって作ることもでき始めました。商品づくりをする上で自分達にとって当たり前のことでも、お客様に伝わっていないこともありますし、伝えると「非日常」の驚きを提供することもできました。手作りにこだわるのは他のラーメン屋さんでもいっぱいやっているよ。と言われるんですけれど、それをお客様に対して「どういうこだわり」なのかを きちんと伝えていかないといけないと思っています。
ここに至るまでに大和の製麺機がひとつのターニングポイントになり、凄く大きなきっかけになったと思っています。製麺機を入れて麺を作ることによって、それまでは「ただのラーメン」という感覚だったのが、手作りするようになってから「料理」という感覚に変わっていきました。これはスタッフに対してもお客様に対しても言えることなのですが、機械を入れて、自分達で作るということを実践して目に見えてできていくというところで、スタッフ皆の意識を変えていったと思います。自分達で作っている商品の「後ろ」を知っているので お客様に提供する時の自信にもなりましたね。大和さんをキッカケにして、ラーメン一杯の中には皆の想いがあるんだよ。というのが形になってきたかな。と思っています。大和さんには本当に感謝しているんです。
一番自慢したいものはスタッフ
自分も一緒に成長していきたい
店は私一人ではできないというのを痛感していて、チームとして働いてくれる皆がいてこそなんですよね。感謝していますし、スタッフ1人ひとりのお客様への応対で、店のイメージが決まっていくので大事にしたいし、自慢できるところです。
全てのお客様に満足してもらう。というのはまだまだできるものではないけれど、ちょっとずつ追及していきたいと思っています。自慢できるスタッフを一人でも多く育てて、自分も一緒に成長していきたいです。
よくラーメン屋さんをしたいけど人を雇いたくない。という方も聞くんですけど、飲食店ほど、人との関わりが深いところはないんじゃないかな、と思っています。お客様に支えられて、存続できているわけですし、もちろん、厳しいことはいうし、だめなことはダメとバシッ!というけれど、その人の幸せを考えていて、伝わってほしいな。と思っています。
スタッフには物心ともに 幸せになってほしいですね
モノ的にも、心というか、精神面も幸せになってもらえるように責務を果たしていきたいな。と思っているので、そのためにも私自身がもっと勉強して成長していきたいです。 また、何のために事業をしているかと考えた時に「大儀」と考えています。大儀とは何か。最初はお金がほしい。あるいは家族で裕福な暮らしがしたいとか。そういうものがあったと思う。 でも私塾で経営の勉強をする内に、お客様のことを考え、頑張ってくれるスタッフが一番幸せになってほしい。と人のことを考えるようになったんです。色んなラーメン店がしたいという人が多いので、切磋琢磨して、ラーメン業界が発展していってほしいな。と思っています。創業して3年で潰れてしまうお店が大体7割ありますけど、それは社会のためにもならないし、働く方にとっても、お客様に対しても起こってはいけないことで、そこがある意味、ラーメン業界の足かせになっているのではないかと思っていて、折角やってもすぐにやめるのでは、もったいないな。と思います。
今、私にも子供がいるので、これから日本がどうなるんだろうと思った時に、ラーメン業界だけのことですけど、皆が自分の考えをきちんともって、企業してもうまくいく。ライバルが増えるようであっても、業界全体がうまくいくことが大切だと思います。皆に成功してほしいし、それによって、深いレベルでの競争ができるようになるのが良いのではないかと思います。