この記事は2024年5月27日のロッキー藤井の情熱メルマガで配信された内容を一部修正して公開しています。
コンセプトとは?コンセプトの作り方|麺ビジネスの正しい開業に向けて#3

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はじめに

これまでの記事では、麺ビジネスの正しい開業に向けて #2/3をお話いたしました。

開店スケジュールにおけるコンセプト作成は、お店を成功させるためには非常に重要です。

コンセプト作成

コンセプトを明確にすることは、事業の本質を明確化することであり、お客さまの問題を解決することです。 

既に説明していますが、麺ビジネスの本質の理解は、どの様なお客さま(Know Who)が、何のために(Know Why)来店するのかを理解することが、集客のポイントです。 

したがって

①しっかりとしたコンセプトを確立する。 

②上記のコンセプトに沿った強い商品を持つこと。(商品力) 

③上記のコンセプトに沿った入り易く、親しみがあり、落ち着く店舗(店舗力) 

④温かいおもてなし、高い接客レベル。決して単なるマニュアルに沿った通り一辺倒の接客ではない。(サービス力) 

上記の中で最も難しくわかりにくいものがコンセプトの確立です。 

これはほとんどの不振店、繁盛店ともできていません。 

今は繁盛店であっても、たまたまその他の条件が良くて繁盛店になっただけであって、環境が変われば悪くなる店は沢山あります。 

このコンセプトを固めて、コンセプトに沿った商品作り、コンセプトに沿った店作り、コンセプトに沿ったサービスの徹底が繁盛店作りの基本です。 

うどん店を開いても、うどんを売るのは、ビジネスの本質ではなく、手段です。  

したがって、一回も来たことのないお客さまの心をつかむには、そのお客さまに合ったコンセプトが大切です。  

だから、どのようなお客さまを集めたいかによって、コンセプトはまったく異なります。  

もっと言えば、コンセプトによって、集まるお客さまも異なります。  

あなたのお店では、”どのようなお客さまに来て欲しい”というような、お客さまを明確にしていますか。

明確なコンセプトで、来て欲しいお客さまを明確にすることが新規開業の第一歩です。  

コンセプトを明確にするためにお勧めしているのは、下記のように、まずあなたの価値観を明確にし、以下の順序でコンセプトを明確にします。

あなたの価値観の明確化

価値観(かちかん)とは、「何が大事で何が大事でないか」という判断、「ものごとの優先順位づけ」、「ものごとの重み付け」の体系のことで、人は自分に足りていないものを手に入れようと、もがいたり、あがいたりしながら、育っていき、それをいつも価値観の上位に持ってきます。  

