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はじめに
私は次々と面白い書籍を見つけるのが大好きで、今回も大変面白く、生きていく上で、非常に役立つ書籍を見つけました。
書籍のタイトルは、「感謝脳」で、みなさまも是非、手に取ってみることをお勧め致します。
この書籍は、通常の感謝について書かれている書籍と違い、現役の精神科医と現役の感謝を広める運動家の2名の著者が書いた実務書です。
精神科医の立場で、感謝することが引き起こす心の中と身体の変化、更に感謝を広める実務運動家が自身の体験を通じて、さまざまな感謝が人生にもたらすプラスの効果を余すところなく、書かれています。
実際の自分の生活の大きな変化を遂げるための手法まで書かれています。
今回の記事では、感謝の習慣をもつことで、「経営・人間関係・仕事のパフォーマンス」が向上することを科学的根拠を交えながら紹介します。
感謝の正体とは?感謝とは何か?
感謝とは、「自分の幸せとは何か?」がわかっていて、「日常の有り難さ」を自然に感じられると、定義しています。
従って、感謝と幸せは切っても切り離せない、セットであることが分かります。
そして、どんなピンチに直面しても感謝できる「何が起きても、ありがとう」の状態が、「感謝脳」と定義しています。
従って、感謝することは表面的なことでなく、非常に奥の深い事象だと言うことが分かります。
次に「ありがとう」の語源では、一般的によく使われているのは、有難いの文字通り、有り得ているのが、非常に難しいのに、あり得ていることに感謝です。
ここで良く使われている例えが、われわれ人間の誕生に関する精子のとてつもない、生存競争を生き抜いてきたから、自分が生まれて来ることが出来たという事実と、それだけで、われわれ1人ひとりはラッキーな、運が強い存在であることを理解する事なのです。
現に、私が最初に入社した川崎重工の航空機事業部での新入社員のグループでは、最近、訃報がたびたび共有されています。そのような同期生のほとんどは、現役を退いていますが、76歳になった今も、
毎日元気で、やりたい仕事があり、働くことが出来ていることに非常に感謝しています。
次に、「感謝」と「ありがとう」の違いについて、心を動かす行為そのものを感謝と言い、「ありがとう」は、有り難いという感謝の気持ちを相手に伝えるために用いられる具体的な表現です。
しかし、ここで大切な注意点があり、単に「ありがとう」と言えばいいというものではなく、感謝の言葉を発する手前には感謝の「念」があることが前提です。
われわれのほとんどは、何かしていただいたりすると当たり前に感謝の気持ちを伝えていますが、言葉を発する前に感謝の念があることが大切で、その積み重ねが心を込めることにつながり、ひいては感謝の念として自然に現れてくるのです。
次は少し難しくなりますが、「知恩感謝」と「報恩感謝」の違いで、「いただいている恩に気づくこと」を知恩感謝と言います。
それができたら、今度は「自分も誰かに恩を送ること」を心がけることで、こちらを報恩感謝と言います。
「恩」を自覚したら、今度は「恩」を送って、「恩の善循環」をさせることが、巡り巡って自分を幸せにする行為だと言えるのです。
恩の善循環は素晴らしい言葉で、これを繰り返すことにより、自分自身の人間としてのレベルを高め続けることが出来ると思います。
このようなことを文章にしながら思うのは、このような素晴らしい書籍を書いて下さった著者の方々のご恩に感謝せざるを得ないのです。
心理学者が分析をする人が感謝を感じる「心理学的4つの条件」
この書籍の著者の1人は有名な心理学者です。
そして、心理学的に分析した心理学的感謝の4つの条件を以下に上げています。
① 恩恵の認識
自分が受け取った「良いこと」、恩恵が、自分以外の人や自然界など、外から与えられたと理解していること。(モノや情報が感謝の対象)
