ラーメンうどんそば店など麺専門店における価値観シート

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価値観シートとは

大和麺学校では、宿題として、必ず「価値観シート」を作成していただきます。 

あなたの価値観・使命・ビジョン・コンセプト・戦略を明確にするのです。 

簡単そうで、意外と難しいのです。 

しかし、この価値観シートが書けないままでは、このビジネスを永く継続するには難しいです。 

その理由の1つが、皆さんの価値観の内容、順序により、お客さまが決まり、従業員が決まります。 

これはどういうことかと言えば、あなたのビジネスは、あなたの価値観そのものなのです。 

そして、来店するお客さまは、あなたの価値観に合った人しか来ません。 

同時に、一緒に働く人たちも価値観が合わない人は、一緒に働くことが出来ないのです。 

従って、ビジネスを始める時には、あなた自身の価値観を明確にすることが第一歩なのです。 

以上の様に、価値観の明確化は、みなさんが思っている以上に重要なものなのです。

(注記)価値観、使命、ビジョンの3項目は、次の3つのジャンルに分けることが重要であり、この3つを絶対に混同しないこと 

価値観

価値観とはいったい何でしょうか? 

価値観(かちかん)とは、何が大事で何が大事でないかという判断、ものごとの優先順位づけ、ものごとの重み付けのことで、人は自分に足りていないものを手に入れようと、もがいたり、あがいたりしながら、育っていき、それをいつも価値観の上位に持ってきます。 

重要なのは、どのような価値観を持つかということ以上に、価値観の順序がもっと重要です。 

更に価値観も下記の3つのカテゴリーに分けて、別々に区別することが大切で、混同しないことです。

①家族関係の価値観  

②自分自身の価値観  

③ビジネスにおける価値観 

上記3つのうち、今回はビジネスにおける価値観で、これがが明確になると、以下の3つが自動的に明確になります。  

①お客さまが明確になる。⇒価値観が共有出来るお客様しか来ない  

②働く仲間が明確になる。⇒価値観が共有出来るスタッフしか一緒に働けない  

③提供する価値が明確になる。⇒価値観の内容、順序が提供価値そのもの

要するに、価値観の一番目にあるものを手に入れることに集中するので、価値観とは、自分に未だ満ち足りていない部分(ニーズ)でもあるのです。 

使命

使命とは何でしょうか? 

使命は、我々自身とか、組織において価値観の次に明確にしなければいけない、われわれ自身或いは、組織の存在理由です。 

要するになぜ(Why・・・?)を明確する重要なテーマです。

ビジネスにおける使命とは:お客さまの価値創造のために、自分のいのちをどう使うかということ使命の志が高ければ高い程、多くの賛同者を得て、そのビジネスは成功の可能性が高まります。  

「使命」に含まれるべき3つの要素  

①到達すべき目標があること  

②目標に進んでいく行動があること

③それらがお客さまに求められていること  

人生は、時間であり、いのちそのものです。  

自分のいのちを輝かせるものが、明確な使命です。  

使命とは、何としても、どんな困難があろうとも、成し遂げなければならない理由なのです。  

使命の志が大きければ大きい程、大きな困難を伴うが、より強い情熱を持てるのです。

ビジョン

ビジョンとは、使命が達成された理想状態のことです。  

ここで少し注意してほしいことは、使命、ビジョン、コンセプト、戦略は、最初に定めたものが達成されるごとに、上位の使命、ビジョンへの進化が重要です。 

コンセプト

コンセプトもよく使われる言葉ではありますが、深く理解されていない言葉の1つなのです。 

コンセプトとは、分かり易い言葉で表現すれば、考え方であり、方向性であり、本質に当たります。 

辞書では、コンセプトは本来「概念」を表す言葉です。 

しかしながら、日本語でコンセプトの言葉を用いる場合は、「全体を貫く基本的な概念」を表すこと多いようです。 

私がコンセプトの重要性を考えるようになったきっかけは、川崎重工時の飛行機の機体設計課で叩き込まれた「デザイン・フィロゾフィー」に端を発しています。 

飛行機の開発設計においては、まず、最初に明確にしなければいけなかった重要事項が、「デザイン・フィロゾフィー」でした。 

飛行機の開発における「デザイン・フィロゾフィー」の大切さを知ることが出来ました。 

「デザイン・フィロゾフィー」を最初の段階で明確にしなければいけない理由を知っていた私は、飛行機の開発、設計の場合は「デザイン・フィロゾフィー」ですが、一般の仕事に置き換えると、これは何のことであろうかと、考えました。 