要するに、価値観の一番目にあるものを手に入れることに集中するので、価値観とは、自分に未だ満ち足りていない部分(ニーズ)でもあるのです。  

価値観においては、どのような価値観を持つかということ以上に、価値観の順序がもっと重要です。

(1)家族関係

(2)自分自身

(3)ビジネス  

価値観が明確になると、以下の3つが自動的に明確になります。  

①お客さまが明確になる。⇒価値観が共有出来るお客様しか来ない  

②働く仲間が明確になる。⇒価値観が共有出来るスタッフしか一緒に働けない  

③提供する価値が明確になる。⇒価値観の内容、順序が提供価値そのもの

あなたの使命

使命はわれわれ自身とか、組織に置いて価値観の次に明確にしなければいけない、われわれ自身あるいは、組織の存在理由です。

要するになぜ(Why・・・?)を明確する重要なテーマ  

ビジネスにおける使命とは、お客さまの価値創造のために、自分の命をどう使うかということです。  

使命の志が高ければ高い程、多くの賛同者を得て、そのビジネスは成功の可能性が高まります。

「使命」に含まれるべき3つの要素

(1)到達すべき目標があること  

(2)目標に進んでいく行動があること  

(3)それらがお客さまに求められていること

人生は、時間であり、いのちそのものです。  

自分のいのちを輝かせるものが、明確な使命です。  

使命とは、何としても、どんな困難があろうとも、成し遂げなければならないのです。  

使命の志が大きければ大きい程、大きな困難を伴うが、より強い情熱を持つことができます。

ビジョン

使命が達成された理想状態です。  

ビジョンへの進化が重要で、特に時代の流れによって、変わっていくものです。

コンセプト

コンセプトは対象が見えるもので、モノであるとか、本であるとか、商品であるとか、モノを対象にしているものです。  

コンセプトを一言で言えば、何(What・・・?)を明確にすることです。  

コンセプトをビジネスで使った場合は、「そのビジネスの本質」がコンセプトの本質です。  

例えば、有名な良いコンセプトとして、広く知られているのが、先程紹介したスターバックスのコンセプトで、第三の場所です。  

「コンセプト」とは?ビジネスの本質であり、ビジネスの方向性です。

戦略

最小のインプットで、最大のアウトプット(成果)を得るための進むべき方向性やシナリオ作成のことです。

「成果を出すためにするべきこと」や「何を切り捨てることよって効率性が向上するのか」など、総合的視点から準備・計画・運用を策定することです。

使命を明確にすることが、Why・・・?を明確にすることであり、コンセプトを明確にすることは、What・・・?を明確にすることであり、

戦略を明確にすることは、How・・・?を明確にすることです。

要するに、どのようにして、それを成し遂げるかを明確にすることです。

ビジネスを始めるということは、2W1Hを明確にすることでもあった訳です。

そして、使命、コンセプト、戦略に同じ一貫性を持った思想が貫かれていることが大切です。

立地選定

麺ビジネスにおいて、立地の大切さは以前ほど重要ではなくなっています。 

それは、インターネットの発達で、グーグルマップ等の登場で、簡単に場所が検索出来るようになったことも原因の1つです。 

さらに、ウーバーイーツ等のデリバリービジネスが盛んになり、飲食ビジネス、麺ビジネスにおいて、場所の重要性が変化しています。 

まず、立地に関する基本的な考え方ですが、都心型の家賃の相場は一般的に坪当たり最低では、1万円程度、高い所では7~8万円程度です。 

家賃と売上はバランスすることが重要で、麺ビジネスでは家賃は売り上げの約7パーセント以内に収めるのが基本です。 

したがって、家賃が30万であれば、月商は400万円以上、家賃が20万円であれば、月商300万円以上、家賃が15万円であれば、200万円以上が必要になります。 

このように、家賃と売り上げのバランスを常に考えながら立地を選定していきます。 

大都市の中心地を除けば、殆どの国内の店舗は郊外型立地になり、郊外型の立地で多くの人たちが失敗するのが交通量の多い幹線道路沿いの立地選定です。 

麺ビジネスの立地として相応しくないのは、幹線道路沿いで、かつ車速の早い道路です。 

車の速度の速い場所は、麺ビジネスには適していません。 

併せて、幹線道路沿いの出店は、外食大手がひしめきあっているので、競争も非常に厳しいのです。 

幹線道路と生活道路との違いは歴然で、幹線道路は産業車両、大型トラックやダンプカーなどがどんどん走っており、反対に、女性ドライバー等が乗用車で、生活のための買い物等に、のんびり走っているのが生活道路です。 

女性ドライバーでも楽に運転出来る、車速の緩やかな道路が麺ビジネスに適し、生活道路沿いの車速の遅い場所が狙い目です。 

ただし生活道路沿いでも駐車場台数は、商圏分析で割出された台数の確保が重要です。 

よく失敗しているのが、幹線道路沿いへの出店と駐車場の台数の少ない店です。 

特に平日の昼間は1人1台の乗車率で来店するお客さまが多いですから、いくら店内で席数が空いていても、駐車場が満車では入れないので結局は売り上げの上がらない店が沢山有ります。 

したがって、駐車場はしっかり確保は必然で、駐車場に使うスペースは車1台に約7坪必要です。 

ですから50席の店を作るとしたら店の建坪は最低30坪から40坪は必要で、駐車場台数が最低30台ですから、駐車場だけで210坪となり、土地全体の面積では最低300坪が必要です。 

郊外型店舗でのほとんどの失敗事例は、駐車場の不足です。 

不動産屋は、うどんそば店、ラーメン店の最適立地を知らない。 

そして現在、インターネット、SNSのお蔭で立地の重要性が低下し、過去の経験、常識が役に立たない時代になっています。 

麺ビジネスの最適立地条件が時代の変化で、大きく変わろうとしています。 

不動産屋が麺ビジネスにとっての最適立地を理解するのは、不可能なのです。 

不動産屋が扱う商業物件は、あらゆる種類のビジネスのための商業物件です。 

そして、うどんそば店、ラーメン店というのは、不動産屋が扱う商業物件の中では、非常にマイナーな存在で、決してメジャーな分野ではないのです。 

したがって、不動産屋にうどんそば店、ラーメン店の最適立地を探して欲しいというのは、土台無理な話で、不動産屋は平均的なビジネスにとっての最適立地を推薦します。 

その結果、駅前立地とか、賑やかな立地、あるいは、家賃の高いところを進めるのです。 

今の時代、麺ビジネスの最適立地の専門家でもない、不動産屋に聞くこと自体があり得ないことなのです。 

永く繁栄するには、企業としての大本である、価値観、明確な使命、企業文化、コンセプトは外せないし、出発点であり、守り続けることが大切です。 

さいごに

世の中の大きな流れは、確実に麺ビジネスの拡大に向かっています。  

この傾向が顕著なのは、特に、北米、欧州、東南アジアです。  

日本でも、この流れは同様で、今後は、世界中でうどんの伸びが大きくなり、日本では蕎麦の伸びが大きくなります。  

同時に大きな変化は世界中で麺食の価格が高くなり、それにともない強く求められるのは、最高品質の麺のレベルです。  

当社には、うどん、蕎麦、ラーメン共に、麺の美味しさ、品質の高さにおいてはライバル他社に負けない強味を持っています。  

スープにおいても、同様で、麺学校で教えているレベルは世界最高レベルのスープのレベルです。  

ロッキー藤井は、あなたの麺ビジネス新規開業の、一番の応援団長であり、今後もサポートし続けます。 

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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