麺ビジネスの新規開業の戦略の立て方 #2/2

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はじめに

前回の記事の続きです。後編を解説いたします

前編の振り返りですが、まず、麺ビジネスの新規開業の前に必要なことや、夢の大きさについて伝えました。 

そして、多くの人たちが、成功している既存店の先輩たちに影響を受けすぎているが、そのやり方はオススメしないということ。 

新しい時代に合った、新しいビジネスは絶対に避けて通れないのです。 

小回りの利く個人店は、思い切って今までにない新しい取り組みをお勧めしました。 

さらに、コロナ以降、飲食業界の成功方程式や価値観、お客様のニーズの変化、最後は、自分自身の本当に好きで得意分野は何かに触れました。 

本日は同じく新規開業者向けのテーマをお届けします。 

麺ビジネスを成功させるうえで、自分に足りないものはなにか

現在は、さまざまな競争レベルが非常に上がり、プロのレベルでは役立たないことを理解すべきです。 

プロ中のプロでない限り、良い成果は得られないのです。 

従って、ビジネス・オーナー自身が自分の専門分野のプロ中のプロになり、自分に足りない要素は、その部門のプロ中のプロ人材を社内或いは外部から見つけ出すのです。 

日本では、個人で、1人で新規開業する人が非常に多いのですが、最近、当社に来られる海外からのお客さまの大きな特徴として、料理担当、IT担当、経営担当等、それぞれの得意分野、強い専門分野を持ったプロ中のプロが集まり、外食ビジネスを始める方々が、非常に多いのです。 

そして、一様にその人たちのビジネスの成長率が非常に高いのが特徴です。 

例えば、上海で開業した寿司店の経営者は、大卒で開業し、この10年間で100店舗の規模になっているのです。 

その上に、コロナ前の5年間で15店舗だったのが、コロナ後の5年間で85店舗増え、100店舗を達成したのです。

最初の覚悟は大切

自分でビジネスを始めると、サラリーマン時代とは比較にならない様な、ストレスがかかる事が多いです。 

すると、時々、ストレスに負けて、セルフコントロールが効かない人がいます。 

事業を始める事と、サラリーマンで毎月決まったサラリーを貰う事の違いは、雲泥の差です。 

責任の重さが全然異なります。 

だから、将来、自立を考えている様な人は、サラリーマン時代から、既に独立した事を想定して、日々の立居振舞をやってみると良くわかります。 

だから、当社の麺学校の経営講義では、常に、生徒さん達に問うのは、その覚悟です。 

未だサラリーマンであったり、退職してすぐの人も麺学校に入学したりします。 

その人達に重要な事は、自分で全ての責任を取らなければならないという覚悟を持っているかどうかです。 

既に、小さい事業でもやっていて参加する人は、その覚悟は当然持っています。 

しかし、未だ、事業をやった事のない人は、もう一つ、実感が沸かないのです。 

麺学校の経営講義では、事の他、この覚悟について、厳しく話しています。 

当然、マネッジメントの深い内容についても、十分に触れていますが、一番、重要な事は、この覚悟なのです。 

様々な問題が起きた時も全く同様です。 

問題の難易度が10だとすると、20とか、30の覚悟で臨めば、その問題に振り回されたり、困ったりする事はないのです。 

何事に対して、物事を始めようとしたり、取り組む時の覚悟が大切です。 

店舗の成長以上に自分自身の成長が大切

店舗の成長の前にまず、自分自身進化の為に、私たちに必要な事が3つあります。 

私は常に当社の社員たちにしている話があります。 

あなたは何か分かりますか。

1.素直さ

1つ目は「素直さ」です。 

素直さとは、人が自分自身や他人からの意見や指示を素直に受け入れ、自分自身を改善していこうとする姿勢のことです。 

素直であることは、自分の限界や欠点を前向きに受け入れることができ、自己改善に向けて積極的に努力することができるということです。 

そして「素直さ」は人とのミュニケーションにおいても非常に重要です。 

ビジネスにおいて、経営者も社長も社員たちとも、またお客様たちともコミュニケーションなしでは行えません。 

近い将来、肉体労働と知識労働はAIが行うようになるでしょう。 

しかし、AIにはできない労働が1つあります。 

それは何でしょうか。 

それは感情労働です。 

感情労働はAIでは、けして代行できないのです。 

感情労働を行う私たちとって、素直さはとても大切です。 

素直な人は、他人の意見や考え方を尊重し、受け入れることができます。 

これは、チームワークや協調性を高め、会社全体の成長にもつながる重要な要素です。 

すべてがつながって素直な人は「成長する」ことができます。 

反対に素直さがない人は、ある一定のところまでは成長できるかもしれませんが、継続して成長し続けることは難しいと思います。 

要するに「素直さ」はビジネスにとって最高の「武器」になります。 

2.学び好き

2つ目は「学び好き」であることです。 

私は日々たくさんの書籍を読みます。 

ネットニュースにも常に意識を持ち、セミナー等も意欲的に受講しています。 

経営者は「学び好き」でないといけないのです。 

普通の経営者ではやらない勉強をことさえすれば、成功しやすくなるのが日本の現状なのです。  

あなたは様々な勉強に興味がありませんか。  

本やインターネットを利用した動画での勉強も有意義です。  

直接その分野で権威のある方と接点を持つことも良いでしょう。  

経営者が常に闘争心を持って、貪欲に学ぼうとすれば、社員たちもついてくるのではないでしょうか。

3.プラス思考

 

