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はじめに
先週の感謝脳の考え方はいかがでしたか?いままでの感謝について持っていた考え方とずいぶん違っていたのではないかと思います
そして、感謝の威力について良く理解できたことと思います。感謝の中でも最も難しいのは、逆境に感謝することではないかと思います。
好境に感謝することは誰でも出来ることですが、逆境になった時に、逆境に心底、感謝することが出来るようになるのは、感謝脳が身について、実践出来ていないと難しいのです。
うわべだけの感謝であれば、誰にでも出来るのですが、逆境になった時に、本心から有難うと言えて感謝できることは、なかなかできないことだと思います。
しかし、それが出来るようになれば、既に人生の達人の域に達しており、どんな厳しい環境でも、強く生き抜くことが出来る人になっています。まだまだ私もその域には到達していませんが、それが出来ることの重要さは十分に理解出来ます。
それでは、その域に到達するために、そろそろ実践編をひも解いていくことに致します。実践編は、概念編よりもずっと優しいので安心して下さい。
感謝(脳)のつくりかた
その前に、感謝思考とネガティブ思考、ポジティブ思考の違いについて、下図を使って説明します。
「感謝思考」を磨く5つの方法
感謝思考を身につける5つの方法は以下の通りです。

上記のように、どんな環境になっても、前向きに捉えるのが感謝思考で、現実の状況をそのまま受け容れ、そこから学びや成長を見出すことができます。
①「感謝思考」を意識する
良いこと、良くないと思えること、どんなことが起きても、感謝思考であれば、ポジティブに受け止めたうえで、そこから学びを得られることにもなります。
「感謝思考」は、「ポジティブ思考」の長所を兼ね備えた最強の思考法です
②「ある」にフォーカスする
ひとつひとつの「ある」に感謝してみるのです。
また、うまくいかないことを嘆くのではなく、うまくいっていることを見つけて感謝することで力が湧いてくることがあります。
③幸せの基準を低く設定する
お金、心の状態、役割(仕事)、時間、健康、パートナー・仲間、コミュニティ、それぞれを書き出して、自分だけの幸せの最低限の基準を作ってみましょう。
④自分の幸せの定義をつくってみる
⑤感謝で感情をコントロールする
ネガティブな感情から一刻も早く抜け出して、ポジティブに前向きに進むためには、起こった出来事と、感情をいったん切り離して、俯瞰してみましょう。
感謝で感情はコントロールできるのです。
感謝の伝え方・与え方 実践編
しっかり伝わる感謝の基本 3大法則は以下の通りです。
① 必ず一度は相手の目を見て感謝を伝える
② 何に対して感謝しているのか具体的に伝える
③ 報恩感謝の姿勢で、相手に感謝されることを意識して実行する
いつも相手に感謝するだけではなく、反対にどうすれば、相手に感謝されるのか、相手に感謝されることを探してみましょう。
「ありがとう」には、以下のような5段活用があるのです。
①「ありがとう」と思っている
②「ありがとう」を声に出して伝えている
③何に対して「ありがとう」なのか具体的に伝えている
④相手に感謝されるようなことを意識する
⑤自分がしてもらった「うれしかったこと」を他の人にもしてあげる
次に、「ありがとう」以外の感謝の言葉は以下の5項目があります
① 感謝しています(お礼申し上げます)
② おかげさまで(ご配慮いただきまして)
③ 助かりました(恐れ入ります/恐縮です/かたじけない)
④ うれしいです(光栄です/冥利に尽きます)
⑤ 励みになります(身に余るお言葉です)
ちょっとした一言を添えるだけで、感謝が余計に伝わるテクニックは以下の通りです。
① 「も」を加えて伝える
② 相手の名前を加えて伝える
夢の実現を左右する「感謝の力」
夢や目標の実現には感謝し、感謝されるということが非常に大切なのです。「あなたは夢を叶え、幸せな人生を歩みたいですか?」この問いに対して、NOと答える人はいないと思います。
だとするならば、感謝から始めることです。
感謝することで幸せな生き方が始まります。幸せだから感謝するのでなく、感謝するから幸せになるのです。
