この記事は2024年7月16日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。

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はじめるまえに

グローバル展開の前に、一番最初に知って頂きたいことは、ビジネスにおいて国境がどんどん消滅しているという事実です。 

49年前に、私が創業したころは、東京へ進出するのは、はるか遠くの国に行くようなイメージでした。 

私が、製麺機の開発を始めて、販売を南九州から始め、九州全域、関西地区、関東地区へやっと進出したのが、今から約40年前、創業10年後のことでした。 

ところが、今、海外へ行くのもハードルがうんと下がり、丁度その頃の東京の感覚と同じです。 

当社では現在、Seoul、Amsterdam、Houston、Bangkokに拠点を出していますが、国内に出す拠点と海外に出す拠点の差はだんだん少なくなって来ています。 

但し、国内と海外拠点に存在する最も大きなギャップは、文化、習慣、価値観、ライフスタイルの違いです。 

言葉以上に、これが大きな課題として存在しているのです。 

当社のお客さまでも海外で成功しているお客さまとそうでないお客様の違いは、これらを理解しているかどうかの差が大きいのです。 

それから、知っておいて頂きたい最も大きな違いですが、人のレベルの違いです。 

非常に残念なことですが、一般的な日本人と外国人を比較すると、ほとんどの場合、さまざまなビジネスの点では、日本人の方が劣っていることが多いのです。 

これは、日本人の人間性が劣っているということではないのです。 

従って、ビジネスによっては、日本より海外の方が、はるかに成功率が高く、成長スピードも速いのです。 

日本人と外国人の違いの大きな原因の1つは意識の違い、特に利益に関する考え方、情熱の違いによることが多いように思います。 

われわれ日本人は、今まで、日本は世界でも有数に優れた国だという教育を受けてきました。 

ところが、いつの間にか、それに安住した結果、いろんな分野で後れを取っているのです。 

特に、ビジネスの分野ではその傾向が大きいと思います。 

そのような厳しい現実の中で、日本が強いジャンルは日本料理であり、麺文化でもあります。 

アニメ等も日本の強い文化の1つですが、最近ではAIが発達すれば、よほど内容の良いものでない限り、優劣の差は少なくなってきます。 

パリ・オリンピックでも証明されている通り、プロ中のプロでない限り、通用しない世界が広がっています。 

従って、当社は今後、麺ビジネスにおいて、オリンピックに相当するような厳しい競争状態でも生き抜いていけるプロ中のプロの育成に、これからは力を入れていきたいと思っています。 

先週は、当社のスタッフたちと一緒に広島の太閤うどんと太閤ラーメンに訪問してきました。 

広島では、非常に成功している麺学校の生徒さんであり、当社のユーザーさまです。 

うどん店は、お父さまの時代からではありますが、二代目の現当主の丹井さまが何度もうどん学校に参加し、新しいうどん店を開業し、その後、ラーメン学校にも何度も参加され、昨年、ラーメン店を新規に開店されたのです。 

