この記事は2024年7月16日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。
お客様の徹底的なデータ分析による繁栄店作りの取り組み|麺の食感・立地・メニューのニーズに合った分析が必要#1/2

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はじめに

最近、麺業界で話題になっているチェーン店の繁盛店に行ってきました。 

大型店にも関わらず、深夜にも行列が出来る店として有名だったので、以前から気になっていたのです。 

私が行ったのは、深夜の行列店のある都市圏の店舗ではなく、地方の中堅都市にある店舗で、郊外型店です。 

席数は74席で、最も感心したのは、席の取り方と商圏分析データとの関連でした。 

この店舗の商圏分析をしてみると、半径500mの徒歩商圏人口は約3千名なので、基本的に郊外型店舗で、駐車場台数は席数の6~7割程度は必要な場所でした。 

従って74席の6~7割であれば、少なくとも40~50台の駐車場台数は必要です。 

それに対して、実際の駐車場は1階が約60台で、更に2階もあり、ほぼ同数の駐車場台数でした。 

商圏分析では、半径5kmの商圏人口は34.7万人でした。 

世帯の分布を見てみると、1人世帯が全体の49.9%の約半分を占めています。 

次に2人世帯は22.9%、3人世帯は13.5%、4人世帯は10.0%、5人以上の世帯は3.8%になっていました。 

私が訪問したのは、夕方の7時くらいでしたが、1階駐車場はほぼ満車で、店内も何組も待ち席が出ていました。 

名前を書いて並ぶと約20分程度で、名前を呼ばれました。 

店内に入り、席の取り方をまず観察してみると、1人席が20席、2人席が8テーブル、4人席が5テーブル、6人席が3テーブルで、この商圏の世帯構成に非常に良く合わせていました。 

このように、分析したデータとそれに合わせた店作りは、店内生産性を上げるのには、欠かせないのです。 

次にメニューブックを見ると、メニューは全部で180品目あり、当社でメニュー分析をしてみると、売りたいメニューと売りたい価格帯がきれいに一致して、メニュー戦略がキチンと出来ていることが分かりました。 

