
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はじめに
いよいよエフェクチュエーションの最終回。
エフェクチュエーションの5つの原則を自由自在に使い回すための実践編です。
以前にも述べましたが、私にとってエフェクチュエーションは、今回初めて知った概念ですが、知らずに実践していたので、非常に馴染みのある概念であると同時に、この奥深さと有効さは、実践していただけに非常に理解出来ます。
この概念を理解し、これを100%使い回すことが出来れば、どんな不測の事態が来ようと、充分に生き延びるだけでなく、魅力的な将来を創造することが出来る手法だと思います。
まさに魔法のような手法で、同時にこれらを理解して人生の中で実践することにより、充分に人生の達人の域に到達できると思います。
私は、今までの日本の中で、このような概念が何故広まらなかったのか、不思議に思います。
以前のビジネスの世界、或いは我々が生きてきた時代は、ある程度の大きな変化は時々ありましたが、今の時代のように、非常に速い変化、全く予測出来ない変化の連続ではなく、過去のアナログなリニアな世界から、デジタルの指数関数的変化の時代に突入していることが大きな要因ではないかと思います。
前回の「飛行機のパイロットの原則」で例えると、平穏な外部環境だったのが、荒れ狂う乱気流の中をパイロットが必死で操縦かんを握っているような状態ではないかと思います。
平穏な外部環境の中を飛行するのであれば、コーゼーションの代表的な存在であるオートパイロット任せですが、乱気流の中では、常にパイロットが持っている知恵を絞り、あらゆる機器をコントロールする必要があるのです。
そのような現在の厳しい状態の中で、生き抜くための手法として、今回のエフェクチュエーションの有効性を理解したのです。
そして、これからは実際にエフェクチュエーションを使いこなすための注意事項をちりばめてお話いたします。
◎ 書籍「エフェクチュエーション 優れた企業家が実践する5つの原則」の第9章では、フリーランスとしてのエフェクチュエーションの使い方が取り上げられています。
私は、フリーランスとしてよりも、個人としてのエフェクチュエーションの使い方が、これからの複雑な時代の個人の長い人生の成功に、非常に有効ではないかと思います。
[手中の鳥]手持ちの手段がなくても心配しない
エフェクチュエーションは、個人の生活においても全く同様で、今の時代は何が起きるか想定出来ませんが、エフェクチュエーションの原理を使うことで、長く成功する人生を送ることが出来る手法になります。
エフェクチュエーションは、基本的に非常時の問題解決としての手法です。
決して、平穏時の問題解決ではなく、平穏時は改善改良の手法として、PDCAを回しておけば良いのですが、非常時においては、今回のエフェクチュエーションが非常に役立つのです。
更に、私は非常時の戦略として、過去にOODA LOOP(ウーダ・ループ)を学んできました。
OODAは、以下の4つの要素から成り立っているのです。
- Observe(状況を詳しく観察する)
- Orient(方向を示す)
- Dicision(決定する)
- Action(行動する)
の4つで非常時の戦略構築方法で、PDCAと全く異なるのは、外部環境の観察と理解でした。
その結果、どちらへ行くかを明確にして、決定し、行動するのです。
OODAループ(英語: OODA Loop、ウーダ・ループ)は、意思決定と行動に関する理論で、アメリカ空軍の戦闘機のパイロットのジョン・ボイド大佐により提唱されたのです。
戦闘時において、外部環境に注意して、コントロール出来ることに集中して意志決定するので、飛行機のパイロットの行動と同じなのです。
従って、平穏無事な環境下で、解決しなければいけない問題がない場合は、エフェクチュエーションは大きな効果を発揮しないのです。
個人の人生においても、上を目指さなければ問題は存在しないかもしれませんが、上を目指せば目指すほど、あるべき理想の姿との間のギャップから、問題が存在するのです。
