麺ビジネスの新規開業の戦略の立て方 #1/2

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麺ビジネスの新規開業の前に

あなたは、最初は理解出来ないかもしれませんが、ビジネスを始める前に、行なうことの第1番目は、大きな目標、聞いただけでわくわくする夢物語のような目標、最初は達成不可能と思えるような目標の設定です。 

目標を明確にすると言うことは、船を出航する場合に、目的地を明確にするのと同じことなのです。 

私は麺学校の経営講義で生徒さんにご指導しているのは、下記の通りです。 

ビジネスの成果=情熱✕責任×夢(志)×意志力×集中力×経験×直観力×忍耐力 

夢の大きさ、志の大きさが最終的にビジネスの成否を決めると思っています。 

山に例えれば、東京近郊の高尾山に登るのか、富士山を目指すのか、エベレストを目指すのを比較すると、その難易度は容易に比較でき、高きを目指せば目指すほど(志が大きければ大きいほど)、最も強く要求されるのは、強い意志力を持ち続けることの難しさです。 

夢が大きいほど、障害も大きくなり、難易度も大きくなり、それを達成するための情熱、責任、意志力、集中力、経験、直観力、忍耐力と全てに大きな努力、体力、精神力が要求されます。 

そして、何度も何度もくじけそうになり、不可能だと思えることも多々あります。 

また、多くの邪魔が入ることが多々あります。 

ここで、最も重要なことは、あなたの強い精神力です。

成功している既存店の先輩たちに影響を受けすぎている

多くの人たちが、成功している既存店の先輩たちに影響を受けすぎている。

よく新規開業者の発言で耳にするのは、「あのような店をマネしたい」、「あの店のあのメニューをマネしたい」、「あの店の味を真似たい」など、既に成功している既存店の先輩方に影響を受けすぎなのです。 

既に成功している先輩は、過去のさまざまな条件の中で成功してきたのです。 

ところが、コロナ以降の時代は、大きく変わっています。 

今から開業するあなたは、今からの時代に合った店作り、もっと言えば、あなたの好きで得意が活かせる店に特化する必要があるのです。 

当然、時代の大きな影響を受け、どんなビジネスでも大きな影響を受けています。 

当然、当社のビジネスも同様で、今までであれば、必要でなかった多くのことも新たに始めることが沢山増えています。 

新しい時代に合った、新しいビジネスは絶対に避けて通れないのです。 

既に、大きなチェーン店と言えども安泰ではないので、新しい取り組みを日々の様に行なっています。 

まして、小回りの利く個人店は、思い切って今までにない新しい取り組みをお勧めします。

コロナ以降、飲食業界の成功方程式は大きく変化した

コロナ後の世界では、私たちの価値観は大きな変化があります。 

どのような変化があったのか、一緒に考えてみましょう。 

下記は私ロッキー藤井が考えた、一部の人たちのコロナ後の価値観の変化です。 

①シンプルな生き方 

②安全、安心、信頼の重要性の高まり 

③実質、価値を見極める目が厳しくなる 

④健康、清潔、環境の意識レベルの向上 

⑤思いやり、気遣いを持った人 

⑥譲る心を持った優しい人 

等が考えられますが、全ての人たちがこのような考えに至っている訳ではありませんが、このような考えを持つ人たちが、統計でも確実に以前より増えているのです。 

その他にも、コロナによって変化したものはたくさんあります。 

その変化の中で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、飲食ビジネスを進めていくには衛生面・健康面での対策が必要不可欠です。 