「与える人」は信用と信頼がついてくるので、 自分から先に与える人になることが重要なことなのです。
感謝される与え方の基本3大法則は以下の通りです。
① 相手の話を笑顔で聞く
② 自分が与えられる、相手が喜ぶことを考える
③ 見返りは求めない
人生の幸せを求めて、日々の実践10項目は以下の通りです。
① 幸せになりたい! と思ったら人を幸せにすること。
② 自分の機嫌をいつも良くしたい! と思ったら人に元気を与えること。
③ 褒められたい! と思ったら人を褒めること
④ 人に親切にされたい! と思ったら人に親切にすること
⑤ 知識を身につけたい! と思ったら教える側になること
⑥ 応援されたい! と思ったら人を応援すること
⑦ 心から感動したい! と思ったら人を感動させること
⑧ 成功したい! と思ったら人を成功させること
⑨ 人から好かれたい! 愛されたい! と思ったら人を好きになって、愛すること
⑩ 与える喜びを感じるようになれば、それは自然に習慣化していきます
上記のとおりに、本当の幸せを目指せば、まず自分からスタートだったのです。いつも「ギブ」にフォーカスして考えるクセをつけると、「○○すると喜んでもらえそう」というアイデアが、次々と浮かんできます。
意識しなくてもギブができる。ギブをしている。これも、「感謝脳」の状態です。
「感謝脳」実践ワーク
「感謝日記」の驚くべき効果
ここからは実際にもう1人の著者田代さんが主催している「ありがとうワーク」や「ありがとう合宿」で実践しているワークの中から、効果が高いものを紹介していきます。
まずはなんといっても、感謝日記です。日々の感謝したことを振り返るというシンプルな方法ですが、効果は最大級です!
感謝日記を続けると、世界の見え方、捉え方がまるで変わってしまうほどの効果が得られます。
他の人の書いた「感謝日記」で気づきが加速する
他の人の毎日の感謝を見ることによってはじめて、「そんなことにも感謝してるんだ!」といろんな視点に気づき、自分に取り込むことができます
(感謝日記の実例は、感謝脳の書籍の中に実例がたくさん書いてあります。)
感謝日記を続けることによって、日常への感謝ができるようになると、日々の生活や仕事の中で、些細な、人の親切心にも気づけるようになります。
人の親切心に気づくことで、さらなる感謝が生まれてきます。
感謝を「待つ」のではなくて、自分から意識して自発的に感謝していくことで、笑顔も生まれ、人とのつながりも生まれていくものです。感謝日記は「感謝を能動化する」ためのツールなのです。
「感謝日記」の絶大な効果は、下図の通りです。

感謝日記の最大の良いところは、「相手がいらない」ことです。
「誰かに感謝する」のではなく、自分と向き合い自分の中にある「感謝の念」を思い出して記録するだけです。
感謝日記の具体的な書き方
効果を最大化する感謝日記の書き方についてで、感謝日記の書き方の基本項目は、以下の6項目です。
①寝る直前に書く
②ノート(紙)に書く(アナログ)
③今日あった感謝の出来事を思い出しながら、3つの感謝を書く
④最初は短くていい。1個1行で、最低3行でOK
⑤書いた内容をイメージしながら眠る
⑥まずは、4週間連続して行う
感謝日記は、寝る直前に書くのがいいでしょう。パジャマに着替えて、歯磨き、洗顔を終わらせて寝る準備をしてから、専用のノートに「感謝日記」を書きます。
「スマホに入力したい」という人もいるでしょうが、鉛筆やペンでノート(紙)に書いた方が、脳への刺激効果が強く、より高い効果が期待できます。
最初は短くて大丈夫です。1個1行で、最低3行でOKです。なので、3~5分以内で終わるはずです。
長く書こうとすると、毎日続けられなくなります。どうしても長く書きたいという方は、書いてもいいですが、15分は超えないようにしましょう。
「感謝する」ことで、セロトニンやドーパミンが活性化されます。
感謝日記を書いた後が重要です。感謝日記を書いたら、すぐに布団に入り、書いた内容をイメージしながら、「感謝の気持ち」のまま眠りにつきます。
「感謝の気持ち」をイメージすることで、今日あった失敗や嫌な出来事を思い出さないですみます。寝る直前に考えたことが最も記憶に定着する、と言われます。睡眠中には、記憶が整理され、脳に定着するからです。
