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はじめに

今年も最後の最後の締めくくりになってきました。

私にとって、今年の9月以降から年末にかけての月日の流れは、まさに滝のような流れでした。

今年1年、私の拙いメルマガ、ブログにお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。

皆さまのお役に立つ情報を届けたいと思い、今年1年いろんなことを試してみました。

麺の本質、麺の美味しさの研究、スープのこと、人手不足のこと等々、出来るだけ最新情報で、皆さまのお役に立つ情報をお届けすることを心がけております。

最近の特徴として、皆さまのお困りの事柄、内容が非常に多岐に渡っていることです。

例えば、現在、当社では東京支店にて、今年最後のラーメン学校を開催しています。

今回は、私自身は学校の実技には参加しなかったのですが、既にFCで2店ほどラーメン店を経営している経営者の方から、こんなに美味しい鶏白湯は食べたことがなかったというような評価を頂きました。

私と麺学校のリーダーの柿本部長は一緒に、初日の最初の経営講義と最終日の経営講義に参加し、生徒さんの実に様々な問題の解決に取り組んでいます。

例えば、先ほどのFCの経営者の場合、初日の質問では従業員のしつけの問題がありました。

アルバイトの教育についてお困りで、その内容は下記の通りです。

アルバイトの教育の問題

50席の大型店なので接客がどうしても雑になってしまう。

強く言うと辞めてしまい、優しく言うという事を聞かず、求人をかけても人が来ない。
時給1100円で募集。

あなたはこれを聞いてどう思われるでしょうか。

あなたが私の立場で、この質問に回答するとすれば、どの様な回答になるでしょうか。

尚、この店舗は関東圏の大都市部のラーメン店です。

これを聞いての私の体験からの回答は次の通りです。

  1. 働いている人の給与は他のライバル店に負けない、地域一番高い給与を目指す。
  2.  人の採用では一切妥協せずに、価値観を共有出来る人を選び抜く。
  3. 遠慮なく、厳しく育て、人として成長させてあげること。

以上は理想論の様に聞こえるかも知れませんが、これを信じて、目指し続けるかどうかによって未来は大きく変わります。

私は以前、親友の博多一風堂の河原社長に30年前くらいに、当社に来てオープンセミナーを開催し、講演して貰ったことがあります。

その場で河原社長が参加者に伝えていたことは次の様なことでした。

  1. お金儲けだけが目的であれば、当社、当店で働く必要がない、もっとたくさんお金を貰えるところを選べばよい。
  2. 働く目的は、まず、自分自身レベルを上げ続け、成長し続けること、世の中に貢献すること。
  3. 毎日、お店に来られるお客さまを最高にハッピーにして帰すこと、提供する料理で最高にするハッピーにする、笑顔と元気な声、高いサービスレベルで最高にハッピーにすること。

30年も前だったので、正確には覚えていないのですが、上記のような内容であったと思います。

その頃から、河原社長は従業員を非常に大切にされていたのです。

従業員をビジネス成功の道具とか、儲けるための道具とは思っていなかったのです。

因みに当社の麺学校の経営講義の教科書「不況でも繁盛するラーメン・うどん・そば店の教科書」の第2章で、人生における大きな時間のロスの4つの要素として、以下の4項目を挙げています。

  1. 正しい仕事につかなかった場合
  2. 正しい人間関係が組めていない場合
  3. 正しい場所にいない場合
  4. 正しい学びを得ていない場合

以上の4つの中で、ひとつ目の正しい仕事につかなかった場合とは、情熱を持てない仕事、使命を全うできない仕事、成長出来ない仕事、自分の卓越性を発揮できない仕事、楽しくない仕事に就いた場合、私たちは大きな時間のロスをします。

2つ目の正しい人間関係が組めていない場合とは、以下の3つの関係を持てる場合です。

結婚生活においても、職場での人間関係においても、下記の要素がないと、大きな時間のロスをするのです。

① お互いに成長出来る関係が組めているか?

② 自分の与えるギフトを受け取って貰える関係が組めているか?

③ 価値観を共有出来る関係が組めているか?