私は、理想の生き方としては、常に目標とか理想は出来るだけ高く、しかし、日々の生活についての贅沢は一切しないで、出来るだけ地味にして、毎日、些細なことにも幸せ感を味わえるような生活が理想と考えています。
従って、平穏無事な生活をしていると、エフェクチュエーションの第1の原則の手中の鳥の原則は、必要がないかも知れません。
エフェクチュエーションの〈手中の鳥〉や〈レモネード〉として認識される対象というのは、その時々の自分の関心とか、外部状況によって浮上してくるものです。
だから、エフェクチュエーションに取り組むとき、〈手中の鳥〉をリストアップしようとするとき、もし、〈手中の鳥〉が思ったように出てこなかったとしても、悲観することはないのです。
自分のなかにある〈手中の鳥〉を信じて、焦らず、さまざまな人と関わり合うエフェクチュエーションのサイクルを回すことをお勧めします。
[手中の鳥]巻き込まれ力からの手持ちの手段の獲得
〈手中の鳥〉という資源をより大きくしたいのであれば、必ずしも、明確な目的のもとに〈許容可能な損失〉によって行動し、パートナーとのコミットメントを得る〈クレイジーキルト〉のサイクルを回し、新たな〈手中の鳥〉を得る必要はないということです。
自分の意志のみで〈手中の鳥〉という資源を獲得する必要はないということです。
一般的にエフェクチュエーションは、〈クレイジーキルト〉で、他人を巻き込んでいくのですが、その力を「巻き込み力」と言います。
一方、巻き込む人がいれば、巻き込まれる側もいます。
その巻き込まれやすい人の力を、「巻き込まれ力」と言います。
〈手中の鳥〉の資源の再獲得においては、自分が意図した「巻き込み力」のサイクルだけでなく、自然発生的な「巻き込まれ力」も活用することをお勧めします。
[許容可能な損失]
しかし、アイデアは掛け算と言われるように、アイデアを最初から否定せず、エフェクチュエーションのなかで肯定的に捉えて、〈許容可能な損失〉で行動することが、新しい事業を生み出す機会につながります。
よくあるエフェクチュエーションにおける問題とは、さまざまな組織で得た経験が新たな事業を生み出したとき、他の組織の知的財産の持ち出しではないか疑われる可能性があるのです。
もちろん、所属する組織の秘密情報を無断で利用した新しい〈手中の鳥〉は、〈手中の鳥〉としてそのまま再利用できるものではありません。
一方で、知的財産を持ち出している、持ち出してないことは、それほど重要ではないという見方があります。
重要なことは、許容可能な損失なのかという観点です。
[飛行機のパイロット]エフェクチュエーションを意識した行動で大きな成果
エフェクチュエーションを知った私は、積極的に、他の協力者に〝おねだり〟をする、また、積極的に他者の提案を受け入れる、という〈クレイジーキルト〉を活用してきました。
それは、エフェクチュエーションという原則を認識すると、今までとは異なる行動が可能になるということでした。
エフェクチュエーター同士による[クレイジーキルト]
ここのケースでの大切なポイントを2つ解説します。
1つは、自分が気づかない価値を、想定しない人が教えてくれるということです。
新たな〈手中の鳥〉を得るためには、エフェクチュエーションで関わる人の些細な言葉だけでなく、仕草、たとえば、スマホで写真をとっている対象物やSNSへの表現に注意を払うことが大切です。
それによって、お互いの共感度も測ることができます。
もう1つは、エフェクチュエーションの〈クレイジーキルト〉を行うパートナーが、「エフェクチュエーター」かどうかです。
エフェクチュエーターとは、エフェクチュエーション思考で行動を決める状態にある人のことです。
お互いすぐに行動をしていることかどうかから、お互いがエフェクチュエーターであることを推測できます。
相手が、手段から行動をするエフェクチュエーターなのか、目的から行動するコーゼーターなのかどうかを認識することが、エフェクチュエーションを加速させる大きな要因になることは、間違いありません。
リフレーミングによるエフェクチュエーション
一見、何の関係もない多様な手段、目的や市場が、巻き込み力や巻き込まれ力により、素晴らしい経験や残念な経験という〈手中の鳥〉として育まれます。