うどん店は何度も拝見していましたが、ラーメン店は初めてで、1時半ころに訪問しましたが、ずっと行列で、凄まじい繁盛ぶりが伺えました。 

ラーメンの麺自体も通常のラーメン専用機のリッチメンではなく、蕎麦用の坂東太郎で多加水の麺を作っています。 

定番の温かい醤油ラーメンと冷たい塩ラーメンを頂きましたが、丹井さまの深い情熱が伝わってきました。 

当然、無添加、無化調で調理しているので、美味しいだけでなく、身体に良いラーメンです。 

ラーメンを志す方はぜひ、お勧めしたいラーメンです。 

今回、繁盛店の太閤うどん、太閤ラーメンを訪問しましたが、今後、毎月1回、このような繁盛店訪問を行ない、素晴らしい繁盛店情報を毎月、皆さまに提供致します。 

もし、訪問ご希望の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、教えて下さい。 

太閤ラーメンを訪問して強く感じたのは、このような素晴らしいお店が世界中に広まれば、どれほど多くの人たちを幸せに出来るだろうと感じた次第です。 

従って、今後、当社は単なる製麺機メーカーとしてだけではなく、美味しい日本の麺を広めるプロジェクトを広く展開したいと思っております。 

詳しい内容は、次回のメルマガで披露したいと思います。 

以前、パリ、NY、香港等、どこへ行った時も、日本だったらあり得ないのにという様な事がたびたび起きました。 

日本がこうだから、海外もこうだろうという様な事は、海外では絶対に通用しない事を理解しておかねばなりません。 

海外ビジネスをやるには、我々の想像の域を超えた事が幾らでも起きます。 

だから、海外ビジネスに取り組む時は、初めから大きくしないで、小さくテストを繰り返し、その間、沢山の事を学習し、或る程度の学習を終えてから、本格的に進出する事をお勧めします。 

そして、海外ビジネスは以前と違い、海外でも、日本人同士の競争が非常に厳しくなってきています。 

例えば、香港、米国、そして、世界中で、日本のうどん店、ラーメン店の出店ラッシュで、日本における競争状態を世界中に広めている様な感じがします。 

だから、海外においても、良い店とそうでない店の優劣の差が大きくなってきています。 

これからは、海外においても、国内同様、95点以上の高いレベルは欠かせません。 

海外における出店に関しては、万一の場合のアクシデントに対して、余力を残しておく事と、どんなアクシデントがあっても、挫けない心、柔軟な対応が重要です。 

だから、海外ビジネスを担当する人は、普通に頭の良い、或いは、頭の硬いサラリーマンでは対応出来ないのです。 

何でも興味を持ち、情熱を持って、どんな事が起きようと、柔軟に対応出来る人でないと難しいのです。 

現場では、日本では想像出来ない様な事が、いつ起きるか判らないのですから。 

私は、海外出張の折にも、常にアクシデントが起きています。 

過去、数えきれない位、海外に出張しているが、アクシデントが起きなかった事がない位に起きています。 

例えば、日本から予約を取り、チケットも買っているのに、勝手にエアラインが我々の予約をキャンセルして、予定した便に乗れなかったり、3人でフランクフルトからイスラエルへ入ろうとして、一人だけ入国を拒否されて、フランクフルトへ置いて行かざるをえなかったり、海外に行けば、アクシデントの連続です。 

イスラエルの様に、日本人があまり行かない国は、特に何が起きるか判らないのです。

海外市場における、日本の麺専門店市場について

麺料理は世界中で伸びていますが、なぜ、日本は海外市場を目指す必要があるのでしょうか。 

既に、日本の大手外食企業のほとんどは、海外での存在感を高めています。 

当社の親しく長いユーザーさまのハチバンラーメンはタイで160店舗、一風堂さまは世界中で200店舗余り、トリドール様は、はるかに多い店舗を海外に出店しています。 

いずれも理由は明確です。 

これ以上、日本国内での大きな伸びが期待出来ず、成長するために海外に市場を求める他がないのです。 

アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、アジアと世界中で、日本のうどん、ラーメンが伸びています。  