また、コロナの危機によって、多くの人たちの行動は違ったものになり、リモートワーク、リモート学習が当たり前になり、働き方も、生き方も大きく変わろうとしています。 

住むのも、都会から田舎へシフトが始まりました。 

しかし、日本にも、世界にもコロナ後も、コロナ前とほぼ同じ人口の国民がいます。 

そして、その人たちが以前と同じように、食べ物も食べ、着るものも着て、いろんなものを消費します。 

但し、その行動が以前とは、異なってきているのです。 

食べ方も、食べる物も少し変わってきます。 

コロナの猛威に多くの人たちは、行動を変え、命の大切さを理解し、免疫力を高める大切さも理解したのです。 

今回のコロナの発生で、世界中で過去との断絶が始まり、過去には2度と戻らないと言われています。 

特に外食産業全体に非常に大きな被害が起き、多くの当社のお客さまにも大変なことが起きました。 

当然、当社にも過去、何度も想定できないようなことが起きていますが、今回は過去、最大規模です。 

このような想像もしなかった厳しい環境の中で、人生においても、ビジネスにおいても最高の戦略は、何が何でも生き残ることです。 

絶対に諦めないで、サバイバルすることです。 

生き残るためには、今までの過去を全て捨ててしまい、コロナ後の新しい未来に向かって進み始めることです。 

今までのやり方、うまく行った等の過去の成功を全て忘れることです。 

まず、私は自分自身にこのことを言い聞かせたのです。 

そして、社内でも同じようにスタッフたちに、伝え続けたのです。 

今までの常識を今後の常識とせず、新しい世の中に早く順応することです。 

同時に本質的なところを見直すことが大切になってくると思います。 

そして、これらの変化は、商売をやっている人よりも、利用するお客さまにとって、本質的に有利な方向、良い方向に向くはずです。 

むしろ、ビジネスをやっている人達には、以前より厳しい現実に立ち向かわなければいけないと思います。 

従って、われわれのビジネスを活用してくれるお客さまにフォーカスし続けることが、必須です。 

今後、世界的な大不況が始まり、長く続くことになるので、多くのお客さまがお金を使う対価をシビアに判断します。 

アフターコロナでお客様の求めているものは何だと思いますか? 