それは、時に連続的、並列的に生まれます。
そして、その〈手中の鳥〉という経験から創り出されるフレームによって、自分自身の状態がリフレーミングされます。
その結果、新たな解釈による新たな許容可能な損失のアイデアが再生産されるのです。
ナラティブで表現する関心軸の効果
エフェクチュエーションの〈手中の鳥〉の起爆剤となるこの関心には、大きく2つの種類があります。
それは、ポジティブな喜びの関心と、ネガティブな悲しみ・憂いの関心です。
「表の関心」と「裏の関心」ともいえます。
どちらもエフェクチュエーションの起爆剤です。
「表の関心」とは、やっていて心の底から楽しいワクワクする関心です。
一方、裏の関心とは、たとえば、何らかの欠点を侮辱されたことに対しての対抗心です。
多くの起業家が「イノベーションはネガティブ感情から始まる」と言いますが、そうした既存のものに対しての怒りも「裏の関心」といえるでしょう。
では、このような関心がエフェクチュエーションを加速させることを理解したところで、誰もがその関心を意識でき有効に活用できるようにマネジメントできているかというと、それは疑問です(私もそうでした)。
そこで、どうやって、その関心やその関心の範囲や方向性を表す関心軸を見える化していくのかご紹介しましょう。
その方法は、いくつかあります。
たとえば、ストレングスファインダーがあります。
それは強みから自分の関心をたぐり寄せます。
裏の関心にフォーカスする場合は、ヒプノセラピー(催眠療法)が効果的です。
ここでは、お勧めの手法を1つ紹介します。
それは、「ワークグラム」というツールです。
ワークグラム®は、能力やスキルではなく、「喜び・関心軸」だけで自分を可視化する自己理解ツールです。
自分が好きでないことを、努力によって得意になった能力やスキルは排除し、本来の純粋な喜びの関心軸だけで自分を可視化する自己理解ツールです。
この関心軸の言語化は、私のようなエフェクチュエーションの意思決定だけでなく、エフェクチュエーションで、最初の一歩の「やりたい」ことを、見つけられない人にも有効です。
子どもの頃から今の自分まで、どんなことを経験し、どんな時にワクワクしたか、どんな時に悔しい思いをしたかなどを棚卸しすることで、誰もが持っているエフェクチュエーションの起爆剤である、〈手中の鳥〉の関心軸を見つけることができます。
この関心軸を表現するときに大切なことは、私の関心軸の文章のように、より具体的な言葉で表現することです。
お勧めしない表現は、「デザインに関心がある」「知的成長や発展に関心がある」、または「無条件の愛・普遍的な善意に関心がある」といったものです。
なぜなら、これだと抽象化しすぎて、具体的にワクワクする関心軸のポイントがわからないからです。
ストレングスファインダーで自己分析する時も、導かれたワードをもとにナラティブで表現しましょう。
起業家が意識せずエフェクチュエーションでの「関心軸」をマネジメントしていること、そして誰もが「関心軸」をマネジメントできることを具体的に解説してきました。
これで、あなたも、正真正銘のエフェクチュエーターになることでしょう。
◎ この書籍の最終章の第10章では、企業内でのエフェクチュエーションマネジメントについて触れています。
エフェクチュエーションの5つの思考様式を、企業内でどう利用していけばよいのかを、新規事業開発等において、エフェクチュエーションを使うための仕組みの1つとして参考にすることが、以下の目的です。
エフェクチュアルな人材採用
一般的な人材採用は、まず会社が達成したい事業があり、それに不足している人材を獲得するために募集をするというのが一般的です。
これは、コーゼーション採用ともいえます。
一方で、エフェクチュエーション採用は、あらかじめ欲しい人材のポジションがあったわけではない。
きっかけに出会うという思いもかけない〈レモネード〉があり、採用に関わる報酬などの〈許容可能な損失〉の範囲だったためにパートナーを採用するというコミットメントを提供し、結果的に両者の間で〈クレイジーキルト〉が形成されたように見えます。