寝る前に感謝しながら、ポジティブな気持ちのまま眠れば、「ポジティブな体験」があなたの「記憶」として定着します。それが積み上がると、あなたの「性格」として定着します。
感謝の記憶が積み上がることで、自己肯定感が高く、前向きな性格に変わっていきます。
私、ロッキー藤井は、Fitbitを常時使って、日々の睡眠状態を確認しています。上記のとおりに、感謝の念を抱いて眠りに入ると、深い眠りの時間が長くなり、睡眠のスコアが高まり易いことを実感しています。
従って、寝る前に感謝しながら、眠りにつくことは非常にお勧めしたいと思います。
寝る直前に「不安」や「ネガティブな出来事」を考えて眠る人は、「失敗体験」で記憶が埋めつくされます。結果として、自分に自信が持てない、自己肯定感が低い人になってしまうのです。
他の本にはあまり書かれていませんが「感謝日記を書く」こと以上に、「感謝とポジティブな感情のまま眠りにつく」ことが重要です。「たった3分の感謝日記で、質の良い睡眠が手に入る!」と思えば、こんなお得な時間の投資はありません。
エモンズ博士の研究では、10週間で非常に高い効果を報告しています。その他の研究でも、1~3ヶ月実施しているものが多いので、最低でも、1ヶ月(4週間)は続けてください。
「3つの感謝ワーク」を追加する
足りなさを感じはじめたら、感謝日記に「3つの感謝ワーク」を追加しましょう。「3つの感謝ワーク」とは、1日3回、誰かに感謝し、実際に口に出して「ありがとう」を言うというワークです。感謝と区別するため、「3つの感謝ワーク」と呼びます)。
最初に、心の中で「感謝する」。次に、その感謝の気持ちを「ありがとう」という言葉で、相手に伝え、言語化するのです。感謝日記だけだと、あなたの「意識」(脳内)が変わるだけです。
「感謝日記&3つの感謝ワーク」で、あなたの「行動」(現実)が変わるのです。「感謝の念を持つ」だけでも、幸福の脳内物質は分泌しますが、「ありがとう」を言葉にして発することで、脳科学的な効果が何倍も強く得られるのです。
「ありがとう」を言葉に出すのは難しい、言いづらいという人は、メッセージやチャットで送るのもいいでしょう。
メッセージで感謝を伝えても対面で、直接言葉で伝えるのと、ほぼ同じ効果が得られるという研究もあります。「今日は、○○してくれてありがとう」というメッセージなら、簡単に書けますよね。というか、すでに書いているかもしれません。
それを思い出して、日記に書くのです。「感謝の念」だけと比べて、感謝を言語化すると効果は3倍になると考えましょう。
だとすれば、せっかく「感謝の念」を抱いているのですから、それを「ありがとう」と言葉にしないのは、もったいないのです。今まで、「感謝の念」を3個書いていた感謝日記。
「感謝の言語化」をひとつずつ増やしていきましょう。1日3回「ありがとう」を言う。そして、感謝日記の3行が、3行とも「ありがとうと言った」(感謝の言語化)になれば、あなたは「感謝脳」を手に入れているはずです。
感謝日記の「応用編」
以下のような応用編のワーク、書き方を取り入れると、難易度が高まるのと同時に、さらに日記の効果を高めることができます。
① 「ありがとう」を他人にも意識して言う
② 7個の感謝を書く
③ 長文で感謝を書く
④「感謝された」出来事を書く
⑤「親切日記」を取り入れる
感謝日記からわかったすごい現実
自己肯定感が低かった人、幸せを感じられなかった人、病気だった人、仕事がうまくいっていなかった人、家庭環境が良くなかった人。人生の課題もさまざまでしたが、感謝日記の実践によって、これらすべてが好転していくことを、実証していただけました。
これだけ人生が変わっていくのが感謝の力なのです。誰しも感謝日記を始めた最初の頃は、「大きなこと」を探そうとします。その日にあった良かったこと、親切への感謝などわかりやすいことからスタートしますが、次第に「小さなこと」、「日常の些細なこと」への感謝に気づいてくるのです。
当たり前の日常が、実は当たり前ではなかったということに気づく大きな転換点を経て、さらに続けていると、無意識にでも、どのような出来事でも「ありがとう」と心から思うようになります。
物事すべてを受け入れ、愉しむことで、起きる現象すべてに意味があることに気がつきます。