② 恩恵の価値認識
自分が得たものや享受している恩恵の価値を高く評価し認識していること。
(モノや情報が感謝の対象)
③ 恩恵の好意認識
恩恵をもたらした相手の優しい気持ちや好意を感じ取れていること。
(「相手(人)」が感謝の対象)
④ 見返りの不要認識
その「良いこと」は義務ではなく、見返りを求められていないと感じられること。(「相手(人)」が感謝の対象)
以上の様に、4つ条件は次のふたつのグループに分けられます。
恩恵の認識と恩恵の価値認識は、「モノや情報」が感謝の対象で、恩恵の好意認識と見返りの不要認識は、「相手(人)」が感謝の対象です。
この心理学的な積み重ねで、「感謝脳」がつくられていくのです。
感謝は、瞬間瞬間の選択であるということ
「『ありがとう』の反対の言葉は、『当たり前』」と、そうマザー・テレサが語ったのは有名です。
当たり前になりがちな家族や健康。
失ってはじめて、「当たり前」ではないことに気づき、後悔することが多いものです。
眠れること、朝起きられること、顔が洗えること、美味しいお米を食べられること、道があること、休まず働き続けている心臓をはじめとする身体の臓器や五感、いつだって見返りも求めず照らしてくれている太陽や月。
これら、普段当たり前に過ごしていること、ひとつひとつが有り難いものだと感謝ができている人は、誰がどう見ても幸運体質だと言えます。
以上は、有難いの語源である普通にあることが有難いと感謝出来ることに繋がるようです。
私も普段の生活の中で、当たり前と思って生活していることに、それが本当は当たりまえではないことを理解しなければいけないのです。
そのことを思い出すのが、5年前のコロナであるし、最近、日本を襲っている大災害の数々です。
当たり前の日々に、当たり前と思わずに感謝する事より、更に難しいのが次の事象に対する感謝です。
当たり前のことを感謝が出来る状態になれば、一見不運に思われるような出来事すべてにおいて、感謝すべき点にフォーカスし、前向きな生き方ができます。
未来は、今、このとき、一瞬一瞬の延長です。
「今」を感謝で生きることができれば、未来も幸せでいられます。
一瞬一瞬、「何が起きても、ありがとう」「何があっても、ありがとう」と感謝の気持ちで反応すると決めること。
それが、未来の幸せの決め手となるのです。
感謝は結果に対してするのではなく、一瞬の気持ちの選択です。「感謝しています」と言うまでもなく、感謝反応が日常化しているのが感謝脳を持つ人です。
感謝が多い人の3つの共通点
①朗ほがらかで、笑顔が多い。雰囲気が明るい
②人当たりがよく、その人の周りに人が集まる
③エネルギッシュで活動的
私の周りで、過去からお会いした多くの成功している人を見れば、以上の3つがぴったり当てはまります。
更に、著者が研究結果の証言を徹底的に調査してみると
①感謝をすると、人間関係が改善する。
②感謝をすると、仕事がうまくいく。
③感謝をすると、全てがうまくいく。
以上のような結果が得られているのです。
感謝のすごい効果
感謝にとって重要な要素な要素の1つが「機嫌が9割」だと言うことです。
これは、確かにその通りで、機嫌が悪くて、心から感謝することは出来ません。
もし、仮に形だけ感謝しても、心からの感謝でないことを見透かされます。
著者が感謝の効果を最大化する秘訣をお教えています。
それは、機嫌良く過ごすことで、自分の機嫌が悪いと感謝は生まれないのです。
いつも「機嫌良くいる」と決めて、心を穏やかな状態にしていくことが、日常でも感謝を生み出す源泉になります。
機嫌よく感謝することで「運」を引き寄せられるのです。
運が良い人は、相手の機嫌も良くしながら、自分も機嫌良く過ごしています。
自分の機嫌は自分でとる。すると、感謝の恩恵も最大限に受けられるのです。
これは、日々、幸せ感一杯に溢れながら生活をすることに繋がるのです。