企画書ではない企画書
一般的な企業では、このような事業を行う際には、まず起案者が企画書を用意し、部門の会議で決裁を仰ぐのです。
その企画書のフォーマットでは、目的をはっきりさせることが求められるゆえに、コーゼーションの思考で作られたものになりやすく、その結果、承認を得るためのやり取りは、企画書の粗探しのようなコミュニケーションになりがちです。
一方で、企画書を作らず、そのかわりに、手持ちのアイデアを、イベントでのセリフやレターのドラフトのような形式で、非公式のコミュニケーションを含む取り組みは、抽象度が低いやり取りがあるからこそ、それがどのような文脈を持つのかを含めて、企画に対するメンバーの理解を深め、企画がそこに関わる人々にとっての〈許容可能な損失〉の範囲に調整されて、実行を可能にするのです。
許容可能な損失と組織構造
企業におけるエフェクチュエーションの活用においては、この事例で見たように、まずは〈許容可能な損失〉の範囲で可能な限り小さく、そして早くプロトタイプを作成・実行し、その成果を見ながらさらに大きな活動に展開していく、というのが有効な方法です。
その際に考慮するポイントは、〈許容可能な損失〉を、どの責任者・権限で意思決定するのかを見定めることです。
たとえば、部下がエフェクチュエーションを活用して行動する場合には、上司が、「いいよ」と言えるだけの〈許容可能な損失〉の範囲で行動を起こしたほうがよいでしょう。
また、エフェクチュエーションを試みる部下をマネージャーが支援しようとするときには、自分の〈許容可能な損失〉のなかで決裁できるものにするために助言することも有効でしょう。
企業におけるエフェクチュエーションの行動では、その行動を決裁する組織の範囲や決裁者とのパートナーシップの関係をデザインすることも同時に求められます。
事業計画書を作らない経営会議での容認
エフェクチュエーションを社内で動かすために大切なことは、事業計画書を使った説明という行為も行われず、連続的な活動を共有することです。
一般の会社では、このような結果が予測不可能な計画に対して、KPIなどの数字の報告だけで運用するケースが結構あるのではないでしょうか。
そして、その数字の状況が悪いと「なぜできないのか」「どんな資源を投入すれば達成できるのか」と議論されるケースをよくみます。
こうしたやり取りは予測可能な事業であれば有効ですが、新規事業のような予測不可能な事業においては無駄な労力と時間を費やすだけにとどまらず、企画担当者への過剰なストレスにつながり、モチベーションを落としてしまう可能性もあります。
事業の初動において細かい状況を経営会議で連続的に共有する方法で、大きな問題もなく進んだというサイボウズの永岡さんのケースは、他の企業でも真似をしてみるだけの価値があるはずです。
企業ビジョンがエフェクチュエーションを牽引する
エフェクチュエーションは、すでにおわかりの通り、最初の時点で目的が明確に設定されているわけではありません。
そのために、その取り組みを会社としてなぜやるべきなのか、という説明に苦慮することがあります。
そこで利用できるのが、企業のビジョンや存在意義です。
たとえば、手持ちの手段で、行動を始めたとしましょう。
何回か、エフェクチュエーションのサイクルを回して、新しい〈手中の鳥〉を得ていく過程で、この行動をその企業のビジョンを実現する手段の1つとして解釈できないだろうか、と考えてみるのです。
もし、会社のビジョンを達成する1つの手段として意味づけられるのであれば、経営幹部やマネジメント層に、なぜそれをやるべきなのか、を説得するワザとして利用すべきです。
ただし、1つ留意する点があるとすれば、そのビジョンが、形骸化してしまった社是のように、単なる置き物になっている場合です。
形骸化したビジョンがそのまま残っているような会社では、それを盾にしてエフェクチュエーションを説いたところで納得はされないでしょう。
個人の関心によるマネジメント
ここで注目すべき、持ち前の〈手中の鳥〉とは、人の一番根幹にある、喜びやワクワクの関心軸です。
マーケティングプランはコーゼーション? それともエフェクチュエーション?
