この記事は2024年7月16日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。
お客様の徹底的なデータ分析による繁栄店作りの取り組み|麺の食感・立地・メニューのニーズに合った分析が大切#2/2

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はじめに

これまでの記事では、お客様の徹底的な分析による繁栄店作りの取り組み #1/2をお話いたしました。

さらにお客様の徹底的な分析による繁栄店作りの取り組みについてお話していきます。

世帯構成にあった客席の配分

その地域によって、求められる客席数や配分が異なります。事例を紹介しましょう。 

席数約70名様・駐車場約60台の店

・1人席×20テーブル=20名  

・2人席×8テーブル=16名  

・4人席×5テーブル=20名  

・6人席3テーブル=18名  

実際にこのお店を訪れたところ、ほぼ満席で、大繁盛していました。 

1人席には1席ずつ仕切りがあり、女性客が周りの目を気にせず、好きなものを食べることができる仕様になっていました。 

4人席や6人席はファミリー向けで、お子様連れでも安心して来店することができるようです。

品川にある当社の東京支店での商圏分析

単身世帯が、全世帯数の半分以上に当たる53.5%程度にまで達しています。 

品川付近に住んでいる人達の大半は1人世帯だという事です。 

同時に、4人以上の世帯は全体の11%程度しかいません。 

従って、残りは2,3人世帯です。 

今までの想像を超えて、一人世帯が多い事が分かります。 

そして、この様な一人世帯の殆どは、マンションとか、アパートに住んでいるはずです。 

狭いマンションとか、アパートでは焼き魚とか、天ぷら料理をする事が殆ど不可能に近いでしょう。 

焼き魚は匂いが残るし、天ぷら等は匂いと後始末が大変です。 

従って、昔は自宅で料理をしていたものも、今では自宅で料理が出来なくなっているものが多いのです。 

自宅で料理が出来ないものは、外食で楽しんだり、惣菜として販売しているものを買って帰ったりする他ないのです。 

だから、一人世帯が増えれば増えるほど、専門的な料理の需要、家庭で作れない料理の需要が増えてきます。 

多分、皆さんのエリアも同様に、この様な世帯別の分析を行うと、今まで思っていた事と、全く違った世界が見えてくる事でしょう。 

全国の殆どのうどんそば店、ラーメン店等は前年比の売上を落とし続けている店が多いです。 

売上が下がっている要因として、お店がやっている事と、お客様のニーズの開きが大きくなっている事が上げられます。 

例えば、一人世帯の人達が良く利用しているのが、コンビニの食品です。 

コンビニの食品はスーパーと比べると、決して安くはないです。 

それでも買っているので、一人世帯とか、二人世帯の人達は価格にはそれほどこだわっていない様です。 

次に、スーパーで売っている食品は惣菜にしても、一人世帯には量目が多過ぎるものが殆どです。 

私は年間かなり出張するが、誰かと一緒の時は必ず、外食で色んな店に行くが、たまに一人の時には、スーパーで惣菜を買ったりする事があります。 

その場合に感じるのは、一人用の惣菜は殆ど無いのです。 

殆どの惣菜は、家族3,4人用になっています。 

何を買っても、量が多いので、色んな種類のものが買えないのが現実です。 

この様に一人世帯と、二人世帯がこれほど増えているのに、殆どの飲食店はこれに対応出来ていないのです。 

うどんそば店、ラーメン店もメニュー自体は、一人ずつのお客様に対応出来ているが、席の取り方では対応出来ていない店が殆どです。 

その地域のニーズに合った席配分が必要ということです。

地域事情に合った駐車場台数

新規に郊外型の店舗を始める人の殆どは、駐車場の足りない、或いは、駐車場が無い状態で物件を決めてしまっている事が多いです。 

本当は、駐車場台数が席数の半分程度必要にも関わらず、全然、確保しないで開業している人が多いのが現状です。 

昼間、物件を見て回った結果、物件の周辺に或る程度、人が居たので駐車場が無くても出来るのではと、思った人が多いようです。 

ところが、商圏分析をやってみると、駐車場が十分に無ければ、営業できない場所である事が分かります。 

駐車場の問題は無視出来ない問題なのです。 

既に開業している方の場合は、駐車場が必要であるのに、駐車場の無い場所で営業していると、隣近所との問題を抱えている店が多いです。 

ですので、繁盛する為には、まず、駐車場の必要な場所では、シッカリと駐車場を確保するのが鉄則です。 

立地を探している人達に、この話をすると、その様な場所は無いとか、もし、有っても、家賃が非常に高いとかの話になりますが、それは、殆どの人達が競争の厳しい場所で物件を探している為なのです。 