更に、この店舗の客単価を推定してみると、約1千円余りで、郊外型のうどん店としては、高い単価でした。

今週は、本社でのうどん学校でした。 

上海から来た32歳の生徒さんには本当に驚かされました。 

10年前に大学を卒業して、友達5人で、上海で寿司店を始めたのだそうです。 

その寿司店は最初からうまくいき、コロナの前年の2019年には15店舗まで拡大したそうです。 

ところがコロナが始まった2020年から、急速に出店が速まり、この4年間で85店を追加して、現在では全体で100店舗まで増えたそうです。 

日本では、コロナになり、多くの飲食店が閉店し、或いは売上を大きく落としていたのに、この寿司店は、店舗数をコロナになってから大きく伸ばしたのです。 

その大きな原因がウーバーのようなデリバリーで、ネットとITを駆使して、売上を急拡大したのです。 

昨日の経営講義の中で、本人から説明があった会社の仕組作りには、非常に感心し、感動しました。 

今回のうどん学校の講師を務めた、中国人の孫さんが、次回、中国にこの仕組みを学びに行ってきます。 

次回のどこかで、この仕組みを熱心な皆さんとも共有し、当社の会社も大きく変えたいと思っています。

分析の真の目的

最近、あらゆる外食ビジネス、あらゆるビジネスを見ても、数値分析とデータ管理は非常に重要なテーマになっています。 

例えば、私は常にPCを使ってデータ管理しています。 

もし、これをノート、或いはアナログでのデータ管理であれば、どれだけ時間のロスになるかはかり知れません。 

PCは私の頭脳の拡張手段であり、PCに一旦入力すれば、絶対に忘れることはなく、いつでも、どこでも必要な数値を取り出すことが出来るのです。 

麺ビジネスにおいても、日々の数値管理を昔の様に、記帳による管理とPCによる管理では、その後の拡張性の意味が全く異なってきます。 

PCで管理することにより、記録したデータをあらゆる方向から深読みすることにより、われわれが普段、見落としている事実を発見することが出来るのです。 

従って、繁栄店を作り上げるには、「お客様の徹底的分析」は必須です。 

例えば、商圏分析であれば、ライバルがいない場所、ライバルの少ない場所を見つけて、無益な競争を避けて、1人勝ちするためです。  

ビジネスは競争しないこと、競争して得るものはなにもないのです。  

競争しないで、1人勝ちこそ、最高の戦略なのです。  

そして、何店も展開していると、同じように営業しているのに、非常に繁盛している店と、そうでない店が出てきます。 

その場合に、それぞれの商圏分析をしてみると、このビジネスモデルには、このような商圏が合っているということが商圏分析を通して分かってきます。 

ビジネスモデルと、商圏は非常に強い関連があります。 

例えば、同じようなラーメン店であっても、幸楽苑は郊外立地に合っていて、日高屋は、都市型立地向きです。 

当社のユーザーさまで、非常に素晴らしい戦略を持っている会社では、ライバルの成功店の立地の商圏分析をして、その会社の戦略を見通しています。 

これからは全て、店舗戦略をデータ化して分析しているのです。

麺の食感の好みの地域性を取り入れる

麺文化は多様化しています。 

地域によって好まれる麺の食感とスープの味は異なります。 

麺ビジネスを成功させるには、その地域に好まれる食感と味のバランスでないと繁盛はしません。 

日本の地域ごとの麺の食感の好みの差、スープの味の違いを徹底的に分析する必要があります。 

日本全国各地には、それぞれ独特な製法で作られた麺とスープが存在します。 

うどん、そば、ラーメンなど、麺の種類によっても食感と味覚は大きく異なりますが、地域によって好まれる麺の食感、味にも違いが見られます。 

そして、食感にしろ、スープの味にしても、これからはすべて、測定機でデジタル化出来る時代になりました。 

当社は、麺の食感をデジタル化するレオメーター、スープの味をデジタル化する味覚センサーを持っています。 

麺の深い研究はいつでも、当社に連絡して下さい。

原材料

麺の原料となる小麦粉やそば粉の種類によって、食感は大きく変わります。 

うどんの場合、一般的に中力粉が使われますが、地域によっては強力粉や薄力粉をブレンドしたり、全粒粉を使用したりすることもあります。 

それぞれの粉によって、コシや喉ごしの違いが生じます。 

小麦粉の製麺特性を調べるには、ブラベンダーマシンというドイツ製の測定機が必要です。 

当社では、ブラベンダーマシンを使い、世界中の小麦粉の麺特性を測定しています。 

小麦粉の麺特性を調べたい方は、いつでもご連絡下さい。 

そばの場合も、そば粉の種類や挽き方によって、風味や食感に違いが出ます。

製法

麺の製法によっても、食感は大きく変わります。 

うどんの場合は、茹でる時間や温度によっても、食感は変わります。 

そばの場合も、更科粉や田舎粉といったそば粉の種類によって、製法が異なります。 

麺の製法、出汁の製法に関しては、当社の麺学校で最新のノウハウをお教えしています。 

過去の方法だけに固執せずに、最新製法の学び直しをぜひ、お勧めいたします。

食べ方

麺の食べ方も、食感に影響を与えます。 

熱いだし汁と一緒に食べる麺は、冷たい水で締めた麺よりも柔らかく感じます。 

また、麺と一緒に食べる具材によっても、食感は変わります。

文化・歴史

地域の文化や歴史によっても、麺の食感の好みは変わります。 

讃岐うどんはコシが強いことで有名ですが、これは江戸時代から続く伝統的な製法によるものです。 

一方、信州そばは細くて柔らかいことで有名ですが、これはそば粉の産地や製法の違いによるものです。 

但し、過去からの延長だけでなく、これからはその地域に好まれる新しい食感、新しい味を創り出すことも大切です。 

そして、大和の麺学校では、常に、最新のノウハウ、最新の製法を教えしています。 

●地域で好まれる麺食感の例

北海道: 太くてコシのあるうどん 

東北地方: 太くて柔らかいうどん 

関東地方: 中太でコシのあるうどん 

中部地方: 細くて柔らかいうどん 

関西地方: 太くてコシのあるうどん 

中国地方: 細くて柔らかいうどん 

四国地方: 太くてコシのあるうどん、細くて柔らかいそば 

九州地方: 太くて柔らかいうどん

(注記) 

上記 は あくまでも 傾向 であり、個人の好みや店によっても違いがあります 。 

様々な地域の麺を試して、あなたの地域で好まれる麺を見つけてみてはいかがでしょうか 。 

出汁も地域性がある

出汁も地域によって好まれるものが異なります。 

日本全国には、昆布、鰹節、煮干し、椎茸など様々な食材を使った、地域ごとに特色のある出汁文化が存在します。 

そして、そのような過去からの出汁文化に頼るのではなく、新しい出汁文化を作り上げることが大切です。

食材

それぞれの地域で手に入りやすい食材が、出汁の味に大きく影響します。 

海に面した地域では、昆布や煮干しを使った出汁が好まれる傾向があります。 

一方、山間部では、椎茸や鶏ガラを使った出汁が好まれる傾向があります。 

また、食材の鮮度や質も、出汁の味に影響します。 

更に、今まで使われていなかった材料の発掘も面白いテーマです。 

歴史・文化

地域の歴史や文化も、出汁の味に影響を与えます。 

江戸時代以前は、昆布や煮干しなどの乾物を使った出汁が主流でしたが、江戸時代以降になると、鰹節を使った出汁が普及しました。 

これは、鰹節の流通が発達したことや、庶民の食生活が豊かになったことが原因と考えられます。 

また、地域によって独自の食文化が発達しており、それが出汁の味にも反映されています。

●地域で好まれる出汁の例

北海道: 昆布とかつお節を合わせた合わせ出汁 

東北地方: 昆布とかつお節、煮干しを合わせた合わせ出汁 

関東地方: かつお節を使った出汁 

中部地方: 昆布とかつお節を合わせた合わせ出汁 

関西地方: 昆布とかつお節、煮干しを合わせた合わせ出汁 

中国地方: 昆布とかつお節を合わせた合わせ出汁 

四国地方: こんぶとかつお節、煮干しを合わせた合わせ出汁 

九州地方: 昆布とかつお節、煮干しを合わせた合わせ出汁  

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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