3つ目の正しい場所にいない場合とは、そこにいることによって成長出来る環境であり、もし、そこでいても成長出来ない場所であれば、正しい場所ではないのです。

安心領域にどっぷり浸かって、成長、進化出来ない場合も正しい場所ではないのです。

4つ目の正しい学びを得ていない場合の正しい学びとは、使命に沿った進化を遂げることが出来る学びです。

例えば、ある目的を設定した場合に、そこにたどり着くことが出来るような教えを受けることです。

以前にある生徒さんが煮干しのスッキリした味のスープベースを作りたいと思い、十年以上も取り組んできたが、なかなか出来なかったので、当社のラーメン学校に参加した結果、一瞬で習得することが出来たのです。

このように、正しい学びを得ることは大きな人生の時間のロスを防ぐことが出来るのです。

以上の様に、当社の麺学校では開校当時から上記の様に、経営講義に非常に力を入れています。

その理由は、美味しい料理を作れても長く繁盛し続けるためには、経営能力を高めることは経営者には必須なのです。

折角、美味しい料理を作って大繁盛しても、永く続かなかったお店をたくさん見てきました。

そして、私も自分のビジネスを通じて、経営に関する知識、学びが不足していたために、嫌というほど授業料を払ってきました。

従って、新しく始める生徒さんたちには、経営についての学びの重要さを理解して欲しいのです。

飲食店舗を経営する経営者に取っては、従業員に対しては、従業員を育成する場の提供を行なっているのです。

優秀な従業員を採用したいと思えば、深い学びの場の提供は必須です。

優秀な従業員ほど、お金ではなく、深い学びが得られる場を選ぶのです。

従って、博多一風堂などは、飲食ビジネスで成功したい若者たちの学びの場になっているのです。

長く繁盛するための秘訣

そして、本日の経営講義では、韓国から来られた別の生徒さんから次の様な質問が出てきました。

質門:あまり流行にとらわれず、長く続くお店を作るには何がポイントでしょうか?

それに対して、私の回答は次の通りです。

  1. 一番大切なことを深く掘り下げること、食べ物の本質を突き止めること、食べ物の本質とか、まず美味しいこと、健康に良いこと、人々を元気にすること、幸せにすることだと思います。
  2. 当社が行なっている製麺機等のビジネスと違い、飲食業の特徴は、1人当たりの単価が安く、繰り返して、多くのお客さまに来店して戴かないと利益が出ないビジネスです。
  3. 毎日のように来店するお客さまは気づきます。この店に来ていると元気になるとか、体調が良くなるとか、病気が治ったとか、そのようなお客さは友人、知人に必ず紹介するでしょう。
  4. すると、広告宣伝等が不要で、お客さまがお客さまを呼んでくれるのです。
  5. その結果、繁盛するかどうか、永く繁盛するかどうかが自然に決まってくるのです。
  6. 飲食ビジネスは決して、難しいビジネスではなく、お客さまをハッピーにし続け、ハッピーになるお客さまを増やし続けることなのです。そして、これはどんなビジネスにも共通に言えることなのです。

飲食店で、化学調味料を使っている人は結構多いです。

当社は、会社内で社内食堂を運営して、社員全員に無料で健康に良いランチを提供しています。

キムチ等も自家製で、一切化学調味料を使わずに、健康に良い食材を吟味して使っているのです。

その結果、当社の社員でなかなか子供さんに恵まれなかったのに、3人の人が子供さんに恵まれました。

私は、食べ物は人が幸せになれる原点だと信じています。

当社の関連会社、讃匠の場合は、当社と違い、パートさんが多く、多くのお客さまに驚かれるのは、若いパートさんが多いですねと言われます。

どの企業でも若いパートさん集めに大変苦労していますが、その理由の1つは昼の無料で、健康的な食事にあるようです。

働く人たちに喜んで頂き、幸せになった社員がお客さまをハッピーにすると思っています。

コストはかかりますが、これからも社員を幸せにし続けることをエンドレスに取り組み続けようと思います。

まず最初に、働く人たちを幸せにして、幸せになった社員がお客さまを幸せに出来ると思います。

以上の様に飲食ビジネスは、キチンとやれば、何年もかからずに、早く結果が出るビジネスです。

ところが、当社の製麺機ビジネスは、機械自体が高価な上に、何十年も使い続けることができるのです。

従って、当社の機械を使った結果、麺が美味しくなり、お客さまに喜ばれて、繁盛するという結果が得られるまでに時間がかかるのです。

更に、うどんの製麺機から始めたので、うどん蕎麦業界の人たちは、新しいものには非常に保守的な部分があり、当社のビジネスが軌道に乗るまでに、永い時間がかかった原因であると思っています。