常に幸せ感一杯で過ごすということは、幸せの水準を最低限に下げ、上の生活を望まずに、今ある現状を最高に幸せと心に決めることだと思います。
私は、麺学校に参加した生徒さんに次のようなことを良く話します。
最近、人手の確保が非常に難しいと皆さん言います。
ところが、お陰様で、当社はそれほど人手に困っていません。
そこで、生徒さんにお話しすることは、今、いるスタッフを大切にすることだと伝えています。
今いるスタッフの良いところだけを見つけてあげて、今いるスタッフに感謝することだと伝えています。
感謝がもたらす「心と身体」への科学的効果
著者は、感謝には、主に4つの効果があると説明しています。
最初の3つは、「心の健康」「身体の健康」「仕事の向上」という個人的な効果です。
さらに、会社や組織、チームなどに感謝が広がる集団的感謝によって、「会社の改善」の効果が得られます。
最近は、感謝による会社の改善を進めるためにITツールを使ったさまざまなノウハウが販売されています。
以下の図は、感謝の4大効果を説明する図です。

第1の効果の心の健康は以下の8項目です。
① 睡眠の改善
② ストレス、うつ、不安の軽減
③ 自己肯定感、自己効力感が高まる
④ 人間関係が深まる
⑤ レジリエンスが高まる
レジリエンスとは「心の回復力」「心のしなやかさ」のこと
⑥ 学業成績が良くなる
⑦メンタル疾患に効果がある
⑧ 幸福度が高まる
第2の効果である身体の健康の5項目
次に、第2の効果である身体の健康は以下の5項目です。
① 心血管系の健康
② 痛みの軽減
③ 病気の苦痛の改善
④ 健康的な行動の促進
⑤ 死亡率の低下、寿命を延ばす
次に皆さんが日常よく使っている言葉の「すみません」を「ありがとう」に変えられることによって得られる効果は次の図の通りです。

第3の効果は、感謝が仕事に与える科学的な影響によって、個人のパフォーマンスが向上することです。
具体的には、以下の8つの効果があります。
① 仕事のモチベーションの向上
② 仕事のパフォーマンスの向上
③ 職場の人間関係の改善
④ 職場ストレスの減少
⑤ 仕事の満足度の上昇
⑥ 自己成長の促進
⑦ 向社会的行動が増える
⑧ 仕事の幸福感の増大
最期に、第4の効果である会社の改善(集団での仕事を通じて、)は以下の7項目です。
① 生産性向上
② 会社への帰属意識、愛着の向上と離職率低下
③ 助け合い行動の促進
④ 不正行為の減少
⑤ イノベーション促進
⑥ 企業イメージの向上
⑦ ワーク・エンゲージメントが高まる
「ワーク・エンゲージメント」とは、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りとやりがいを感じている」 (熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の3つが揃った状態です。
以上の様に、感謝が会社経営に及ぼす効果も凄い効果ばかりですが、上記の⑦のワーク・エンゲージメントが高まると、以下の効果が期待できます。
1) 離職率の低下
2)生産性の向上
3)従業員と会社の関係性の改善
4) 職場の雰囲気の改善
5) 従業員にとって働きやすい環境の確保
6) 組織の活性化
ワーク・エンゲージメントを高めると言うことは、働く人に取って、他に良い会社が幾らあっても、自分はぜひ、長くこの会社で働きたいという、社員を会社の熱烈なファンにすることなのです。
一般的に金銭的な待遇面とか、休日の多さ等を最初に上げる人が多いのですが、本当にその会社に取って、なくてはならない人の場合は、その様子が違ってきます。
報酬面等の待遇面よりももっと重要な要素があるのです。
ではどうすれば、ワーク・エンゲージメントが高まるのでしょう。そのために重要なのが「感謝」です。
会社として「感謝の文化」が、企業風土として定着するほど、「ワーク・エンゲージメント」が高い会社ができ上がる、というわけです。