そうすると私たちが生きている「現実」がまるでギフトのように思えますし、「守られている」という有り難い感覚になっていきます。一見ネガティブに思えることにも必ず「宝」が潜んでいることもわかります。すると、イライラすることもなくなり、いつも機嫌よくいられるようになります。
感謝日記を実践していると、感謝思考が自然と身につくのです。感謝の3つのステージである「親切への感謝」から「日常への感謝」、そして「逆境への感謝」へと、誰しもが変わっていきます。
意識しなくても「逆境への感謝」「万物への感謝」をしている状態が「感謝脳」です。そうすると、させていただいて「ありがとう」。気づかせてくれて「ありがとう」と、すべての会話が「ありがとう」になっていきます。
仲間たちとすることで他の人の視点を取り込むことができるので、ひとりでするよりも視点が広がっていきます。これがコミュニティの最大の利点です。
幸せの鍵は「感謝」にあります。幸せな人生を送りたい方は、ぜひ誰かと一緒に感謝を実践していきましょう。合言葉は、「何が起きても、ありがとう!」です。
「感謝脳」実践ワーク
欲しいものリストではなく、あるものリストを書く
欲しいものや夢などの「今ない」ものではなく、逆に「今ある」ものを書いていくのです。今あるものを「ない」と想像してみる。
これは、今すぐ、「心からのありがとう」が湧き出てくるワークです。
万物感謝ワーク
① まずは身の回りの物に「ありがとう」と伝えていく
② 自然界に「ありがとう」を伝えていく
③ ご先祖さまに「ありがとう」を伝えていく
④ 自分に「ありがとう」を伝えていく
⑤ 家族、仲間、恩人に「ありがとう」を伝えていく
⑥ まだ出会っていない人に「ありがとう」を伝えていく
⑦ 対象物を定めず「ありがとう」を感じる
感謝の健康法
「何が起きてもありがとう」ワーク日常生活の中でトラブルがあったとき、
このワークのやりとりを自分の脳内ですることによって、どんなことが起きても感謝思考で乗り越えられるようになります。
感謝思考のトレーニングをするうちに、意識しなくても感謝できるようになります。
その状態が「感謝脳」です。この「何が起きてもありがとうワーク」を習慣化していくと、日常のすべてが学びになりますし、自己成長につながります。
「感謝の深掘り」5ステップ連想法
ステップ① 直接的感謝
ステップ② 関わった人に感謝
ステップ③ 関わった環境に感謝
ステップ④ 自分自身に感謝
ステップ⑤ 全体を俯瞰して感謝
ひとつひとつ丁寧に感謝に目を向けることで、感謝の深掘りができるようになります。
「感謝脳」が人生を変える
いよいよ感謝脳の最終章に入りました。
「感謝脳」を手に入れた人たちの状態
ここでは、これまで紹介してきたワークを通して、感謝脳になるとどういった変化があるのか?
夢や目標、願いがどう現実化するのか?
多くの人に見られる変化の傾向を見ていくことにしましょう。
自分の内面が変われば、外界が変わる
感謝脳になると、すべての物事の捉え方が「感謝ベース」となります。
感謝にフォーカスすることにより、自分の内面が心の成長と共に変わっているということです。すると、人から受けている今までは気づけなかったような思いやりが見えるようになります。
周りにいる家族やパートナー、友人たちとの関係も、自分の内面が変わることで、より良いものに変わってきます。
小さなことを気にしなくなる
ワークをする前は、小さなことでもイライラしたり、そのことに対して愚痴や不平不満をつい漏らしていた方が、心からの感謝を体験した後は「なぜ今まであんなに気にしていたのでしょう」と、小さなことが気にならなくなったという例が数多くあります。
瞬間の感謝から感謝ベースへシフト
感謝には「Doing の感謝」(恩恵的感謝)と「 Being の感謝」(普遍的感謝)があります。恩恵的感謝とは、自分に良いことがあったら感謝すること。感謝の3つのステージで言えば「親切への感謝」です。
普遍的感謝とは、どんなときにも感謝を抱いている「逆境への感謝」ステージ、すなわち感謝脳の状態です。
日常の出来事ひとつひとつへの反応を感謝に変換し続けていると、すると、感謝がベースの 「Being の感謝的生き方」(感謝脳)へとシフトします。
アイデアが湧いてきた!