3つ目は「プラス発想」です。 

私は「スーパーポジティブ、ロッキー藤井」と自己紹介するのですが、組織のトップはポジティブでなければなりません。 

会社や店舗経営をしていたら、必ずピンチが訪れます。 

そのようなときに考え方ひとつで結果は変わってくるのです。 

常にポジティブシンキング、これを心がけていきましょう。 

結論

最後にロッキー藤井が考えた麺ビジネス開業チェック項目を紹介しましょう。 

あなたの価値観

価値観(かちかん)とは、何が大事で何が大事でないかという判断、ものごとの優先順位づけ、ものごとの重み付けの体系のことで、人は自分に足りていないものを手に入れようと、もがいたり、あがいたりしながら、育っていき、それをいつも価値観の上位に持ってきます。  

要するに、価値観の一番目にあるものを手に入れることに集中するので、価値観とは、自分に未だ満ち足りていない部分(ニーズ)でもあるのです。  

価値観においては、どのような価値観を持つかということ以上に、価値観の順序がもっと重要です。  

・家族関係  

・自分自身  

・ビジネス  

価値観が明確になると、以下の3つが自動的に明確になります。  

(a)お客さまが明確になる。⇒価値観が共有出来るお客様しか来ない

(b)働く仲間が明確になる。⇒価値観が共有出来るスタッフしか一緒に働けない

(c)提供する価値が明確になる。 ⇒価値観の内容、順序が提供価値そのもの

あなたの使命

使命は、我々自身とか、組織において価値観の次に明確にしなければいけない、われわれ自身或いは、組織の存在理由です。 

要するになぜ(Why・・・?)を明確する重要なテーマ  

ビジネスにおける使命とは、お客さまの価値創造のために、自分のいのちをどう使うかということです。  

使命の志が高ければ高い程、多くの賛同者を得て、そのビジネスは成功の可能性が高まります。  

「使命」に含まれるべき3つの要素  

(a)到達すべき目標があること  

(b)目標に進んでいく行動があること  

(c)それらがお客さまに求められていること  

人生は、時間であり、いのちそのものです。  

自分のいのちを輝かせるものが、明確な使命です。  

使命とは、何としても、どんな困難があろうとも、成し遂げなければならないのです。  

使命の志が大きければ大きい程、大きな困難を伴うが、より強い情熱を持つことができます

ビジョン

使命が達成された理想状態です。  

ビジョンへの進化が重要で、特に時代の流れによって、変わっていくものです。

コンセプト

コンセプトは対象が見えるもので、モノであるとか、本であるとか、商品であるとか、モノを対象にしているものです。  

コンセプトを一言で言えば、何(What・・・?)を明確にすることです。  

コンセプトをビジネスで使った場合は、「そのビジネスの本質」がコンセプトの本質です。  

例えば、有名な良いコンセプトとして、広く知られているのが、先程紹介したスターバックスのコンセプトで、第三の場所です。  

「コンセプト」とは?ビジネスの本質であり、ビジネスの方向性です。

戦略

最小のインプットで、最大のアウトプット(成果)を得るための進むべき方向性やシナリオ作成のことです。  

「成果を出すためにするべきこと」や「何を切り捨てることよって効率性が向上するのか」など、総合的視点から準備・計画・運用を策定することです。  

使命を明確にすることが、Why・・・?を明確にすることであり、コンセプトを明確にすることは、What・・・?を明確にすることであり、戦略を明確にすることは、How・・・?を明確にすることです。  

要するに、どのようにして、それを成し遂げるかを明確にすることです。  

ビジネスを始めるということは、2W1Hを明確にすることでもあった訳です。 

そして、使命、コンセプト、戦略に同じ一貫性を持った思想が貫かれていることが大切です。  

永く繁栄するには、企業としての大本である、価値観、明確な使命、企業文化、コンセプトは外せないし、出発点であり、守り続けることが大切です。  

世の中の大きな流れは、確実に麺ビジネスの拡大に向かっています。  

この傾向が顕著なのは、特に、北米、欧州、東南アジアです。  

日本でも、この流れは同様で、今後は、世界中でうどんの伸びが大きくなり、日本では蕎麦の伸びが大きくなります。  

同時に大きな変化は世界中で麺食の価格が高くなり、それに伴い強く求められるのは、最高品質の麺のレベルです。  

当社には、うどん、蕎麦、ラーメン共に、麺の美味しさ、品質の高さにおいてはライバル他社に負けない強みを持っています。  

スープにおいても、同様で、麺学校で教えているレベルは世界最高レベルのスープのレベルです。  

ロッキー藤井は、あなたの麺ビジネス新規開業の、一番の応援団長であり、今後もサポートし続けます。 

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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