大切なことは、人に感謝されなくても、幸せになれると言うことを理解すること
われわれは、往々にして感謝に捉われていると、自分が感謝するだけでなく、人に感謝されることも必要と思いがちです。
ところが、感謝は、自分ひとりでできるし、自分だけの感謝で十分な効果が得られます。
あなたがちっとも感謝されなくても、まず自分から「感謝する」「ありがとうと言う」ことで、満足度が上がり、仕事が楽しくなり、パフォーマンスも上がり、仕事で評価されるようになると、著者は説明しているのです。
最高の職場の作り方
「ありがとう」に対して「ありがとう」が返ってくる会社で、組織の生産性が向上し、職場の人間関係も改善し、他部署との協力、コラボなども増えて、コミュニケーションが活発になり、新しいアイディアや提案もしやすい環境です。
心理的安全性が実現した「働きやすい職場」が、お互いの「感謝」を増やすことで実現できるのです。
「うちの会社では、感謝を言う雰囲気ではない」もしそうなら、せめてあなただけでも「感謝する」「ありがとうと言う」を実践してほしいのです。
なぜならば、感謝は伝染するからです。
感謝を目撃すると「ポジティブな感情」を引き起こす。
感謝は、伝染、拡散する可能性が高いのです。
この項で知った感謝の力を、ぜひあなた自身の仕事と職場に生かしてください。
陰口を叩く人は「ありがとう」を言っても効果がない
間違った感謝も存在します。
それは、陰口を叩く人は「ありがとう」を言っても効果がないということです。
著者の心理学者が分析しています。
そして、感謝できない人の共通点は、以下の7項目が当たります。
① 自己肯定感が低い
② ネガティブ思考
③ 人のせい、環境のせいにする(他責)
④ クレクレ星人
⑤ ポジティブすぎて反省しない
⑥ 功績を自分ひとりでやった実績のように語る
⑦ 完璧主義者
私も自分自身の過去の心の動きを振り返ってみて、③の人のせいにする心の動きがあったことが大きな反省材料です。
次に、脳科学的理由から、悪口で感謝が相殺されるのです。
悪口やネガティブな言葉が多いと、「感謝」しても効果が得られないのです。
そんな人たちの典型的なパターンを見たところでそうなってしまう科学的な理由について、解説しておきます。
結論から言いますと、「悪口」が多い人は、脳と身体へのストレスが増えて健康に悪く、以下のような6つの弊害が発生します。
① 認知症リスクが3倍
② 寿命が縮む
③ 悪口は、ストレス解消にならない
④ 他人への悪口は、自分に悪影響を及ぼす
⑤ 扁桃体が肥大する
⑥ 悪口が感謝の効果を相殺する
ポジティブ感情とネガティブ感情の比率はその算出方法に議論はあるものの、3対1程度が理想的であると言います。
この比率を維持することで自己成長につながり、幸福感が高まると考えられています。
別な研究では、離婚しないカップルのポジティブ・ネガティブ比は、5対1以上。
業績の良い企業、チームでのポジティブ・ネガティブ比は、6対1以上と言われます。ポジティブ・ネガティブ比の考え方は、幸福心理学の中でも非常に重要な理論となっています。
「ネガティブ言葉」を1回言うと、「ポジティブ言葉」を3回言って、ようやくバランスがとれるのです。
つまり、「悪口」を1回言うと、「ありがとう」を3回言わないといけない。
悪口が感謝の効果を相殺するのです。
バランスをとるだけでなく、感謝の効果を十分に出すためには、「悪口」1回に対して、「ありがとう」を5回言う必要がある。
「悪口」を1日10回言う人は、「ありがとう」を50回以上言わないといけない。
どうみても無理です。
他人への悪口、誹謗、中傷、あるいは「自分はダメだ」「自分には無理」といったネガティブな言葉は極力、言うべきではないのです。
悪口が多い人には、感謝の効果は出ないのです。
悪口を言うと寿命が縮まる。
「ありがとう」と言うと寿命が伸びる。
あなたは、どちらの言葉を発したいですか?