感謝脳でいることによって、脳がアルファ波を発するようになります。アルファ波は、お風呂に入っているようなリラックス状態で発せられますが、創造性を高める脳波と言われており、加えて、日々の小さな感謝を意識化することで、人に対しての思いやりの心が新たなサービスなどのアイデアを生むきっかけになるようです。
新しいアイデアが浮かぶこともあれば、昔からやりたいと心のどこかで思っていたことが表面化し、行動に移す機会にもなるようです。
病気が治った!
ありがとうのワークの前に、検査で「がん」が見つかった人がいました。ところが、ワークの後に検査に行くと、なぜか消えていた、ということがありました。
ワークでは自分自身で「ありがとう」を言うのとは別に、参加者全員から一斉に「ありがとうの言葉のシャワー」を浴びるということもするのですが、その方は、みんなからの「ありがとうのシャワー」を受けたときに涙されていました。
きっと自分の中の何かが昇華されたのかもしれません。病は気からと言いますが、感謝脳になることで、気が好転します。
感謝することで病気を受け入れ、脳内物質のエンドルフィンやオキシトシンが増えることによって自然治癒力が高まるのでしょう。「なんで自分だけこんな目に」などと嘆いている間は病気は治らず、病気を受け入れ、感謝できるようになると自然と治ることが多いようです。
感謝すれば病気は治る
感謝は心や身体の健康に良いことが明らかになっています。感謝する人は、病気のリスクも下がり、死亡率も下がる。
病気も治りやすくなる。多数の研究によって示されています。
「感謝」と「治る」は連動している!
明らかに「感謝」と「回復」は相関があることがわかりました。多くの人は、「病気が回復した」から、心に余裕ができて、家族や医療者に「ありがとう」と感謝できるようになる、と思うでしょう。
でも、因果関係は逆です。患者さんに、感謝の言葉が増えてくると、急に回復に向かうのです。さらに、退院間近な患者さんが、最近入院した (同じ病名の)患者さんに、病気の治し方や療養のコツを指南したりすることもよくあります。
自分のことしか考えられなかった患者さんの意識が、外に向いて「感謝」できるようになる。さらに、「他の人の役に立ちたい」という「他者貢献」「社会貢献」の気持ちが湧いてくるのです。
こうした患者さんは、病棟のレクリエーションでも、率先して準備、片付けを行ったり、盛り上げ役になったりします。「良くなったから感謝や他者貢献をする」のではなく、「感謝や他者貢献をしながら良くなっていく」のです。
病気が治る3つのステップ
「会社のせい」「社会のせい」「家族のせい」と他責的になったり、「自分のせい」「何て自分はダメなんだ」と自責的になるのです。
さらに「不安」や「怒り」が湧いてきて、悪口や誹謗、中傷の言葉も増えてしまう。「否認/不安」の状態では、脳科学的にはアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどのストレスホルモンが活発に分泌されています。
そして、興奮の神経である「交感神経」が優位となり、心も身体も戦闘モードです。病気や現実を受け入れて、「しょうがない」と思うと、心の葛藤が落ち着いてきます。
ストレスホルモンも分泌しなくなってくる。「受容/自立」の状態です。さらに受容が進み「感謝」の気持ちが、自然に湧いてくる。「感謝/太陽」のステージに入ると、セロトニンやオキシトシンといったリラックス、癒しの物質がたくさん分泌され、リラックスの神経である「副交感神経」が優位になります。
身体がリラックスした状態。休息モード、回復モードに切り替わるのです。「回復→感謝」ではなく、「感謝→リラックス→回復」というプロセスをとるのです。
ですから「感謝」が先です! 「感謝すると病気が治る」。あるいは、感謝するほど病気が治りやすくなると言えるのです。病気が治らないと苦しんでいる、あるいは体調が悪い、メンタルの調子が悪いという人は、是非、試してほしいのです。
