この記事は2024年4月30日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。
大型店の進出に立ち向かう小規模店(ラーメン、うどん、そば店)の生き残り戦略

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これからの戦略(生き方、考え方)についてシッカリ考える

あなたは、一体、これから、自分の人生をどうしたいのですか、どう変えたいのですか? 

この方針によって、あなたの店の今後の大きな方向性が決まってきます。 

①小さいままで、一生終えて良いですか?
②小さくても良い、存在感のある店になりたいですか?
③大きくなりたいですか?
④どの規模を目指したいですか?
⑤どの様になりたいですか?
⑥あなたの夢は何ですか?
⑦今のビジネスにあなたは、強い情熱を燃やすことが出来ますか?
⑧今のビジネスをあなたは、本当に愛していますか、大好きですか? 

以上を自分自身の質問し、明確にすることがまず、第一歩です。 

最も生産性が上がるのは「好き」で「得意」な仕事

まず最近私が読んでいる書籍「10x 同じ時間で10倍の成果」に書かれている内容を紹介します。 

取り組んでいて喜びや充実感を得られるのが「好き」なことです。 

「好き」ではなくても、上手にできることが「得意」なことです。 

自分が「好き」で「得意」な仕事に注力することが最も生産性が上がるということです。 

「好き」と「得意」の両方を満たす仕事に注力してください。 

日本では、まだまだ「やりたくない」仕事や「不得意」な仕事を我慢してやっている人が多いと思います。 

「好き」なことと「得意」なことが掛け合わさると、情熱を持って続けられ、質の高いアウトプット(自身の行動や成果が自然と高まりつづける)ができるようになります。 

たとえば、「好き」なことであれば、「時間を忘れて夢中になってしまうことは?」「何をしているときに幸せを感じる?」「もし制限なく何でもできるとしたら、何がしたい?」といった質問を自分に問いかけてみてください。 

「得意」なことについては、「周りからよく褒められることは?」、「時間をかけずにできてしまうことは?」「これまで周りの人に対して、(自分はできることだからこそ)『なんで、こんなこともできないんだろう』と思ったことは?」といったように、日頃、自分が当たり前だと思っていることのなかに「得意」なことが隠れている場合もあります。 

あなたご自身はいかがでしょうか? 

あなたの周りの人たちはどうでしょうか? 

仕事において本当に充実感や成果を感じているでしょうか? 

好きではないことや苦手なことを我慢してやってはいないでしょうか? 

「好き」な仕事に従事(仕事に携わる)することは、モチベーションと情熱を高める源泉となります。 

心からやりがいを感じ、楽しみながら仕事に取り組むことで、創造性や革新的なアイデアが生まれます。 

「得意」な仕事に特化することは、個人のスキルや才能を最大限に活かすチャンスです。 

得意なことに集中すると、個々の専門性が高まり、成果や品質の向上につながります。 

この仕事は本当に好きか、自分にとって、最高に得意な分野ですか? 

苦手で好きでないことは絶対にやらないこと。もし、本当にこの仕事が自分であっていない仕事であれば、自分にとって得意で好きな仕事に変わる位の勇気を持って取り組むことが重要です。

小さい店と大きな店の差について考えてみる

次に小さい店と大きな店を比べてみます。 

(参考)小さいな店の定義
売上はうどん蕎麦店の全国平均程度以下、即ち、月商200万程度以下
中規模店 月商200万円~500万円程度
大規模店 月商500万円以上 

a)小さい店の弱点  小さい店の定義(現在の月商、200万円以下)
①知名度
②イメージ
③体力
④ブランド力
⑤資源 

b)小さい店の強み
①スピード
②低コスト
③自由度が高い
④経営能力がそれほどいらない
⑤シンプル 

c)大きい店の弱点
①高コスト
②スピードが遅い
③自由度が低い
④高い経営能力が必要
⑤複雑 

d)大きい店の強み
①体力
②知名度
③ブランド
④影響力
⑤組織力

小さい店の取るべき戦略

小さな店の取るべきさまざまな戦略を紹介します。

アドバンテージ・マトリックス(競争変数を増やす方法)

