ページコンテンツ
はじめに
皆さん、私は11月15日に航空自衛隊の方々に取材されました。
実は、航空自衛隊幹部会機関紙「翼」に私の記事が掲載されます。
機関紙が発行されれば、再度お知らせいたします。
私はなぜ、このような雑誌の取材を受けるようになったのかの理由が分からなかったのですが、来社された、担当の航空自衛隊幕僚長航空幕僚監部 辻本哲也さまがたまたま、香川県多度津町の出身で、関連会社讃匠のうどんのファンであり、私の書籍「トップになりたきゃ競争するな!」を読まれていたのです。
併せて、私が川崎重工の航空機事業部で、飛行機の設計をしていたのもその理由の1つでした。
取材は、航空自衛隊の勲章が沢山ついた威厳のある制服姿で行ない、私は航空自衛隊のパイロットが着用している勇ましいグリーンのジャンパーを記念に頂き、ジャンパー姿で取材を受けました。
私は普段は作務衣姿なので、私のジャンパー姿に社員の人たちは驚いていました。
取材で聞かれた質問
取材内容は川崎重工時代の飛行機の設計、ジェット戦闘機ファントムのライセンス導入、次に造船事業部に転籍になり、造船での設計の話、更に独立してから現在に至るまで、さまざまな経緯について詳しく話を聞かれました。
それらの質問の中には、下記のような質問がありました。
閾値を超えるためのモチベーション維持
質門:「閾値」(そこを超えると全てが変わる境目のようなもの)を超えることが重要とのことですが、超えるためには多大な労力が必要な場合もあると思います。高いモチベーションを長く維持するために必要なものについて、お聞かせ下さい。
この質問には、私は次の様に回答しました。
高いモチベーションを長く維持するには、好きであること、得意であることを選ぶことです。
好きでもなく、得意でもないことを選んでしまうと、モチベ―ションが維持できないのです。
例えば、うどん店を志すうどん学校の生徒さんの中には、うどんは好きだけど、麺ビジネスが得意でない人がいます。
反対にビジネスの能力は高いが、うどん自体は好きでない人もいます。
最もモチベーションを長く維持するには、好きであり、得意なことの双方共にポジテイブであることが重要です。
しかし、最初はそれほどではなくとも、取り組んでいくうちに、好きで得意になることがあります。
例えば、私は49年前に川重を退社して独立したときに、自動機械とか、産業用ロボットを志したのですが、第二次オイルショックの後で、そのような仕事は一切なく、地元がさぬきうどんの本場であったので、麺関連の機械の仕事はそれなりにあり、さぬきうどんの本場を活用して、製麺機ビジネスの可能性はあるかもしれないと思って、製麺機ビジネスに取り組むことになったのです。
最初は、腰掛のつもりで始めた製麺機ビジネスだったのですが、せっかく人生をかけて取り組むのであれば、日本一のビジネスにしようと思い、麺の美味しさの研究を進めるうちにこのビジネスが本当に楽しく、好きで好きになり、天職と思えるほどになっていったのです。
そうすると、最後発で始めたビジネスですが、いつの間にか、国内シェアトップになれたのです。
Z世代の離職防止や育成
質門:近年の若年者人口の減少などから、自衛隊では採用数の確保及び離職防止が問題となっておりますが、同様の課題をお持ちでしょうか。
質門:長年、情熱を持って熱心に仕事に取り組まれてきた藤井様には信じられないかもしれませんが、若い人を中心に「やりたいことがない、何事には情熱を持てない」という人の割合が増加しているように感じています。そのような人に対するアドバイスを頂けますでしょうか。
以上に対する、私の回答は次の通りです。
現在、当社の総社員数は100名あまりで、ゼット世代の若い人たちの数は6名です。
Z世代(ゼット世代)の人たちは、初めてのデジタル・ネイテイブの世代であり、現在76歳の私から見ては、孫世代で、世代の差を大きく感じますが、このような若い世代と接していると、学ぶことも多く、これからの会社経営には欠かせない存在になってきます。
当社の6名のZ世代(ゼット世代)の人たちを見ていて感じるのは、好きで得意な仕事に就くと、水を得た魚の様に、実に生き生きと仕事に取り組んでいます。
例えば、1年半前にデジタル分野の専門学校を卒業して新卒で入社した若い男性は、当社の社内で、企画部門でウエブ等の仕事ではなく、現場で機械の組み立ての仕事を希望し、毎日、楽しそうに生き生きと仕事をこなしています。
それを見て感じるのは、若い人、1人ひとりと真摯に向き合い、それぞれの好きで得意な分野を見つけ、それが全う出来る仕事に付けば、辞めないし、モチベーション高く仕事をこなしてくれます。
われわれ年長者は、彼らにとって、何が好きで得意な分野であるかを見つけ続ける手伝いをすることだと思います。
従って、私はZ世代(ゼット世代)のような若い人も、基本的にはわれわれと変わらないと思っています。
以上の様にさまざまな質問に答えながらの楽しい取材の時間を過ごしました。