一般の仕事においては、これがコンセプトであり、コンセプトを決める上で、ベースになっているのが、価値観であり、使命であることも分かってきました。 

コンセプトを明確にするには、最初に明確にしなければいけないのは、われわれの持っている価値観です。 

そして、コンセプトは対象が見えるもので、モノであるとか、本であるとか、商品であるとか、モノを対象にしているのが、コンセプトです。 

コンセプトを一言で言えば、何(What・・・?)を明確にすることです。 

コンセプトをビジネスで使った場合は、「そのビジネスの本質」がコンセプトの本質であると思います。 

例えば、有名な良いコンセプトとして、何度も紹介させていただいておりますが、広く知られているのがスターバックスのコンセプトです。 

スターバックは基本的にコーヒーを主体にしたドリンク、フード類を売っているカフェです。 

ところが、スターバックスのコンセプトはコーヒーを売ることではないのです。 

スターバックスのコンセプトは「第三の場所」の提供です。 

第一の場所は自宅です。 

第二の場所は、職場或いは学校です。 

従って、第三の場所とは、コーヒーの良い香りのする自宅もない、学校でもないくつろげる空間です。 

その様な場所の提供がスターバックスのコンセプトであり、スターバックスのビジネスの本質です。 

だから、よく考えてみると、私もスターバックスは時々、使いますが、決してコーヒーを飲むために行っている訳ではありません。 

スターバックスへ行くのは、誰かと面談するための場所が欲しいときとか、お客様との商談であったり、面接であったり、時間が余った時の本を読んだり、PCで仕事をしたりするための場所の確保のためです。 

特に、電源コンセントを設けてあるので、長時間PCで仕事をする場合には、非常に助かります。 

店内にいるスターバックスを使っている人達を見回してみると、コーヒーを飲むために来ている人はほとんどいません。 

何かをするために、或いは、スターバックスのくつろいだ場所を利用するために、来ているのです。 

だから、スターバックスはコーヒーを売って儲けるビジネスではなく、場所を貸して儲けているビジネスであったのです。 

これがスターバックスのビジネスの本質、要するにコンセプトです。 

そして、スターバックスはこのコンセプトの一貫性を持って守るために、様々な工夫を行っています。 

例えば、次の通りです。 

1 店舗の雰囲気へのこだわり 

2 出店と立地へのこだわり(プレミアム立地) 

3 オペレーション形態へのこだわり(FCはやらない、直営店方式) 

4 スタッフへのこだわり(人的資源への投資) 

5 メニューへのこだわり(アルコールは出さない、ナイフとフォークを使わなければいけないフードは提供しない) 

因みに当社の麺学校のコンセプトは、お客様の人生の時間のロスをなくする学校であり、人生を変える学校であり、これが当社の麺学校の本質です。 

当社のビジネスの本質は、「消費者を感動させる、美味しくて、安全な自家製麺を世界中に広める」ことであったのです。 

この様に、ビジネスの場合、コンセプトとは、ビジネスの本質のことです。 

だから、一見、何か商品を売っている様に見えている場合でも、ビジネスの本質は、その商品を売ることではないのです。 

それは、そのビジネスの本質を全うするための手段の1つに過ぎないのです。 

だから、自分自身のビジネスの本質を理解することは非常に重要なことなのです。 

戦略

最小のインプットで、最大のアウトプット(成果)を得るための進むべき方向性や「成果を出すためにするべきこと」や「何を切り捨てることよって効率性が向上するのか」など、総合的視点から準備・計画・運用を策定することが重要です。

実際の価値観シートの例

価値観、氏名、コンセプト、戦略の明確化シート
大和麺学校で行っている、価値観・使命・コンセプト・戦略の明確化シートの一例

まとめ

ビジネスを始めるということは、2W1Hを明確にすることでもあった訳です。 

そして、使命、コンセプト、戦略に同じ一貫性を持った思想が貫かれていることが大切です。  

永く繁栄するには、企業としての大本である、価値観、明確な使命、企業文化、コンセプトは外せないし、出発点であり、守り続けることが大切です。  

再度説明いたしますが、使命を明確にすることが、Why・・・?を明確にすることであり、コンセプトを明確にすることは、What・・・?を明確にすることであり、戦略を明確にすることは、How・・・?を明確にすることです。 

要するに、どのようにして、それを成し遂げるかを明確にすることです。 

この明確化が難しいですが、とても重要なのです。 

ビジネスをしていると、さまざまな試練が訪れます。 

そのような時に、自分自身にとっての進むべき方向性を教えてくれるのがこの価値観シートなのです。 

そして、永く繁栄するには、企業としての大本である、価値観、明確な使命、企業文化、コンセプトは外せないし、出発点であり、守り続けることが大切なのです。

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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