ビジネスに於いては、絶対に競争をしてはいけないので、その様な場所で物件を探してはいけないのです。 

大切なことは競争の無い場所を探すべきということです。 

日本の現状を見ると、殆どのビジネスは過当競争の状態です。 

そして、殆どの人が利益を上げられない状態になっています。 

厳しい過当競争状態であれば、利益を上げる事は非常に難しいのです。 

ビジネスに於いては、売上を上げる事が重要ではなく、利益を上げる事が、もっと重要です。 

利益が出ていないと、前向きの投資が出来ません。 

将来に備えての蓄積が出来ないのです。 

だから、利益を得る事を、ビジネスの最優先にしてはいけないが、別の次元で利益を確保する事は外せないのです。 

麺専門店を個人で開業する人達は、この視点が抜けている人達が多いです。 

もし、すぐ近隣に月極め駐車場があり、その賃貸料が月間2万円でも、十分にペイできます。 

これは、事業計画書でシュミレーションしてみると、すぐに分かることです。 

だから、利益を上げる為には、感覚だけではなく、シッカリと商圏分析等のツールを使って、分析をしてみる必要があります。 

お客様の事情に合わせたメニュー構成

立地条件に基づいて、ターゲット顧客を想定します。 

例えば、ファミリー層が多い場合は、子供向けのメニューや、ボリューム満点のメニューが人気です。 

若い世代が多い場合は、インスタ映えするメニューや、ヘルシーなメニューが人気です。 

女性が多い場合は、ヘルシーなメニューや、スイーツメニューが人気です。 

男性が多い場合は、ボリューム満点のメニューや、お酒に合うメニューが人気です。 

ライフスタイルでは、朝食需要が多い場合は、モーニングメニューの充実が重要です。 

ランチ需要が多い場合は、ランチタイム限定メニューや、テイクアウトメニューが人気です。 

夜需要が多い場合は、ディナーコースや、アラカルトメニューが充実している必要があります。

路サイド店と都心型店の違い、AIで調べて書きました

道路サイド型と都心型の麺ビジネスは、それぞれ異なる客層、メニュー、価格帯、戦略などを持つため、それぞれの特徴を理解することが重要です。

客層

道路サイド型

主に車で来店する客層が多く、家族連れやビジネスマンなどが中心です。 

時間帯によって客層が大きく変化する可能性があります。 

昼はランチを求める客層、夜は家族や友人と食事をする客層などが想定されます。

都心型

主に電車や徒歩で来店する客層が多く、学生や若い世代などが中心です。 

立地や時間帯によって客層が大きく変化する可能性があります。 

昼はサラリーマンやOL、夜は学生や若い世代などが想定されます。 

メニュー

道路サイド型

ラーメンやうどん、そばなど、定番の麺類を中心に提供する店舗が多いです。 

丼物やセットメニューなど、麺類以外のメニューも充実している場合があります。 

ボリューム満点のメニューや、リーズナブルな価格帯のメニューが人気です。

都心型

ラーメンやうどん、そばなど、定番の麺類をはじめ、個性的な麺類や創作麺などを提供する店舗も多いです。 

サイドメニューやドリンクメニューも充実している場合があります。 

こだわりの食材を使ったメニューや、ヘルシーなメニューも人気です。 

戦略

道路サイド型

立地や時間帯に合わせたメニュー開発や価格設定が重要です。 

ドライブスルーやテイクアウトなど、利便性の高いサービスを提供することで、集客効果が期待できます。 

地域住民やリピーター顧客を確保することが重要です。

都心型

立地や時間帯に合わせたメニュー開発や価格設定だけでなく、店舗の雰囲気やコンセプトも重要です。 

SNSやホームページなどを活用した情報発信も効果的です。 

トレンドを意識したメニュー開発や、期間限定メニューなども効果が期待できます。 

道路サイド型と都心型麺ビジネスは、それぞれ異なる客層、メニュー、価格帯、戦略を持っているため、 

それぞれの特性を理解した上でビジネス展開することが重要です。 

まとめ

何のために商圏分析が必要か、商圏分析で何が分かるのでしょうか?  

(参考)東京支店の商圏分析事例  

①徒歩商圏(半径500m)の夜間人口、昼間人口 駐車場が必要かどうか、何台必要か?  

②自転車商圏(半径1km)の夜間人口、昼間人口  

③自動車商圏(半径5km)の夜間人口、昼間人口  

④それぞれの商圏における男女比率  

⑤飲食店の競争状態  

⑥商圏の年齢構成とピーク年齢  

⑦地図より、商圏の線路、幹線道路、川による分断の有無  

⑧地図より、道路との関係性  

⑨Terra Map より、商圏の年齢特性  

⑩Terra Map より、世帯の状態  

⑪Terra Map より、持ち家比率  

⑫Terra Map より、事業所の状態

以上より、商圏分析を行なうことにより、下記の状態を知ることができます。

商圏の可能性、自分のコンセプトに合った店が可能かどうか? 

どの程度可能か?  

売上は最大、どの位、見込めそうか?  

駐車場が必要か、必要であれば、何台くらい必要か?  

ここで店をやるのであれば、どのような戦略でやるのが一番正しいのか? 

この付近で店をやる場合、どの辺りが一番ねらい目か? 

立地はコンセプトによって、まったく異なります。  

しかし、立地を漠然と考えている人が多いのです。  

どのようなコンセプトで、どんなお客さまをターゲットにする店であるかによって、立地はまったく異なってきます。 

メニューに関しても、お客様のニーズにあった食感・味付けのメニュー、その地域の客層・年齢・世帯構成に合ったメニューでないといけません。 

お客様のニーズを徹底的に分析し、あなたの麺ビジネスが大繁盛・大成功するように私ロッキー藤井は今日も応援しております。 

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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