アフターコロナの時代は、不要なもの、余計なモノが淘汰されます。  

まず、美味しくない店、食べログ点数の低い店、 

サービスの悪い店、汚い店、不便な店など、 

バブル時代に、もてはやされていた様な店はほとんどが既に消えています。  

家庭内では固定電話がなくなり、 

テレビの居場所が無くなっているのと同じです。  

お客さまに取って価値があるかどうかで、 

安くても、お客さまが価値を感じない様な店は、成立しません。 

生き残るのに、必要なことは生産性であり、 

ビフォアコロナの時代のセルフ店の本質は生産性の高さだったのです。 

生産性の高いセルフのチェーン店が大成功し、 

生産性の低い家業の店舗が淘汰されたのです。  

また、コロナ禍によって家庭での食事が増え、 

労力と時間をかけてバランスに配慮した食事をつくる家庭が増えるという変化の一方で、 

経済的に厳しい状況にある人では家庭での食事が必ずしも望ましい方向に変わっていない状況がうかがえます。 

ビフォーコロナの時代の生産性は、主にコストダウンによる生産性向上でしたが、 

アフターコロナの時代の生産性向上は付加価値向上による生産性の向上になります。 

価値さえあれば、価格は高くても買ってくれるようになり、これはインバンドで多くの外国人が日本に来て、 

日本の外食の安さに驚いているので、多くの日本人が気づき始めています。 

家族での会話の増加、テイクアウトより手作りや自炊する機会が増えた方もあり、 

外食業態のアンバンドル(分解)化が進んでいます。 

レストランという事業形態を要素に分解して解釈してみると、レストランは食材、シェフ、 

レシピ、調理場(キッチン)、客席(場所)という5つの要素が、 

1カ所に「バンドル」された状態(束ねられた状態)で存在しており、 

顧客がそこに足を運ぶことで成立しているサービスです。 

だからこそ、レストランは立地と回転率が重要であり、 

オペレーションの効率化が最大の命題になっています。 

ここで指摘できることは、フードデリバリーのプラットフォームは、 

「場所」という制約からレストランを解放していく動きと捉えることもできるのです。 

フードデリバリーサービスをフル活用することで、 

いわば「店舗なきレストラン」を実現した事業者も生まれてきています。 

米国ではこうした店舗なきレストラン向けの「シェアドキッチン」 

(ゴーストキッチンと呼ばれる)も登場しており、 

「場所」の制約を大幅に軽減することに貢献している。 

キッチンの機能をアンバンドルして自由度を高めるという側面で言うと、 

日本では「ロイヤルホスト」や「シズラー」を展開するロイヤルホールディングスが、 

コロナ前から「火を使わない厨房」を備えたレストラン店舗を開設しています。 

セントラルキッチンで調理された食材を店舗のコンベクションオーブンで 

調理して来店客にふるまっています。 

こうした動きは、店舗の設置条件が緩くなることにも繋がり、 

出店場所の自由度が高まる兆候と捉えることもできるだろう 

過去の価値観から大きく変え、消費者の新しい価値観に合わせた、 

新しいビジネスへのシフトをしなければいけないのです。 

アフターコロナの時代には、地球温暖化を防ぐために、 

ビーガン運動が更に盛んになり、グルテンフリー麺とか、 

低糖質麺等の健康志向の麺が更に要望されるようになります。 

そして、美味しくて、健康に良く、免疫力を高めるような食べ物が要求され、 

添加物不使用とか、無化調が当たり前になり、 

本来の食べ物のあるべき姿が求められるようになります。

本当に好きで得意分野は何か

先程アフターコロナの世界を説明しましたが、そこで、日々真剣に飲食ビジネスに取り組んでいる皆さまに是非お勧めしたいのは、アフターコロナを単にサバイバルする(生き残る)だけでなく、アフターコロナ時代をリードする未来型の外食ビジネスを志向することです。 

それには、皆さんが日々育んでいる皆さま自身の強みを棚卸して、それを理解することをお勧めします。 

強みの理解は、皆さんが考えているだけでなく、お客さま、スタッフに確認すると、本人が気づかない、思わぬ強みが見つかります。 

そして、毎日、毎日、多忙な日々を送られていることとお察しします。 

そこで、あなたに改めてお伺いしますが、あなたは、毎日毎日を最高に楽しめる、バラ色の日々を送ることが出来ていますか? 

私は小学生の高学年だったころを思い出します。 

母親に進められて、町内にあったそろばん教室に通い、そろばんも上達し、好きな模型飛行機を作り、毎日楽しい日々を過ごしていました。 

あの頃の人生は、今振り返っても、毎日好きなことをして楽しいバラ色の人生であったことを思い出します。 

私は、そのころから自分の得意分野はモノ作りをあることを自覚し始めたと思います。 

要するに、好きで、好きでたまらずに、同時に自分の得意分野であったのです。 

その後、自分で事業を始めると、トップとして、好きでも得意でもない、あらゆることをやらなければいけない状態になり、多くのことに失敗をしました。 

今から振り返ると、私が失敗した多くのことは、好きでも得意でもない分野ばかりで、誰かがやらなければいけないが、他に誰もいないので、やらざるを得ない分野ばかりでした。 

私自身の経営者としての失敗を振り返り、好きで得意な分野に集中するのと、そうでないことをやるのは、出てくる成果が天と地ほどの違いがあることを経験しています。 

そして、今は、好きでも得意でもない分野は、その分野の専門家、プロ中のプロにお願いしています。 

そこで、再度、あなたにお伺いします。 

あなたの自分自身の得意なことで、好きなことは何でしょうか。 

あなたが現在しようとしている仕事は、あなたの得意なことと、好きなことでしょうか。 

「好きなこと」をしているときは、喜びや楽しみ、充実感を味わうことができ、満足感も得られます。 

「得意」は上手にできること、他人から褒められることです。 

もちろん、「好き」ではないけれど「得意」なこともありますし、自分が「好き」だけれども「不得意」なこともあるはずです。  

「好きなこと」と「得意なこと」が掛け合わさると、情熱を持って続けられるのです。 

好きでないとこのビジネスは成り立たないのです。 

このビジネスが「好き」でないのであれば開業することはオススメしません。 

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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