以上は、非常に面白い著者の科学的な分析であり、これはわれわれビジネスマンは、真摯に理解する必要があります。
われわれは、社内から、組織からネガティブな言葉を排除しなければいけないのです。
感謝の分類
今までにも既に同じようなことに触れて来ていますが、実は感謝には下記の3つのステージがあるのです。
①第1ステージ:「親切への感謝」のステージ
②第2ステージ:「日常への感謝」のステージ
③第3ステージ:「逆境への感謝」のステージ
それぞれのステージによって「ありがとう」の形態が変わっていき、ランクアップしていきます。
感謝脳に変わった状態とは、逆境への感謝である

第3の「逆境への感謝」のステージが、感謝脳に変わった状態です。
これを説明するために上記の図を使用します。感謝の3つのステージへの理解を深め、感謝脳へとアップデートさせるために、「心のステージ」についても説明します。
①第1ステージ:「不安」のステージ
②第2ステージ:「自立」のステージ
③第3ステージ:「太陽」のステージ
これからは、心のステージのどこにいるかによって付き合う人が変わってくる時代になります。それを説明するのが次の図になります。
心の3つのステージ

次は、つながりの3つの進化の説明で、これからはつながりも1・0、2・0を超えて、3・0時代」に入っていくのです。
「つながり1・0時代」は、自分からつながろうとせずとも、つながっていた時代で、地域の同級生や職場のつながりです。
現在は、「つながり2・0時代」で、趣味や学びのコミュニティを通してつながる時代です。
共通の目的を持ち、何らかのことを得ようとして、自分からつながっていく時代と言えます。
さて、「つながり3・0時代」はどうなるのでしょうか。
つながり1・0や2・0を通してつながった人たちの中で、心のつながりを求める時代になると考えています。
心のつながりとは、すなわち「損得を超えたつながり」です。
そのとき大切なのは、同じ心のステージの人とつながっていくこと。
次に著者の心理学者の専門分野の感謝と脳内物質の関係です。
だんだんと難解になってきますが、興味のある方はぜひ、読み進めて下さい。
感謝と脳内物質の関係は下図の通りです。


① ドーパミンの活性化
感謝することで、報酬系の活動がより強化され、利他的な行動をとりやすくなると結論しています。
ドーパミンは別名「快楽物質」と呼ばれ、ドーパミンが活性化すると「うれしい」「楽しい」「幸せ」といったポジティブな感情が湧き上がります。
つまり、「感謝」で脳は喜び、そのプロセスにドーパミンが関与していると考えられます。
② セロトニンの活性化
セロトニンが活性化すると、扁桃体の過活動にブレーキをかけて、不安や抑うつを減少させる。
脳をリラックスさせるのです。
感謝によって、扁桃体が抑制され、不安や抑うつが改善するとした場合、そのプロセスは「セロトニン神経」を媒介していると推論されます。
③ エンドルフィンの活性化
人間の脳の中では、「麻薬」と非常に似た物質を自分で分泌しており、それを「内因性オピオイド」と呼びます。
内因性オピオイドの扁桃体での放出が、ポジティブな感情の調節に関与していることが示されました。
内因性オピオイドの刺激は、喜び、幸福感、向社会性、絆を増やします。
帰属感や社会的感情とも関連しています。
さらに、オピオイドを介した快楽刺激は、社会的絆、社会的つながりを強化します。
向社会的行動、利他的な行動をとろうとする場合も、オピオイドが関連します。
オピオイドの受容体には、μ(ミュー)、κ(カッパ)、δ(デルタ)の主に3種類があり、エンドルフィンは、μ受容体に結合する内因性オピオイドの一種です。
エンドルフィンとドーパミンは、ともに「楽しい」「幸せ」といった「ポジティブ感情」を引き起こす幸福物質です。
このふたつが同時に分泌されると、エンドルフィンがドーパミンの幸福感を10倍~20倍にも増強します。
エンドルフィンはポジティブ感情だけではなく、「怒り」「恐怖」「悲しみ」といったネガティブな感情とも関連しており、非常に複雑です。
エンドルフィンは、「感謝の感情」や「幸福な気持ち」と、関係していることは間違いありません。
④ 親切とオキシトシン
オキシトシンとは3大幸福物質のひとつ。
コミュニケーションやスキンシップによって分泌します。
リラックス効果、癒しの効果が高く、心血管系の病気予防効果、老化予防、免疫力を高める、不安・恐怖・怒りなどのネガティブ感情を軽減する、人間関係を改善するなど、心と身体の両方に対して高い癒しの効果を持った物質です。
また、人に親切にすると、親切にした人だけではなく、親切にされた人にもオキシトシンが分泌されることがわかっています。
また、親切によってオキシトシンだけではなく、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィンも分泌します。
⑤ 感謝とオキシトシン
オキシトシンは、感謝の表現を通じて社会的絆を強化する重要な役割を果たしていると考えられます。
また、「共感」によってオキシトシンレベルが47%増大した、という研究もあります。
つまり、感謝による心と体への癒やし効果をもたらすものとして、セロトニン、ドーパミンに加えて、オキシトシンも深く関わっていることは間違いないでしょう。
⑥ 親切と感謝で「3つの幸福」が完成する
感謝によって、感謝物質セロトニン、ドーパミンを中心に、オキシトシンも分泌される。
親切によって、親切物質オキシトシンを中心に、セロトニン、ドーパミンも分泌される。
親切と感謝によって、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという3大幸福物質の全てがコンプリートするのです!
