この記事は2024年5月7日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。
麺ビジネスにおける後継者不足・人手不足時代に生き残るための戦略、自分のDNAが次々と引き継がれていくようなビジネスを行うために

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後継者問題の本質

一刻(いっとき)は、大成功しても、永く繁栄を続けることがいかに難しいかを見続けてきたのです。 

今回のコロナの様に、世の中は常に変化、変転を続けていて、同じところで留まることはありません。 

したがって、今まで成功した成功体験の安心領域に浸っていると、その場所はいつか、安心領域ではなくなっています。 

あわせて、うどん、蕎麦、ラーメン店のような麺ビジネスを志す人たちは、自分の1代限りでのビジネスを考えている方が非常に多いと思います。  

ビジネスには、10年、20年、30年かけて作り上げたのれん(ブランド)、評判、信頼等、長い時間をかけなければ築けないものがたくさんあります。  

それを自分1代だけで終わるのは、非常にもったいないと思えてならないのです。  

これを強く感じる様になったのは、私がスイス、ドイツ、フランス等の田舎町を車で走った時に、必ず、風情のある古い民家の家屋が軒を連ねて並び、きれいな歴史のある街並みを形作っているのです。 

それらの建物は、場合によっては、何百年も使われ、世代から世代へと脈々と受け継がれているので、 

建物の構造自体は古いのですが、内装、外装を常にきれいにして、快適に過ごせるようにしているので、過去から受け継いだ遺産を使い続けていて、遺産が次から次へと受け継がれており、ファミリーの富の継承が出来、国にとっても、大きな財産が受け継がれているのです。 

ところが、日本のうどん店、蕎麦店、ラーメン店の場合は、開業して1年以内の閉店が42~3%、3年以内の閉店が72~3%もあるのです。  

さらに、20年、30年と続けて営業することが出来ても、店主1代でこの事業を終えてしまい、その後への継承ができていないのです。  

せっかく、大切なお金を投資して始めた麺ビジネスが、短期間で閉じてしまったり、あるいは1代限りで終えてしまうと、開業者の人生設計が狂ったり、事業者の富、国家の富が無駄になっていると、非常に残念に思っているのです 

そこで、永く麺ビジネスの盛衰を見てきた私が、これから始める人たち、あるいは現在、麺ビジネスを行なっている人たちにぜひお勧めしたのは、永く続くビジネス、自分1代ではなく、 

自分のDNAが次々と引き継がれていくようなビジネスをお勧めしたいのです。  

人間の死亡率は100%で、人間には寿命がありますが、DNAを引き継いでいけば、事業には寿命はないのです。 

せっかく、1回しかない貴重な人生をかけて始めたビジネスなので、自分の命が終わった後も存在し続けるビジネスをお勧めしたいのです。  

当社のお客さまの一部も既に、次の世代に代替わりしたお客さまも次々と出始めています。 

そのようなお客さまとそうではなく、短期間で閉店したり、1代限りで終わるお客さまとの違いは、 

ビジネスに対する取り組みの差です。  

今まで、麺ビジネスを志す人たちは、手軽に儲かるからとか、参入障壁が低そうで、簡単に儲かりそうだからと思って始める人はいても、何十年も、更にその先までずっと継続するようなビジネスを考えて始める人は、ほとんどいないと思います。 

だから、短期間での閉店が多かったり、永く永続できるようなビジネスになっていないのではと思います。 

従って、最初の志と本質を深める取り組みは、絶対に必要であると思う次第です。 

上記のように私、ロッキー藤井は当社を創業して、今年10月で創業49周年を迎えます。 

日々、元気に頑張っていますが、私も命ある身であり、いつかはこの世と決別しなければいけない日がやってきます。 

従って、当社も皆さんと同じように後継者問題を抱えています。 

そのために、後継者問題は私にとっても重要な問題で、2年後の50周年には次のリーダーとバトンタッチをする予定です。 

後継者問題が出てくる原因は、単純です。 

人間の死亡率は100%であり、いつか必ず、寿命を迎え、この世を去らなければいけないのです。 

しかし、企業は代替わりを上手に繰り返していくことにより、何十年でも何百年でも生き永らえることが出来るのです。 

多くのうどん蕎麦店、麺ビジネスを見ていて常に感じるのは、開業して初年度の42~3%の廃業の危機、3年目の72~3の廃業の危機を乗り越え、10年、20年、30年と生き延びることが出来たとします。 

開業時のオーナーの年齢は20歳代から、60歳代、70歳代とさまざまです。 

開業して30年も経過すると、オーナーも開業した頃は若くて元気でしたが、心身ともにピークをはるかに越し、成長期から安定期を迎え、更に停滞期、衰退期へと向かっているのです。 

