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あなたの気付かない間に世の中はどんどん複雑な方向に向かっている。
実は、この事実を知ったのは、私も最近だったのです。
製麺機ビジネス一筋に40数年、私も最初、製麺機は美味しい麺を作るためにあると信じていました。
これはまったく、昔の飲食ビジネスの成功方程式と同じだったのです。
昔、飲食店の競争が今のように厳しくなかった40~50前の日本では、飲食ビジネスの成功方程式は、料理の美味しさでした。
私が20歳代から30歳代にかけての日本の外食ビジネス黎明期においては、料理が美味しかったら、繁盛した時代があったのです。
それから40~50年経ち、外食産業も成長期から衰退期へ入り、過当競争の時代になり、非常に複雑な時代になっています。
同じことが言えるのが電話の世界で、40~50年前の日本の家庭には、必ず、ダイヤル式の固定電話がありました。
その当時、固定電話の機能は通話だけで、使っているのは家庭とか会社で、必ず、有線でした。
ところが、時間経過とともに、最初の重くてかさばる自動車電話から、ガラケーになり、現在のスマホになったのです。
スマホの機能は、ありとあらゆることを可能にし、通話、情報、カメラ、動画、画像、コンピュータ、財布等々、上げればきりのない、
沢山の機能がコンパクトなスマホの中に盛り込まれています。
そして、老若男女を問わずスマホを持ち、特に若い人たちのスマホの上手な使い方には目を見張るものがあります。
40~50年前に、われわれは今日の状態を想像出来たでしょうか。
私は当時、20歳から30歳にかけての若い時代を生きていました。
当時の私は今日のような世界の出現は、全く想像も出来なかったのです。
製麺機に起きている新しい、大きな変化 ⇒ 製麺機は人材育成マシンであり、大人の教育玩具
実は料理の世界にも全く同じことが起きているのです。
最近の飲食ビジネスの成功方程式は
飲食ビジネスの成功=料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学
となり、電話の進化同様に、非常に複雑になっているのです。
この方程式は以前に、ANAの機内誌で見つけたものですが、これからの時代の飲食ビジネスを上手く表現していると思います。
これからも飲食ビジネスは、料理だけではなく、アートの要素は絶対に必要です。
さらには、科学、これは当社であれば、デジタルクッキングで、料理を創り出すことで実現しているのです。
次のユーモアは、エンターテイメントであり、丸亀製麺の実演自家製麺もエンターテイメント、歓声の上がるような素敵な盛り付けもエンターテイメントで、お客さまを楽しくして、感動させるような要素はエンターテイメントなのです。
最後の哲学ですが、これが使命とか、コンセプトに繋がるもので、お店のポリシーなのです。
因みに、私の麺学校の教科書の中には、飲食ビジネスの本質として、次のように表現しているのです。
飲食ビジネスの本質=QSC+V+E
- Q(商品力)は、料理の品質に繋がるもの
- S(サービス)は、日本文化に当て嵌めれば、優れたおもてなし
- C(クリンリネス)は、良い衛生状態を指し
- V(バリュー)はコストパーフォーマンス
- E(エンターテイメント)
と続いているのです。
以上の様に、新しい、面白い概念が次々と生まれているのです。
最近、麺学校の経営講義に参加していると、多くの生徒さんからの要望の1つが、人材を育成する方法を教えて欲しいという希望が非常に多いのです。
多くの麺ビジネスのオーナーは、人材育成で非常に困っている事例が多いのです。
じつは、私は製麺機ビジネスを通して、面白い発見をしたのです。
それは、製麺機は人を育てるということです。
うどん、蕎麦、ラーメンに共通して言えることは、材料は非常に単純ですが、製法は非常に複雑なのです。
この3種類の麺類のうち、最も材料が単純なのが、うどん、次が蕎麦、最後がラーメンです。
最近ではラーメンの小麦粉のブレンドに、非常に複雑にブレンドしてこだわる人が増えているのです。
うどん、蕎麦、ラーメンの材料と製法の複雑性の関係性は以下の通りです。
うどん | 蕎麦 | ラーメン | |
材料 | 単純 | 中間 | 複雑 |
製法 | 複雑 | 中間 | 単純 |
以上の様に、材料が単純なほど、製法が複雑で、材料が複雑なほど、製法が単純ということは、非常に面白い視点です。
ただし、ラーメンの製法が単純と書いていますが、うどんに比べればということで、ラーメンの麺も美味しく作ろうと思えば、 決して、単純ではないのです。
あくまでも、上記のことは、他と比較すればということです。
人材育成マシン(人を育てるということ)に気づいたのは、うどん業界でトップに上り詰めた丸亀製麺を見ていて気付いたのです。
