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はじめに
これまでの記事では、これからうどん業界で大成功する特徴あるうどんの作り方 #1/2をお話いたしました。
うどんの歴史について解説しましたので、次はうどんの可能性についてお話していきます。
これから勝てる、あなただけの新しいうどん食感の考え方
うどん食感の構成要素
うどんは小麦粉の芸術作品なのです。
何の変哲もない、無味無臭の単純な小麦粉と単純なわずかな材料だけで作られた不思議な食べ物が、材料からは、想像もできないような、こんなに豊かな食感を創り出すのです。
材料は非常に単純ですが、その分、製法は非常に複雑で、以前は手打の手法が当たりまえだったのですが、現在はその役目を担うのは製麺機で、製麺機の品質と使い方の技法によって、うどんの品質、即ち食感は作られるのです。
うどんの食感の構成要素とは、次のいくつかの要素で独特なうどん食感は作られます。
- 材料の小麦粉、塩、酢、水
- 製法の工程である小麦粉の煉り工程、第一熟成工程、鍛え工程、第二熟成工程、圧延カット工程、茹で工程等、製法により、全く違った食感が生まれるのです。
- 麺サイズ、即ち、麺のカット幅、カット厚さの組合せで、きしめんのような幅広いうどんから、細い活かさしのようなうどん、鍋とかカレーうどんに合う太い、モチモチ感の強いうどん
- 釜揚のような茹でただけ、かけうどんのように茹でて水洗いし、更に湯煎したうどん、ぶっかけ、ざるうどんのように、茹でた直後に水洗いし、冷水で締めたキリリとしたうどん等、さまざまな調理方法により、異なる食感
あなただけの食感の探求
うどん店ビジネスにおいて、上記のようにさまざまな食感、さまざまな調理方法が既に世の中に存在します。
このような中で、あなたにとって、最も好きで得意な分野を見つけ、そのジャンルで他社にない新しい特徴を創り出すのです。
例えば、大きな世の中のトレンドで言えば、アフターコロナの世界の大きなトレンドは、本物の健康志向です。
本物の健康志向を目指すにあたり、最も注意すべきことは材料選定です。
小麦粉においてお勧めしたいのは、国産小麦で、最近のうどん用国産小麦の品質は、非常に良くなっています。
その選定基準として、当社が活用している基準はアミロ値で、当社の推薦するうどん日本は1200BU以上で、非常に粘り強いのが特徴です。
粘り強さと少しの強力系の国産小麦のブレンドでほど良い硬さを演出しています。
このようにどのような麺食感に到達したいかによって、選択する小麦粉の種類は異なります。
また、副材料の水、塩、酢よっても、食感が異なります。
以上のことを深く理解するために、当社はうどん学校の開催、e-learning、製麺教科書、各ドリームスタジオでの無料製麺体験等、さまざまなオプションを準備しています。 ぜひ、ご活用下さい。
下記は参考にうどんの食感の相関図です。
以下の食感は、代表的な食感で、これからあなたが創り出すのは、これらをベースにしたどこにもないあなただけの食感です。
(注記)更に、複雑な食感を追求するには、材料、小麦粉、塩、酢によるPHコントロール、調理方法、麺の製法、小麦粉の製粉方法、粒度とそれらのブレンド等さまざまな研究が必要不可欠です。
この点についても、当社はあなたと一緒にさまざな研究に取り組むお手伝いを致します。
さまざまな味覚の探求
うどんはまだ完全なグローバルフードになってはいませんが、既に、世界各地で日本のうどんが愛されています。
例えば、香港ではうどんは以前から非常に好まれる日本食の部類で、香港で最も好まれているうどん出汁は、日本のような魚介系のうどん出汁ではなく、何ととんこつスープで、麺がうどんなのです。
2番目に好まれる味はトマトの出汁で、3番目がやっと日本と同じような魚介出汁なのです。
このように既に、世界ではうどんは既に、その土地土地に合った食べ方で人気を博しているのです。
これは、ラーメンが中国から日本に渡って来て、中国にはなかったとんこつラーメンとか、札幌味噌ラーメン、函館塩ラーメンが生まれたのと同じことなのです。
その結果、中国のラーメンではなく、新しい味の日本のラーメンが世界中に広まり、グローバルフードになったのです。
従って、これからあなたがやらなければいけなのは、あなただけのうどんに合う味を創り出すことです。
参考に、現在の大きなトレンドとして、辛い味、例えば、中国発のタンタンメンのような花椒とか、トウガラシの効いた辛い味で、身体の中から新陳代謝を促すような味等も面白いテーマです。
次に可能性の高いのは、ビーガン、ハラルとうどんの組合せです。
カンブリア宮殿での面白い事例
私自身もカンブリア宮殿で取り上げられたこともあり、カンブリア宮殿の録画を毎週見ていますが、先日、カンブリア宮殿で取り上げられたのは、京都宮津の130年続いた醸造酢メーカーの話です。
その中のエッセンスを取り上げると、以下の通りです。
- 材料が良くなければ、本物の酢は作れない
有機農法の米しか使わない、棚田で米を自社栽培している - 時間をかけて、麹菌の働きでゆっくりと旨味を生み出す
通常の酢は1~2日で発酵、飯尾醸造の酢は1年近くかけて自然発酵 - 使用する米の量を既存の酢のメーカーの何倍も使用して、うま味を最大限に引き出す
- 酢が売れない原因は、酢の匂いにあることが分かっていたので、酢の嫌な臭いを無くす研究を続けたが解決しなかった
米の量をたくさん使って酢を作ってみると、うま味が強くなり、酢のきつい匂いをうま味が閉じ込めることを見つけ出した。
酢の嫌な臭いをうま味で調和して無くした。 - この酢のメーカーの成功の戦略、他のライバルの一切真似をしないこと、長く生き残るには、競争しないで勝ち残ること。
結論
われわれ人類の世界、ビジネスの世界では常に単純な状態から複雑な状態に変化を続けています。
この状態は2度と元に戻ることはあり得ないのです。
こうしてみると時代はますます複雑な方向に、併せて、各世代間には、必ずパラダイムの変換点があることが分かります。
うどんの進化と深化の歴史を振り返ると、うどん自体、うどん店もどんどん進化していることがよく分かります。
合わせて、そのうどん店がこんなに進化するのは、製麺機が大きな下支えになっていることも分かります。
もし、万一、この世に製麺機が存在していなかったら、今の様なうどんの巨大なチェーン店で出来ていなかったでしょうし、従って、うどんの進化と深化の歴史は製麺機の進化と深化の歴史と言っても、大げさでは無くなっています。
そして、どの製麺機を選ぶかによって、うどん店が繁盛するかどうかに大きな影響を及ぼしているとも言えるのです。
当社の立ち位置がうどん店の将来において、大変重要な役目を負っていることを改めて認識されられる次第です。
あなたの強味は何ですか?
自分の強味を徹底的に掘り下げて、自分の強味+うどんの強味を組み合わせて、どこにもないうどんを創り出すことが重要です。
それが食感エンターテインメントにつながります。
但し、お客さまに支持されること、ニーズがあることが大前提です。
要するに、さぬきうどん店が今後とも成功を続けてゆくためには、顧客が望むことで、自社ができて、他社ができないサービスや店づくりを行うこと、絶対他社の真似をしない、競争しないことが必要です。
当社自体もますます、進化と深化を繰り返していきたいと思っております。