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標準的なラーメンの作り方に沿って、1回目の熟成(休息・寝かせ)工程を行った場合、とても良い生地ができています。
次の工程に進むことができます。これで、麺を形にする準備が整いました。
一般的な製麺工程では、生地を混ぜた後、一定の工程を経て、板状になります。ミキシングがうまくいくと、生地は、まだくずのような状態になります。
これを麺にするために、まずは生地をローラーにかけ、シート状の生地を粗くします。
この工程を「粗形成」といいます。この時点では、まだ生地はもろい状態です。
コシのある麺を作るには、生地に「複合」という工程を加える必要があります。
まずは、生地シートを2巻のシートに分離し、同時にローラーに送り込んで1枚の生地に結合させます。
2枚の生地を組み合わせることで、生地のグルテン構造が強化され、均一に発達します。
粗成形時のローラーギャップ(2本のローラー間の隙間)は、生地の加水率によって変化します。
低加水率の麺の生地は小粒なので、ローラー隙間は狭く(1.0mm程度)設定しますが、多加水率の麺の生地は大粒なので、ローラー隙間は2.0mm程度に広げる必要があります。
生地の種類(加水率)に合った圧力をかけることで、きれいで良いシート状の生地になります。
粗成形後の生地は、グルテン組織が発達していないため、まだ固さがありません。
ローラーの隙間を徐々に狭めて、ローラーでシート化しても、グルテンの質感はでません。そのため、粗成形後の生地には複合加工を施す必要があります。
製麺機を使う際には、生地を粗成形した後に2枚に分け、それを麺棒に巻き取ることで、生地に適切な圧力をかけてグルテン構造を強化します。
この工程は、生地をローラーに送り込むことで実現されます。
グルテン構造を良好にするため、この結合工程は通常1~2回行われます。
結合の回数が少ないとグルテン組織が十分に発達しない一方で、結合を過剰に行うとグルテン組織が損傷する可能性があります。
良好な結合プロセスを実現するためのポイントは、結合の各ラウンドで適切なローラーギャップを設定することにあります。
ローラーの隙間を狭くしすぎると、生地に過度な負荷がかかり、グルテン構造にダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。
ローラーの隙間は、生地の厚みの約70%程度を目安に設定すると良いでしょう。
このような技術的な調整を行うことで、製麺機を効果的に利用し、理想的な食感の麺を製造することが可能になります。
グルテン構造の適切な発達は、麺の品質に直接影響を与えるため、この工程は特に重要です。
シート操作に適したローラーギャップ
ラーメン製麺機の2本のローラー間の隙間をミリ単位で設定した数値です。
これらはあくまでも目安なので注意してください。使用する小麦粉、レシピ、その他の条件により異なる場合があります。
この表は、粗成形後の生地のローラーギャップの適切な設定を、水の比率を変えて示したものである。(単位:ミリ)
この表を見ると、生地が粗成形から合流する過程で、ローラーギャップが徐々に広がっていることがわかります。
グルテン構造を守るために生地を徐々に薄くする(元の厚さの70%)というルールに従えば、なぜここでローラーの隙間を広げているのでしょうか?
ローラーギャップを広げて生地を供給しても、生地には何の影響もないのでしょうか?
粗成形から合わせまでの生地厚みの変化(低加水麺の場合)
低加水麺を例に説明します。1回目の組み合わせでは、粗成形を経た生地を2枚に分けてローラーの隙間1.0mmに入れます。
つまり、1.0mmの生地を2枚同時に薄くする必要があるため、実際にローラーを通過する生地の厚さは2.0mmとなります。
2.0mmの70%は1.4mmなので、ロールギャップの設定は1.5mm(簡単のため切り上げ)とする。
2枚目のコンバインでも同様の計算をする。1.5mmに薄くした生地を2枚同時に薄くするので、実際にローラーを通過した生地の厚さは3.0mmとなる。
70%の法則に当てはめると、ロールギャップの設定は2.0mm(3.0×0.7=2.1、簡単のため切り捨て)となる。よって、上表の数値となる。
実際に製麺機で行われる粗成形(ミキシング後の生地を麺帯ロールにする)や複合(麺帯同士を合体、結合)などの工程で
- 粗成形
ミキシングした生地を、麺の加水率に適した厚さに設定したローラーに送り込み、粗い板状の生地を作る。生地をローラーに均等に連続投入する。 - シート状の生地が出てきたら、麺棒に巻き付け、ロール状の生地を作る。
- 1回目の組み合わせ
生地を切り離し、別の麺棒に巻きつけて、2巻分の生地を作る(生地量はほぼ同じ)。生地の端をローラーにかける。写真をご覧ください。 - 2回目の組み合わせ
1回目の複合(結合)と同じように繰り返します。
2回目の複合工程(混合)の後、より良い食感と風味を得るために、2回目の熟成工程(生地を休ませる)を行う必要があります。これについては、別の記事でご紹介しています。