私はこの製麺機ビジネスを始めてから気づいたことは、成功するまでに長い時間がかかるビジネスであると言うことでした。

特に、機械製造業はパテント取得とか、技術力の構築、人の成長、組織の構築、知名度の高まり等、ビジネスには時間がかかるということを嫌というほど知らされたのです。

40年前に始めた製麺業の讃匠の方は、起業して軌道に乗るまでが、製麺機ビジネスよりはるかに短期間でした。

麺の場合は、食べて貰えば結果がすぐに出るビジネスなので、早かったのです。

私は、当社と讃匠のビジネスを通じて、得られたことは長く繁盛することの大切さでした。

それらの質問の間に、ある生徒さんから私がこの年齢で元気に頑張っていることに驚き、私に対して次の様な質問がありました。

それは、普通は60歳を過ぎ、70歳も過ぎれば、仕事もしないでのんびりと悠々自適で過ごす人が多いのに、何故、私はこの歳になっても、実際に生徒さんを指導して頑張っているのですかという質問でした。

そこで私が回答したのは、もし、この仕事が本当に好きでなければ、こんなに長く続けることは出来なかったと思います。

現に、76歳になった現在でも日曜日も休まずに会社に来て、日々楽しんでいるのです。

私は機械の開発とか、麺作りとか興味の範囲が非常に広いので、何事についても興味を持ち、飽きることがないのです。

最近、定年退職して、仕事を離れると老人病を患う人が多いことも理解しています。

一生を通じて、捧げられる仕事を持つことはこれからの時代は、非常に重要なことではと信じています。

製麺機ビジネスを通して得られたこと

私は製麺機ビジネスを始めて満49周年が過ぎ、50周年を迎えようとしています。

その間、失敗しながら、実に多くの学びを得ることが出来たのです。

本日の東京ラーメン学校の生徒さんたちも私より年齢は、非常に若い人たちばかりで、その人たちに対して、人生の先輩として、私の失敗の歴史から得られたたくさんのことを共有することも価値があるのではと思っています。

そして、長い製麺機ビジネスを通して得られた貴重なことは、全てのものは意図を持って作られているということです。

最近、Bangkokの拠店のスタッフたちとオンラインで面談した結果、彼らが言うのは、当社の製麺機は他社の製麺機と比べて、価格が高いから売れないという返事でした。

日本国内でも、過去、当社が最後発としてこの業界に参入したころは、価格が他社の製麺機より2倍もしたので、最初、売れるまでに時間がかかりました。

しかし、当社の機械を使ったお客さまが成功し、繁盛店が多く生まれたり、機械が安全だった結果、次第に当社の製麺機が売れ始め、そのうちにいつしか業界でシエアトップになったのです。

私は、このビジネスを通して得られたのは、本質、即ち、一番大切なことを抑えることの大切さです。

製麺機の場合は、麺の美味しさと安全性だったのです。

未来へ

年の瀬の12月21日の午後に社内のドリームルームで、大好きな美空ひばりの歌とか、演歌を聞きながら、この文章を書いています。

本日の経営講義で、ある生徒さんから出て来たもう1つの課題は、若い頃から頑張り、
現在3店のお店を経営しているが、以前は仕事が面白かったのに、最近は面白くなくなり、奥さんとの関係性も良くないとの相談でした。

その生徒さんにお話ししたのは、日々、楽しく生きて、自分の心を大切にする生き方です。

お金儲けが人生の目的であったり、ビジネス目的であれば、多分、そんなに楽しい人生は得られないのではと思います。

われわれが日々、最も楽しく生き生きと生きることが出来るのは、誰かに貢献しているときです。

ビジネスを通して、お客さまを最高にハッピーにし、ビジネスを通して社員を幸せにすることは、楽しい人生を送る上で欠かせないと思います。

そして、競争のないビジネスで皆がハッピーになれるビジネスを目指すことが出来れば、こんなに幸せなことはありません。

まだまだ先が長いですが、年齢などは一切関係なく、来る年も来る年も挑戦を続けたいと思っています。

皆さん、来年もよろしくお願いします。

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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