この記事は2024年5月27日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。
新規の麺ビジネスをデジタル化|麺ビジネスの正しい開業に向けて#1

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はじめに

さあ、これから麺ビジネスの正しい開業に向けて、さまざまな方向から深く切り込んでいきたいと思っております。 

麺ビジネスの大きな課題の1つが、新規に開業後の閉店率が他のビジネスに比べて異常に高いということです。 

1年以内の閉店率が平均で42~3%、3年以内の閉店率が72~3%で、多くの店舗が3年以上存続することが出来ないことです。 

私は、以前からこのことに非常に留意して、永く生き残ることが出来る、永く繁盛することが出来る麺ビジネスをお勧めしています。 

あなたは麺ビジネス開業するにあたって、永く生き残るための麺ビジネスにとって、大切な事、正しい事はなんだと思いますか。 

一番理解していただきたいことは、麺ビジネスはいろんな面で、他のビジネスと大きく異なる点が多々ありますが、そのような中でも、他のビジネスとの最も大きな共通点は、お客様を最高にハッピーにするビジネスでなければいけない点です。 

では、お客様を最高にハッピーにする麺ビジネスにするためには、どうすれば良いと思いますか。 

そこで今回は、あなたの新規開業、あなたの麺ビジネスが大成功するために麵ビジネスの正しい開業について、一緒に考えていきましょう。 

麺ビジネスの特殊性の理解

まず初めに、麺専門店の持つ次の特徴を紹介しましょう。 

みなさんうどん店に一番お客さんが来る時間帯はいつでしょうか。 

日本のうどん、そばの店は、軽い食事と考えられているため、お客さまが昼に集中し、夜を含め、他の時間帯はビジネスになりにくいことが特性です。 

例えば、カフェだと朝からお客様が入り、ランチ、アフターランチ、ディナーと1日中満席状態を作れて、回転率が高く、生産性が高いのです。 

人手の面においても、昼の時間帯にお客さまが集中し、作業が集中するので、昼のピークだけに合わせて人手をたくさん集めないといけません。 

一方で、カフェ形態は朝から連続してお客さまを呼び込むことが可能であり、しかも、昼のピークが麺ビジネスのように集中しないので、生産性が高いのです。 

そこで、理解していただきたいのは、麺ビジネスにおいて何が重要でしたでしょうか。 

それは、冒頭でお話したように、麺ビジネスとは、お客様を幸せにするビジネスでなければいけないということです。 

麺店に来店されるお客様とは、どの様なお客さまで(Know Who)、そのお客さまは何のために(Know Why)、麺店に来店されるのでしょうか。 

お客様目線で考えてみましょう。 

ここで事例を挙げてみましょう。 

スターバックスが大成功したのは、スターバックスは飲料と食べ物を売るだけでなく、コーヒーのアロマの香りのする素敵な第3の場所の提供業だからです。 

家庭でもない、職場、学校でもない、第3の場所というのがコンセプトです。 

また、香川県にある骨付鳥一鶴(いっかく)は、生ビールの売れ行きは香川県でトップです。 

さぬきうどんの牙城の香川県ではすごいことなのです。 

本店のある丸亀市には、150、200,300席の3店があり、地方で客単価2500円以上でも、平日夜に300席の店に行列ができています。 

その理由は、空腹を満たすだけではなく、お客様の「ストレス発散」の場所の提供になっているからです。 

今はうつ病患者が日本では100人に1人いる時代です。 

骨付きの肉を豪快にがぶりと食べてビールをガンガン飲んでもらう、ストレス発散にはもってこいですよね。 

要するに、麺ビジネスの本質の理解は、どの様なお客さま(Know Who)が、何のために(Know Why)来店するのかを理解することが、集客のポイントです。 

麺ビジネスも単なる空腹を満たすだけでは、昼のランチタイムしか集客ができません。 

生産性を上げるため(麺店において)に、他の時間帯にも集客するにはどうすれば良いでしょうか? 

例えば、デイナーの場合は、ランチと違い、お客さまが1人で来ることはすくなく、お客さまがデイナーに求めるものは「家族との時間」「友人との時間」「恋人との時間」楽しく過ごすための場所と時間の提供だと考えます。 

そのようなハッピーな時間が過ごせるためのメニューやサービス、空間作りが必要なのではないでしょうか。 

アフターコロナの新しい時代への対応

コロナの危機によって、多くの外食産業は壊滅的な影響を受けました。 

そして、コロナは多くの人たちの「価値観・行動」を変えてしまったのです。 

リモートワーク、リモート学習が当たり前になり、働き方も、生き方も大きく変わろうとしています。 

住むのも、都会から田舎へシフトが始まりました。 

今後とも引き続き、コロナウイルスに続く新しいウイルスの感染拡大を防ぎ、飲食ビジネスを進めていくには衛生面・健康面での対策が必要不可欠です。 

しかし、日本にも、世界にもコロナ後も、コロナ前とほぼ同じ人口の国民がいます。 

そして、その人たちが以前と同じように、食べ物も食べ、着るものも着て、いろんなものを消費します。 

ただし、その行動が以前とは、ことなっているのです。食べ方も、食べる物も少し変わってきます。 

コロナの猛威に多くの人たちは、行動を変え、命の大切さを理解し、免疫力を高める大切さも理解したのです。 

ビフォーコロナの時代の生産性は、主にコストダウンによる生産性向上でしたが、アフターコロナの時代の生産性向上は付加価値向上による生産性の向上になります。 

価値さえあれば、価格は高くても買ってくれるようになり、これはインバンドで多くの外国人が日本に来て、日本の外食の安さに驚いているので、多くの日本人が気づき始めています。 