丸亀製麺では全店で、製麺機を店頭に置いて、実演自家製麺で大成功したビジネスモデルです。
国内だけでも800店以上展開しているうどん業界のガリバーです。
このような大規模チェーン店で、店頭で製麺機を全店に設置して、実演自家製麺を行なうという発想は、過去の外食経営者はまったく考えなかったアイデアだったのです。
外食企業の常識では、チェーン理論という概念があり、多店舗展開の場合、店内作業を出来るだけ軽くして、誰でも均一な作業が簡単に出来るようにして生産性をあげるというのが、過去の基本的な考え方だったのです。
ところが、丸亀製麺はそのようなチェーン理論とは反対に全店で複雑な自家製麺を始めたのです。
その結果、セルフうどん店業界で先行していたトップ企業を追い抜き、ダントツのトップに躍り出たのです。
先行して企業は、全店に製麺機を置かないで、セントラルキッチンからの麺配送で、店舗では茹でるだけなので、はるかに店内で働いている従業員の負荷が少ないのです。
ところが丸亀製麺は、店内で小麦粉から練るので、従業員の負荷は大きいだけでなく、日本は四季があり、春夏秋冬の気温差も大きく、麺作りも気候に合わせて、加水も都度変える必要があり、単なる作業ではなく、考える要素が非常に多いのです。
このように、従業員に負荷をかけた結果、従業員は製麺作業を通じて、教育されたのです。
これは、丸亀製麺だけの話ではなく、当社の営業員を見ても、製麺のプロほど、素晴らしい成果を上げているのです。
更に丸亀製麺は完全なオープンキッチンで、製麺作業がお客さまから見えるのですが、もし、製麺作業をお客さまに見せないで、バックヤードで製麺すれば、従業員は常にお客さまには見られないので、成長スピードが全然違うのです。
人の成長は、他の人に見られる方がはるかに速いのです。
製麺機はエンターテイメント・マシン
丸亀製麺のもう1つの特徴は、実演自家製麺で麺作りのようすを見せながら、お客さまを楽しませ、教育しているのです。
こんなに手間ひまかけて麺作りをしているということをあえて見せているのです。
普段、うどん作りなど、見るチャンスのお客さまに取って、製麺作業を見ることは驚きであり、楽しいことなのです。
これからの麺ビジネスだけでなく、どんなビジネスにおいても、お客さまをハッピーにするビジネスほど成功しており、ハッピー度が高ければ高いほど、成功度が高くなっています。
その典型事例がアマゾンであり、アップルなのです。
下記は、最近の製麺機の役割の進化で、製麺機の役割は単なる麺作りだけではないことが非常に良く分かると思います。
製麺機の活用には、こんなにたくさんの意味があったのです。
私は40有余年の製麺機製造販売事業を通じて、多くの麺ビジネスオーナーに理解して欲しいことは、製麺機を単なる麺を作る機械とか、麺のコストを下げるための手段ではなく、これからの麺ビジネスにおいては、製麺機をビジネスの強い武器として活用し、麺ビジネス業界で活躍されることを強くおすすめします。
さいごに
~「美味しい」とは、お客様の満足度とリピート率を変えるチカラ~
製麺機について、これまでよりもっと、多くの知識を得ることが出来たでしょうか?
もしかすると、本メルマガの中に、あなたの知らない、製麺機の実態があったかもしれません。
これまでお店の裏側で活躍してきた、縁の下の力持ち的役割を担っていた製麺機は、今、少しずつその立場を変えつつあります。
飲食産業の競争が洗練されていく中、次第に製麺機は、「見せる製麺機」として注目を集め始めているのです。
お客様に「できたて」感を訴求し、美味しい麺を扱っているお店のシンボルとして、 パフォーマンス的な能力も求められつつある製麺機。
製麺機は、今後さらにあらゆる機能を要求され、そしてその度に進化を遂げていくことでしょう。
けれども、飲食産業および製麺機がどれほど進化しようとも変わらないことがあります。
それは『“美味しい”とは、お客様の満足度とリピート率を変えるチカラ』であるということ。
これまで、失敗しない製麺機の選定法を様々な角度から述べてまいりましたが、最後に私が申し上げておきたいことは、この普遍的な事実についてです。
よい製麺機の選び方には、考慮するべきたくさんのポイントがあります。しかし、何より忘れてはならないのは、製麺機を何のために購入するのか?という、最終的な目的に他なりません。
高性能の製麺機を使えば、低コストで簡単・大量に、美味しい麺を生産できます。
それは、ひいてはあなたのお店の繁盛へとつながります。
なぜ製麺機に美味しい麺を作る能力が1番に要求されるのかというと、製麺機が実はあなたのお店を繁盛させるための、重要な鍵となる代物だからなのです。
美味しさは、店主を満足させるだけに留まるものではありません。
飲食産業においては、美味しさはお客様を呼び寄せるための最強の武器です。
だからこそ、飲食産業においては、美味の追求が不可欠なのです。どうぞこれだけは、お忘れにならないで下さい。