多くの麺ビジネスにおいて、後継者問題が起きるのは右肩上がりの成長期ではなく、安定期から右肩下がりの衰退期にかけてであり、継がせる側も、継ぐ側にとっても負担が大きい場合が多いのが現状です。 

もし、30年経った事業が更に右肩上がりに推移していたら、継ぐ方も継がせる方ももっと楽であり、継ぎたいという希望者も多いはずです。 

更に、現在は30年前と違い、ビジネス環境も複雑になり、継ぐ側にも大きな試練が課せられているのです。 

これは、皆さんのような麺ビジネスだけではなく、当社のような製造業のビジネスにおいても全く同様なのです。 

私が48年前に創業した頃と比べて、経営者に必要な能力のレベルは桁違いに高くなっているのが現状です。 

それでは、後継者問題を解決する方法について、私の考えを以下のようにご説明したいと思います。 

後継者問題が起こる理由

上記でも触れましたが、後継者問題が起こっている主な原因は、以下のとおりです。 

人間の寿命

これはわれわれ人間である以上、寿命はどうすることも出来ませんが、これを出来るだけ永らえることは可能なのです。 

例えば、私も27歳で起業し、現在に至るまで48年間この会社を継続することが出来ているのは、日々元気で働くことが出来ているためです。 

現在も日々の健康には、非常に気を付けていますが、振り返ってみると、25年位前に酒を断ったことは現在の健康を保つ上で大きな役割を果たしています。 

特に、飲食店ビジネスは酒と関係の深いビジネスであり、酒に溺れてせっかく築いたビジネスをダメにした人を多く見ています。 

日々元気で、寿命を長く伸ばすことにより時代も変わり、後継者問題も解決しやすくなるのです。 

特に経営者は、病気でない程度の健康ではなく、エネルギー溢れる日々を送っていないと、今回のコロナのような大変な出来事がいつ何時、発生するか分かりません。 

その時に、2日酔いのぼんやりした頭では、まともな解決策が浮かぶ訳がないのです。

代替わりを創業時から考えておく

多くのビジネスオーナーは、代替わりの次期が来てから準備をしようとしたり、後継者を探したりする場合が多いのです。 

有名な「7つの習慣」の第2の習慣が「終わりを思い描くことから始める」とあります。 

第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」は生活のさまざまな場面やライフステージに当てはまる習慣ですが、もっとも基本的なレベルで言うなら、人生におけるすべての行動を測る尺度、基準として、自分の人生の最後を思い描き、それを念頭に置いて今日という1日を始めることです。 

そうすれば、あなたにとって本当に大切なことに沿って、今日の生き方を、明日の生き方を、来週の生き方を、 来月の生き方を計画することができます。 

人生が終わるときをありありと思い描き、意識することによって、あなたにとってもっとも重要な基準に反しない行動をとり、あなたの人生のビジョンを有意義なかたちで実現できるようになります。 

終わりを思い描くことから始めるというのは、目的地をはっきりさせてから一歩を踏み出すことです。 

目的地がわかれば、現在いる場所のこともわかるから、正しい方向へ進んでいくことができます。 

7つの習慣の第2の習慣を後継者問題解決に当てはめると、創業したときに既に自分の人生の終わり方(この事業を誰に、どの様な形で引き継ぐか)を描いておくということです。

少子化

後継者不足が起こる原因として、少子化による後を継ぐ人がいないことが1つの理由です。 

現在は少子高齢化が進み、子どもの数が減少しているのが現状です。 

少子化によって子どもの数が減り、さらに事業を引き継ぎたくないと考える子どもたちが増えたことが原因となり、後継者不足が起こり、親族間の事業承継が難しくなってきています。 

企業・店舗経営の将来像

現在は数年先を見通すのも難しい現代で、テクノロジーの進化により経済トレンドの変化は速くなる一方です。 

経営者や後継者候補の親族は、事業の継続性に不安を抱いています。

親族承継への不安

ひと昔前までは、家業は子どもが継ぐものという考え方が普通でした。 

しかし、現在では価値観の多様化や家族のあり方が変化してきました。 

その結果、子どもに後継ぎを強制することが少なくなり、後継者不足が起きています。 

また、経営者自身が子どもへの負担を考慮して継承をさせない場合もあります。 

子どもへの負担の考慮としては、経営をするうえでの困難や苦労を自分の子どもにはさせたくないと考えです。 

事業承継できる人材が社内にいない

自分の子どもへ事業承継をしない場合、社内の従業員への承継も考えられます。 

社内に経営者となれる素質を持った人材がいなければなりません。 

経営者となる場合、財務や経営の知識リーダーシップなどさまざまな能力が必要です。 

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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