うどん業界はセルフの大手企業が成功し、ラーメン業界には大手企業が存在しません。 

その大きい違いは、ラーメン業界は、麺、スープ、元ダレ、香味油と差別化要因即ち、競争変数が非常に多いラーメン業界は、うどん蕎麦業界と比べて大変活性化している為だと考えられます。 

ボストン・コンサルテイング・グループが提唱しているアドバンテージ・マトリックスによれば、競争変数が多ければ多いほど、企業規模が大きくなるほど、儲からなくなり、大企業は参入出来ないのです。 

ラーメン業界はこのまさに状態だと言えるでしょう。 

従って、麺、だし、トッピング、盛り付け、サービス方法、店舗作りとあらゆる方向で他店の真似をせずに、差別化要因を徹底的に増やすことがこれからの課題です。 

際立った個性を発揮

芸能界での長く生き残っているタレント、俳優、女優は強力な個性のある人だけで、美男子であるとか、美人であっても長く生き残ることは出来ないのです。 

これはビジネスでも同じで、自動車業界のような数量で勝負する業界でも、販売台数の非常に少ないフェラーリとかポルシェ、ロールス・ロイスはしっかり生き残っています。 

これらの共通点は他の車と全く異なる圧倒的な差別化で成功しているというところです。 

過去にめぐった、北米のレストランビジネスも全く同様で長く成功しているのは、圧倒的な個性を打ち出して成功している店舗ばかりでした。 

どんなビジネスにおいてもこの原理原則は同じで、うどん業界でも、「つるとんたん」のように圧倒的な差別化で強いポジションを築いているお店があり、永く成功しているのは、強い個性を打ち出して成功している店舗ばかりです。 

アドバンテージ・マトリックス ボストン・コンサルティング
麺ビジネスにおけるアドバンテージ・マトリックス ボストン・コンサルティングの図

絶対に、競争をしない、競争をしないで勝つ

ライバルとバッテイング(重なる部分)するようなことは一切してはいけません。
(事例)営業時間を変える、業態を変える 

使命、コンセプト、ビジネスモデルを明確にする

焦点を絞る、フォーカスします。

(参考)スターバックスのコンセプトは第三の場所

コンセプトと、コンセプトの一貫性を大切にすることが重要です。

優位価格戦略

上質に徹する

(参考)上質とお手軽の違い 

ほとんどのビジネスは上質でもなく、お手軽でもなく、中間の不毛地帯でやっているために、うまくいっていないのです。(不毛地帯を作物で例えると、作物の生育に向かないような土地)

ビジネスでの成功は、上質か、お手軽かのどちらかしかありません。 

ただし、お手軽は規模が大きくないと、成功せず、ただし、上質は高級とは意味が違います。 

(参考)利益戦略の考え方には2通りある

お客様を明確にし、絞る

絞り込んだお客様にフォーカスします。 

誰でもがお客様にはなりません。

プロ意識に徹する

常に期待以上であることが重要です。 

そして細部にこだわりましょう。

徹底的に回転率を上げる

回転率の上がる様な席の取り方をしましょう。 

(事例)18席のカウンターだけの店 

(参考)粉太製麺の事例 

インパクトのあるOutstandingを目指す(強い印象を与える、際立った成果を目指す)

Outstanding(並外れた)なレベル、内容Outstandingな高い価値、基準を目指すことが重要です。 

行列のできている麺専門店は、全てOutstandingな商品力か、店舗力か、サービス力で勝負しています。 

ようするに、行列の麺専門店は普通の店ではない、強烈なインパクトがあります。 

Outstandingでないと通用しない原因は、情報伝達の急加速化、情報価値の急激な低下です。 

価値基準が大幅に変わって来ました。(パラダイムシフトが起きた)

価値基準

bad悪い即退場、論外
Good 県大会良い

良い結果は得られない

全く、話にならない

今は良い商品位では売れない

楽な領域(安心領域)→楽な気持ちではない

Exellent優秀

まあまあ良い結果が得られる

しかし、現代では優秀位では話にならない

Outstanding
オリンピック
超ド級

とんでもないレベル 感動レベル

楽ではない領域 → 楽な気持ち

狭い地域での、地域1番店になること

2番店ではいけません。 

どのジャンルで地域1番店になるか? 

