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他より美味しいラーメンを作るために
麺の種類に合った原料を使うことが重要です。その中でも小麦粉は、ラーメンの原料の中で最も大きな割合を占めているため、最も重要な成分です。
小麦粉の成分は主にタンパク質、デンプン、水分で構成されており、日本ではタンパク質の含有量によって強力粉(パン粉)、準強力粉(半パン粉)、中力粉(万能粉)、軟質粉(ケーキ、お菓子)に分類されます。
ラーメンによく使われる小麦粉は、タンパク質含有量が10~13%程度の準強力粉や強力粉と呼ばれるものです。
最近では、つけ麺など一部のラーメンでは、たんぱく質が8~9%の小麦粉(中力粉、うどん粉)が使われることもあります。
有名ラーメン店では、食感や風味に特徴のあるラーメンを作るために、さまざまな小麦粉をブレンドすることがあります。
小麦粉は麺の品質を左右する重要なものだから、いいラーメン屋は小麦粉に取り組んでいるのです。
生麺の品質を左右するのは
小麦粉のタンパク質含有量、加水率(小麦粉の重量に対してどれだけ水や溶液を加えて混ぜるか)、麺の大きさ(太さ×幅)、さらにストレート麺か縮れ麺か、などです。
この相関図では、このような基準で麺の種類を説明しています。基本的に、麺の原料となる小麦粉のタンパク質含有量が多いほど、麺の食感は硬くなります。
そして、このグラフにあるように、一般的に硬めで小ぶりな麺には、図にあるように高タンパクな強力粉が適している。
タンパク質含量が低い中力粉は、大ぶりで柔らかい高加水麺に適しています。
ラーメンの種類に制限はありませんが、どのようなラーメンでもこの表のどこかに入れることができます。
麺切りのサイズはこちらをご参照ください。
配合成分 小麦粉(ラーメン用)
小麦粉のタンパク質とデンプンは、製麺においてどのような役割を果たしているのか?
-麺の硬さ、強さをつくるのはタンパク質
タンパク質(グルテニン、グルアジン)は水と結合して「グルテン」となり、網目状の構造を形成します。
グルテンを適度に発達させることで、より食感の良い麺を作ることができます。
ただし、タンパク質が多すぎると硬い麺になるだけなので、高タンパクであればあるほど美味しい麺が作れるというわけではありません。
デンプンは、弾力性のある餅のような食感になります。
デンプン(アミロース、アミロペクチン)に水を加えて加熱すると、糊状のようになります。
デンプンの質によって粘りの強さが異なるため、デンプンが強い小麦粉を選ぶことが重要です。
麺の構造を建物に例えると、グルテン(タンパク質)は鉄筋の役割(麺の硬さを作る)、デンプンはコンクリートの役割(弾力性があり、モチモチとした食感)。
さらに、小麦粉の品質を示す重要な指標として、「灰分」というものがあります。
小麦粉のパンフレットには、タンパク質と灰分の含有量が記載されていることが多い。
この2つの数値は、麺に適した小麦粉を選ぶ際に欠かせないものです。
灰は、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄などのミネラル類
小麦粉に含まれる灰分です。一般的に、灰分が少ない小麦粉は透明で美しい色をしていますが、灰分が多くなると灰色がかった鈍い色になります。
また、多くなりすぎると麺の食感が悪くなります。灰分が多い小麦粉は、ミネラルを多く含み栄養価が高いのですが、上記の理由から灰分の少ない小麦粉が好まれます。
そのため、灰分が少ない小麦粉は等級が高く、灰分が多い小麦粉は等級が低くなります。
灰分は小麦の表皮部分に近づくほど多くなり、表皮部分の灰分は中心部分の10倍以上となる。
つまり、小麦の中心部に近い部分から製粉した小麦粉の方がグレードが高いのです。
今回は、小麦粉の各成分が果たす役割と効果についてお話ししました。
これらは作りたい麺の種類に適した小麦粉を選ぶ際の指標の一部にすぎません。
タンパク質や灰分などの数値が同じでも、元となる小麦が違えば、麺の品質も違ってくるかもしれません。
そこでおすすめなのが、選んだ小麦粉で実際に麺を作り、食べ比べてみることです。
あるいは、サンプルを作って試していただくことも良い方法です。
自家製麺体験教室では、サンプルを作ってお試しいただくことが可能です。
さて、ラーメンの麺に最も重要な原材料は理解できました。では、他の材料や水、かん水などについては、また別の記事でお話ししましょう。