まずは「感謝日記」を書いてみる。次に、「ありがとう」と言ってみる。感謝を表現する。そして、人に小さな親切をしてみる。自分にできる小さな「他者貢献」をはじめてみる。
最初は、「意識して」行う必要があります。それを繰り返すことで自然に「ありがとう」が言えるようになり、自然に「親切」ができるようになるのです。
感謝と親切が進むほど、不思議なことにあなたの気分は楽になり、体調も良くなっていきます。悪口が多い人は、いつまでたっても戦闘モード(交感神経)のままです。病気は治るどころか、さらに悪化する。
体調不良もひどくなるばかりです。
下図は、病気が治る3つのステップ

病気とは、「究極の逆境」です。「逆境への感謝」が、感謝脳の状態。
「病気にすら感謝できる」というのが、まさに感謝脳なのです。
感謝は生きる力になる
感謝脳になり、すべてに感謝できるようになると、人は感謝の対象物を粗末に扱ったり、汚したりしようとは思わなくなります。
私たち人間の活動や営みが地球環境につながっていて、循環していることがわかるようになります。感謝は、地球上のすべてをつなげてくれる言葉でもあるのです。
地球をきれいにする技術は、すでに日本にもありますが、それは対症療法のようなもの。根本的には、人の意識が変わることが大切です。そのきっかけが「ありがとう」という言葉だと確信したのです。
感謝脳から真心の追求と実践へ
これから先、どんな出会いがあるのかわかりません。大切な人との別れがあるかもしれません。災難に遭うかもしれません。人生が大きく変わってしまうこともあるかもしれません。
それでも、感謝脳でいれば信じられないようなうれしいことも起きてきます。一歩前進して、二歩下がったとしても、人生においては三歩歩いたことになります。
その三歩すべてに感謝することができれば、良い人生なのではないでしょうか。そのための魔法の言葉が「何が起きても、ありがとう」であり、「感謝脳」なのです。
まずは、自分に「ありがとう」を。そして、今、奇跡的に一緒にいる人に「ありがとう」を。今すぐに、「ありがとう」をメールででも伝えてみてください。
その一言で、変わる現実があります。そして、最新の脳科学が全て一致して、「自分が感謝するだけで幸せになる」ことを示しているのは、実に興味深いことです。
相手にどう思われようが、関係ありません。「感謝する」「親切、他者貢献する」「信頼する」は、全てあなたひとりでできるのですから。
本書であなたにお伝えしたかったのは、「感謝する勇気」です。まず自分から感謝してみる。その小さな勇気が、あなたを大きく変えるのです。感謝脳は、あなたの未来を変えます!
感謝脳をどのように活かすかがわれわれの最後の課題
最期に、このような素晴らしい書籍をわれわれに与えてくれた、著者の樺沢紫苑と田代政貴に深く感謝したいと思います。
そして、チャンスがあれば、私はこのお2人に直にお会いして、お礼を伝えたいと思っています。
その日が来るまでに、読者の皆様に負けないように、早く感謝脳を自分自身の身に付けます。長く生きていればいるほど、実に想定外のさまざまな事象が次から次へと湧き上がってきます。
最近の私にも全く想定外のことが起きましたが、今回は、感謝脳を学んでいたお陰で、これは良いことが起きる兆しであり、感謝すべきことであると、真剣に想うようにしています。
今までの時代は、年齢という物理的な要素が、人を分別する重要な基準になっていました。例えば、定年は60歳であるとか、平均年齢がいくつであるとか、多くの人は、年齢に左右されて生きてきたのです。
しかし、これからは全くのエージレスの時代に入ったことを実感しています。
エージレス時代とは、年齢にとらわれないことや年齢を感じさせないことという意味
日々、何事にも深く感謝しながら生きることで、ますますエージレスの時代を強く、逞しく生き残り、楽しい人生を謳歌出来る時代になりました。
その大きな構成要素が感謝脳を持つことであることは間違いないと思います。