アフターコロナの時代には、地球温暖化を防ぐために、ビーガン運動がさらに盛んになり、グルテンフリー麺とか、低糖質麺等の健康志向の麺が要望されるようになります。 

そして、美味しくて、健康に良く、免疫力を高めるような食べ物が要求され、添加物不使用とか、無化調が当たり前になり、本来の食べ物のあるべき姿が求められるようになります。 

また、安全な食事、免疫力を上げる食事といった、健康に良い食事に対するニーズは、世界中で盛り上がり続けています。 

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デジタル化への取り組み

多くの新規に麺ビジネスを始める人たちの苦手な項目の1つが経営数字です。 

ビジネスは、感性(料理、アート)と数値(科学)の世界の融合が重要です。 

特に、一般的には、寿命の短い麺ビジネスを永く生き残ることが出来るようにするには、今までのようなどんぶり勘定ではなく、デジタル化が永く生き残るための最高の戦略になります。 

日々の経営数字を明確にし、目標を掲げ、データを残していくことは大変重要です。 

経営の最小単位である「日次」ベースで経営数値を可視化することで、経営上の課題を把握しやすくなります。 

日々の客単価、客数の変化、どの様な対策を打てば、客数が増え、客単価が上がるのか、どの対策で、これが減少に向かうのか、それを日々のデータで分析を続け、毎日、PDCAを回し続けるのです。 

現に当社でも、毎日国内・海外ともに売上等の数字を明確にし、社員たちと共有して、販売対策を行っております。 

そして、その数字を更に細かく分析し、対策を練っております。 

今後のビジネスで生き残るためには、数字を残し、すべてをデジタル化できた会社のみが生き残るのではないでしょうか。 

品質の追求 無化調、無添加、デジタルクッキング

麺ビジネスの長い成功において、どこにも負けない高品質は絶対です。 

当社は、創業当初より麺の品質の研究を続けており、学術的な研究を深めて来ています。 

そして、麺だけでなく、関連する出汁、スープ、トッピングの品質、さらに美味しいだけでなく、健康に良いこともテーマで研究を続けています。 

例えば、当社の麺学校では、無添加、無化調でデジタルクッキングを使い、無化調が非常に難しいラーメンでも、20年間無化調、無添加で指導しています。 

世界中には様々な料理があり、その多くはプロの料理人の勘に頼って作られています。 

しかし、当校のデジタルクッキングを活用すれば、まったく料理経験のない素人でも、短時間でプロになれます。 

デジタルクッキングは、ただのレシピとは違い、「全てを数値化した完璧なレシピ」がデジタルクッキングの神髄で、食材のサイズ、重量、加熱温度や加熱時間、食材の芯温、といったものをすべて数値で管理します。 

デジタルクッキングが、食材の持つ特性をはじめ、明文化されづらい、調理の細かなノウハウまで、徹底的に分析し、誰でもわかる数字を用いて、明文化したものです。 

デジタルクッキングで料理を理解することは、単に教えられたことを覚えるだけでなく、新たなレシピ作りや、新たな製法のアイデア、マニュアル作りといった、様々な能力に応用できます。 

短期間でプロになれるだけではなく、プロで居続けるため、指導者になるためにも、非常に重要な考え方なのです。 

デジタルクッキングは、その名の通り、レシピと手法を、デジタルデータとして管理するので、アナログなレシピ帳等と比べると、記録・確認・再現、といった点で、自由度が高いのも重要なポイントです。 

データは、計算式と組み合わせれば、複雑なレシピの分量や、原価の計算、それらの変更も容易になります。 

次に、デジタルクッキングにおいて、最も重要なことをお教えしておきます。 

矛盾するように感じるかもしれませんが、「デジタルクッキングは、デジタルだけでは完結しません。 

いくら、徹底的なデジタルクッキングで、料理を作っても、結果、その料理が、最高に美味しいものでなければ、意味がありません。 

要するに、デジタルクッキングは、五感と深く結びついて、初めて価値が生まれるのです。 

当校はこれまで20年もの間、研究し続け、大和ラーメン学校を運営してきました。 

当校がお教えするデジタルクッキングは、それまで積み上げた研究とノウハウ、膨大なレシピ・データの結晶です。 

そして、無添加、無化調で最高に麺料理を今まで指導してきました。 

多くのラーメン店が「化学調味料を使わないと美味しいラーメンはできない」と信じて込んでいますが、それは勘違いです。 

無化調の天然食材だけで作ることは、いくらでも出来ます。 

この勘違いは、食材の真価を発揮するために必要な、正しい知識と、ノウハウが広まっていないことが、大きな原因です。 

しかし、デジタルクッキングであれば、どんなに複雑なレシピであっても素早く・正しく学ぶことができます。 

更に、当校たちは日本の特殊な食材にこだわるのではなく、世界中の現地の食材を使っての、レシピ作りにこだわってきました。 

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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