セロトニンによって、笑顔が多くなり、雰囲気が明るくなる。
オキシトシンによって、人間関係がうまくいく。
そして、ドーパミンによってエネルギッシュで活動的になるため、仕事でも成功しやすい。
「3つの幸福」が完成した人は、健康、つながり、仕事のすべてがうまくいき、幸せになれるのです。
また、親切と感謝によって「幸福の連鎖」が引き起こされます。
3つの幸福物質がそろうと、集中力、判断力、記憶力などの認知機能が高まりますので、ネガティブな感情はなくなり、「自分にはできる」(自己効力感)、「今の自分でいい」(自己肯定感)、「今の自分に満足できる」(満足感)といったポジティブな感情とともに、幸福感に満ち溢れるのです。
セロトニン、オキシトシン、ドーパミンを単独で出すのは、意外と大変です。

それに比べて、「親切」と「感謝」はどうでしょう。
「相手がどう思うか」は関係なく、一方的に相手に「親切」にして、相手に「感謝」することにより、それだけで、3つの幸福物質が全て整うのです。
感謝の理解を深める
これからの混迷の時代に強く、正しく、生き残る重要な要素のひとつが感謝脳であることが理解出来たのではないでしょうか。
今回は、幸運にも「感謝脳」という書籍に触れるチャンスがあり、内容について深く迫りました。
本日も日曜日ですが、午後から会社に来て、メンテンナンスで出勤している人達と一緒に、この文章をまとめております。
現在は、ブログで私の考えとか、面白い情報を皆さまに共有しておりますが、もっと皆さんと近くなり、私と皆さまとの関係性が今回の感謝脳で説明している関係性が得られるようになればと、考えております。
日曜日の午後の会社は、周りに誰もいないので、静かに仕事に取り組むことが出来る私にとっては、理想的な仕事の環境です。
未来の戦略を構築したり、深く思考したり、このような有意義な文章を書いたり、素晴らしい、楽しい時間です。
これからも、幸せに生き抜くために、私は健康維持にも非常に力を入れており、本日の睡眠状態の最高の睡眠状態だったのです。
睡眠状態をデータで把握するために、私は常にFitbitを身に付けて睡眠しています。
そして分かったことは、最高に良い睡眠状態とは、寝入った瞬間に深い睡眠に落ち込むことで、良い睡眠状態の場合は、深い睡眠が約1時間半続きます。
そして、レム睡眠もほぼ同じくらい継続しているのが、理想的な睡眠状態で、残りの時間が浅い睡眠状態です。
深い睡眠の質、量ともに重要ですが、同じ様に重要ものが、レム睡眠の時間です。
レム睡眠の間に頭脳の疲労を取り、頭の中に溜まったごみを整理し、コンピュータがリセットするのと同じように、脳内をリセットしているのです。
私は、この年齢でも、毎日、非常に深い眠りが出来ている原因が、1日中元気に働いて、運動で身体を疲労させているだけでなく、1日中、頭を使って頭脳を疲労させているのが、大きな原因だと思っています。
「感謝と幸せ感」感謝脳の続きについてはこちら