何故、日本の麺料理は世界で伸びるのでしょうか。

日本に対するイメージ

日本の食品、料理は世界で良いイメージを持たれているからです。  

日本文化の良いイメージと重なっているのでしょう。

不景気になるほど麺は強い

ヨーロッパでも不景気の状況では、パスタが売れやすく、麺が売れやすいのです。 

少子高齢化

人口爆発地帯のアフリカ、東南アジア等の後進国以外では、少子高齢化が進んでいます。  

人口の非常に多い、中国でも少子高齢化が加速しています。  

しかし、人口動態は完全に予測出来る未来です。  

では、少子高齢化で、何故、麺類が有利なのでしょうか。  

それは食べ易さが関係しています。  

麺はパンや米に比べて、咀嚼回数が少なく、消化の負担が低いからです。  

含水率が比較的高いので、消化が速いのです。

材料としての小麦粉

粉もんビジネスの有利さ、小麦粉のメリットを紹介しましょう。 

1)小麦の栽培と研究  

2)小麦は世界中で栽培され、連作障害が無い  

3)入手のし易さ  

4)世界中、どこでも比較的入手し易い  

5)加工のし易さ  

6)水で練り合わせることにより、色んな形状、状態に加工し易い  

7)価格の問題  

8)価格も比較的安定していて、国際相場は日本の国内相場の半分以下

戦略

海外での麺ビジネス展開は、日本食ブームを追い風にして、近年注目を集めています。 

しかし、永続的な成功のためには、単に日本食を提供するだけでなく、現地の食文化や消費者の嗜好に合わせた戦略的な展開が不可欠です。 

市場調査と現地の好みに合った戦略

前回のメルマガでも、徹底的な分析が必要と書きましたが、海外でのビジネスでも同様です。 

徹底的な市場調査・分析が大切です。 

各国の食文化、嗜好、競合状況、経済状況などを深く理解し、自社の強みを活かせる市場を特定します。 

そして、提供するメニューは現地の方々の好みに合っていないといけません。 

日本食を現地流にイノベーションさせるのも良いでしょう。 

グローバル化に成功し、世界中に広まっている有名な食べ物は、ハンバーガーとか、ピザを筆頭に、日本食では寿司が既にグローバルフードになっていると言えるでしょう。 

なぜ、寿司がグローバルフードになれたかと言えば、寿司がアメリカへ渡り、西海岸でカリフォルニア・ロールができたことが、きっかけではないかと考えています。 

もし、寿司が握りずしと海苔の巻き寿司だけで、それ以外のものは寿司とは言えないと言っていれば、グローバル化しなかったのではないかと思います。 

同じように、ラーメンも既にグローバル化していると言えるのは、ラーメンとはこんなもので、それ以外はラーメンではないという縛りがないからではないでしょうか。 

要するに、伝統をかたくなに守るだけではなく、イノベーションを起こし、何でもありの世界に行った方が世界中に広まり、グローバルフードになり易いのではと思っています。 

また、現地の食材を積極的に取り入れ、スパイスや味付けを調整することで、現地の人々の好みに合うようにカスタマイズします。 

価格設定も非常に重要な項目の1つでしょう。 

現地の経済状況や競合店の価格帯を考慮し、価格設定を行います。

ブランド戦略

独自のブランドを確立させましょう。 

日本らしさ、健康志向、新鮮さなど、自社のブランドイメージを明確にし、競合他社との差別化を図ります。 

店舗展開戦略

立地選定は重要です。 

これは国内、海外において同じことが言えますが、現地の消費者の動線や競合店の状況を考慮し、最適な立地を選びます。 

店舗デザインも大切です。 

日本の伝統的な要素を取り入れつつ、現地のデザイントレンドに合わせた店舗デザインを行います。 

また、フルサービスレストラン、フードコート、テイクアウト専門店など、様々な店舗形式を展開し、幅広い顧客に対応します。

人材育成

現地スタッフの育成: 現地のスタッフを積極的に採用し、日本の食文化や調理法を丁寧に指導します。 

多文化理解の推進: 多様な文化背景を持つスタッフが円滑にコミュニケーションを取れるよう、多文化理解に関する研修を実施します。 

デジタルマーケティング戦略

何度かお話ししたことがありますが、現在の世の中には、必ずSNSマーケティングが必要となっています。 

InstagramやFacebookなどのSNSを活用し、視覚的に訴求力の高いコンテンツを発信し、集客に繋げましょう。 

国内・海外共にですが、SNSを投稿するタイミングも重要です。 

夜20:00~22:00ごろが閲覧数を獲得できる時間帯です。 

海外での麺ビジネス展開は、日本食の魅力を世界に発信する絶好の機会です。 

しかし、成功するためには、単に日本食を提供するだけでなく、現地の文化や消費者のニーズを深く理解し、それに合わせた戦略的な展開が不可欠です。 

具体的な成功事例を参考に、自社の強みを活かしたビジネスモデルを構築し、長期的な視点で事業を展開していくことが重要です。 

海外市場で成功するには

このビジネスに情熱が持てるかどうか?