ということが重要です。

何が何でも繁盛店にすること

その為には、話題性、インパクト、特徴が必要です。

自分自身の強みを活かすこと

「商品力」、「店舗力」、「サービス力」、そしてスタッフたち、関係者の強みを活かしましょう。

地域の強みを活かすこと

地理的特徴や、産物、歴史、地理的、文化、遺跡などです。

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略とは、弱者が強者に勝つための戦略です。 

経営戦略でマーケティングを行う際に、「強者の視点」「弱者の視点」で分析していく手法のことです。 

ランチェスター戦略の由来は、第一次世界大戦の時代に戦闘機を開発していたイギリス人のフレデリック・W・ランチェスター氏の名前から名付けられています。 

元から仕事やビジネスで取り入れていたわけではなく、戦争で勝つための戦略でした。第二次世界大戦では、米軍が応用していたほど圧倒的に優れている戦略です。 

ランチェスター戦略には2つの法則があります。 

  • 第一法則 
    局地戦・接近戦・一騎打ち戦に適用。
    兵士の数もしくは武器効率で勝敗が決まる。
    「戦闘力=武器効率×兵力数」 
  • 第二法則 
    確率戦に適用。兵士の数で勝敗が決まる。
    「戦闘力=武器性能×兵士数の二乗」

第一法則と第二法則をビジネスの世界に当てはめて考えた場合、基本的に大企業ほどリソース(兵士)の数が多いので、第二法則を適用して戦っても中小企業はまず勝てません。 

しかし、第一法則なら商品・サービス(武器)の質で勝負できるため、中小企業が大企業に勝てる可能性もでてくるのです。 

また、リソースについても大企業ほど数は増やせませんが、工夫次第である程度はカバーできます。 

このような考え方から第一法則は「弱者の法則」、第二法則は「強者の法則」と呼ばれています。 

弱者は強者と同じように戦えないため、弱者の法則から経営戦略を立てることが大切です。 

ランチェスター戦略三つの結論

ナンバーワン主義

地域顧客(得意先)→製品の順でNO1を作ってゆくことです。

足下の敵攻撃の原則

・競争目標は自分より上位の相手とする(差別化戦略)
・攻撃目標は自分より「下位」の相手とする(ミート戦略)

一点集中主義

地域、顧客、商品を細分化し、その中の何に狙いを定めるのか優先順位を決め、そこに集中することです。

結論

これまでの解説をまとめると、新規開業者が最初におこなわなければいけないビジネスの特徴は下記の通りです。 

①上質志向のビジネスを実現することです。 

②ビジネスを単純化しない、複雑にする、複雑にするほど、ライバルは追随出来ない複雑にするほど、スタッフのレベルが上がります。
リスクから逃げないことが重要です。
(事例)はなまると丸亀製麺大和製作所自家製麺の導入 

③競争変数の多い、複雑なビジネスを目指すことです。 
ラーメン・ビジネスの場合の競争変数の例

④一番を目指しましょう。 
こちらの記事では、地域一番店として勝ち続ける秘訣を解説しています。

⑤限定をつくることです。
 需要と供給のバランスを見ることが重要です。 

⑥95点以上の完成度の高さを実現することです。
(事例)ディズニーランド
関連記事:お客さまの期待を超える価値の提供とは?

⑦ブレない一貫性を持つことです。 

⑧ポリシーが必要です。
 明確なコンセプトを持ちましょう。
(参考)飲食ビジネス=料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学 

⑨文化を大切にすることです。
(事例)マクドナルド、コカコーラ、ハーレーダビッドソン 

⑩顧客を限定しましょう。
 最初から特定客だけを対象にして、その他を排除します。
(事例)ラーメン二郎、モス、スターバックス 

小さな店の大逆転戦略を実行し、あなたの夢に向かって、情熱とパワーで大成功させましょう。 

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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