「見立てとしての事業計画」
見立てでない事業計画の場合は、その事業計画で掲げた数字を達成するために、執拗に頑張り続けます。
たとえば、今年の目標は、売上が100億円で利益が1億円と計画を立てれば、その目標達成に向けて、さまざまな手段を選び資源を投下していきます。
一方で、この事業計画を目標ではなく「見立て」として捉えるということは、エフェクチュエーションで解説すると、こういう数字の予測を〈手中の鳥〉として意味付けることといえます。
シミュレーションと言い換えてもよいでしょう。
こうした計画を実行すればこうした数字になりそうだ、という仮説は、「何を知っているか」の要素とも解釈できるため、それを元手に〈許容可能な損失〉の範囲で、マーケティングアクティビティのサイクルを回し、期待された通りの、あるいは想定外のものを含む顧客のコミットメントを獲得して、〈クレイジーキルト〉を作り出しながら、再び、事業計画の費用構造や必要であれば仕組みも修正していきます。
私のマネジメントにおける事業計画とは、目標を固定するためのものや、予算をとりにいくためのものではなく、むしろ次の手段を紡ぎ出す、「資源」としての事業計画なのです。
このように一見、コーゼーションのように見える事業計画もまた、エフェクチュエーションのプロセスにおいて活用できるツールになるということを覚えておくと便利です。
コーゼーションで使われる、ビジネスモデルキャンバス、3C分析、マーケティングの4Pなどのフレームワークも、同じように利用可能です。
見立てでさまざまなツールを使う習慣があります。
具体的には述べられませんが、たとえば、未来の製品・サービスをイメージするときに使われるのが、メタファ(比喩表現)です。
普通の人が知っているもので表現することは、適度な抽象度でわかりやすく、新たなアイデアが出る余白もあります。
こうしたツールは、結果が予測不可能な企画に対して、前に進める際の武器になります。
ただし、その時に注意しなくてはならないのが、説明する相手にもまた、この計画や数字はあくまで「見立てで置いている」ということを知らせる必要があることです。
知らせるための方法はいろいろありますが、たとえば資料のなかに、「見立て」や「ドラフト」と書いてもよいかもしれません。
会社でもがいても、新規事業の企画が通らない!? ──あなたはどうしますか?
この章では、「企業のなかでエフェクチュエーションを実践するにはどうすればいいですか?」という問題に対してお答えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
これらを理解しても、会社のなかでエフェクチュエーションの5原則を使った新規事業開発を実行するのは難しいかもしれません。
それにはさまざまな原因が考えられます。
たとえば、その会社が経営難により新しい事業を興すより今の事業に集中したほうが予測可能な経営立て直しができる場合。
または、事業が順風満帆で利益を短期的に最大化することが目的であれば、そこに集中したほうが、予測可能な経営実績を達成できるという場合などです。
ですので、エフェクチュエーションが企業のなかで実践できなくても、落胆することはありません。
それよりも、むしろ、手段から始める熟達した起業家の5つの原則を利用して、あなたができるところから始めることに意味があるのです。
今のタイミングでないと考え、アイデアを寝かしてみる、または、リフレーミングなどをして、「許容可能な損失」で行動できるアイデアにするなど、行動の選択肢はいろいろあります。
このように、エフェクチュエーションを軽快に活用することをお勧めします。
結果的に、どのタイミングかはそれぞれですが、エフェクチュエーションを続けていれば、誰もが何か新しいものを生み出すことができると確信しています。
最終のまとめ
エフェクチュエーションの5つの原則と使い方はいかがだったでしょうか。
私は以前から、第一の手中の鳥の原則、第3のレモネードの原則、第4のクレージー・キルトの原則、そして、最期の飛行機のパイロットの原則を強弱はありますが、使ってきた経験があります。
残念ながら、第2の許容可能な損失の原則はほとんど使ってこなかったのです。
こうして、私自身を振り返ってみても感じるのは、一般的なコーゼーションに慣れ親しんできた会社が、エフェクチュエーションを経営の現場に取り入れるのは、非常に難易度が高いと思われます。
一番の理由は、エフェクチュエーションは、コーゼーションと比べて、ロジック思考に欠けるのが受け入れられにくい原因だと思います。
従って、コーゼーションは左脳的な論理、エフェクチュエーションは右脳的な論理ではないかと思います。
コーゼーションがロジカルな考え方に終始するのと反対に、エフェクチュエーションは直感に頼る部分、イノベーテイブな発想に頼る部分が多い、非常に面白い手法で、一体何が生まれるのかが最初は全然分からないという面白さがあります。
今の時代の成功している事例で言えば、テスラ、アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、Meta、BYD等、桁違いに成功している事例はほとんどがエフェクチュエーションを活用して成功しているのです。
これからもわれわれが生きている間に、エフェクチュエーションを活用して、大成功する事例が、周りにたくさん現れると思います。
読者の皆さん、ぜひ、エフェクチュエーションへの挑戦をお勧め致します。