儲かりそうだから、海外に出るのではなく、海外での、このビジネスに情熱が持てるかどうか? 

情熱がなければ成功は絶対にしません。 

このビジネスの本質は何かを理解する

このビジネスはどこを押さえたら成功するのかを、最初の段階で理解する必要があります。

海外進出で何を目指しているのか?

明確な目標はありますか?  

海外進出することによって、あなたが一番手に入れたい結果は何かを明確にしましょう。 

その結果を得る為には、何が必要か?

(例) 美味して、健康に良いラーメンの製法ノウハウ  

麺についての、専門的な知識と技術  

美味して、健康に良いスープの製法ノウハウ  

スープについての、専門的な知識と技術  

調理技術全般  

強い使命感  

強いリーダーシップと、一緒に働いてくれる適切な人材  

マネッジメント能力

どの市場を攻めるのか?

お手軽か、上質か?  

最初は、必ず、上質からスタートすることをオススメしております。  

店舗数が増えると、自然にお手軽方向に向いていきます。  

殆どのビジネスは上質でもなく、お手軽でもなく、中間の不毛地帯でやっている為に、うまくいっていないません。  

ビジネスでの成功は、上質か、お手軽かのどちらかしかありません。  

但し、お手軽は規模が大きくないと、成功しないのです。  

但し、上質は高級とは意味が違います。

既にその市場で成功している先輩達に聞く

(事例)  

タイ:タイハチバン  

タイで、ラーメン店を多店舗展開しています。  

香港:板前寿司  

香港人が日本の寿司で大成功、寿司キングと言われています。 

現地でヒットしているレストランを徹底的に見て回ること

なぜ、ヒットしているかを理解しましょう。  

特に、客単価に注意しましょう。

周到に準備する(段取り8割、仕上げは2割)

お客様に焦点を合わせる

目先の損得を考えないようにしましょう。 

ビジネスの本質はお客様の問題解決です。

得たい結果を得ようとすると、犠牲を払わずに得る事は出来ない

一貫性と妥協をしないこと

海外で失敗した人は一貫性がなく、妥協をしていました。 

短期間に成功ではなく、長い成功を目指す

本質を深めて、永い繁栄を目指すことが結局は早く目的地に到達出来るのです。

(参考)7つの習慣

(注記)殆どの人は、1と3に集中している。2をやっていると、1が起きない。

第一領域は本質的な部分は深めようとせずに、テクニックで、目先の売り上げを上げようとすることです。

〇メニューの見直し、看板、内装、外装  

見せ掛けだけが良くなっても、内容が伴っていないと、最初は上がっても、そのうちに売上は ダウンします。  

〇チラシを打つ等、広告宣伝費をかける  

有料の広告は絶対にやらないことです。  

お金をかけて広告を打つことは自分で自分を褒める事と同じです。  

第二領域は本質的なものを徹底的に見直す等、本当に重要なことに集中することが重要です。

大和製作所の取り組み

これから海外でラーメン店、うどん店、そば店の出店をお考えの方や、すでに海外で開業していて、仕入れ麺から自家製麺への変更を検討している方を対象に、現地での規格対応や原材料調達先調査、その地域で好まれるメニュー開発、地域の特性を考慮した店舗レイアウトまで、トータルで支援いたします。 

弊社の製麺機が活躍している国・地域は、アメリカ・カナダ・インドネシア・フィリピン・シンガポール・マレーシア・タイ・香港・中国・韓国・台湾・オーストラリア・ロシア・ブラジル・スペイン・フランス・オランダなど、年々拡大しています。 

大和製作所では、世界中の飲食店オーナー様に日本の麺文化のノウハウを提供しています。 

世界中のお客様からいただいた課題を解決することでノウハウを積み重ねています。 

あなたの海外進出が成功するために、様々な面からサポートさせていただきます。

そのほかイベント情報、麺学校情報、製品情報などの最新情報をメールでお届けしております

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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