売り上げを上げ、利益を出す戦略。「儲かる店」「行列が出来る店」を作ることです。前章でも簡単に触れましたが大切なことですので、売り上げを上げ 利益を出す戦略について4つのポイントをお伝えします。

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第三章 良い人を採用するためのとっておきの対策の続きです。

さて、記事も後半に近づいてきました。

良い人を採用するために根本的に必要なことは、「儲かる店」「行列ができる店」をつくることです。前章でも簡単にふれましたが大切なことですので、売り上げを上げ、利益を出す戦略について4つのポイントをお伝えします。

1.高い価値(高い商品力)を提供する戦略

当社の東京支店の近くに「ラーメン二郎」があり、いつも必ず、長い行列を作っています。
なぜ、多くのお客さまが1時間以上の行列を作ってまで、人気店へ通うのでしょう?

答えは簡単です。
どこにもないおいしさをその店に行けば、味わえるからです。
あるいは、単においしいだけではなく、ボリュームも含めたその価値の高さなのです。

「俺のイタリアン」、「俺のフレンチ」が一世を風靡(ふうび)し、また、「いきなりステーキ」が頑張っていますがこれらの店舗の食材費比率は60%だそうです。
また、回転すし業界でトップに君臨しているスシローの原材料費率は50%で、外食産業全体の原材料費比率の平均値は40%になっています。

ところが、不振にあえいでいる、ほとんどのうどんそば店、ラーメン店は30%付近の原材料費比率で営業しているのです。
これは、過去の習慣で、30~40年前のうどんそば店、ラーメン店ビジネスはその程度でも十分、お客さまを集めて繁盛できた名残があるためです。

従って、最も簡単に顧客満足度を上げる方法は、原材料費率を上げることです。
しかし、ほとんどの店主は、原材料費比率を上げると、利益が出ないと勘違いしています。

ところが実際、利益はお客さまの数によって決まるのです。
原材料費率を上げることは商品力を上げることにもつながり、どんな店でも、どんなビジネスでも利益が出始めるのは、採算分岐点を超えてからです。
そして、採算分岐点を大きく超えれば超えるほど、利益も大きくなってくるのです。

ですから大きな利益を得るためには、多くのお客さまを獲得することが欠かせません。
お客さまの数が十分でないと、十分な利益をもたらすことはあり得ないのです。
それは当社で行っているビジネスモデルのシミュレーションをすると簡単に分かることです。

2.次の戦略は、おいしさと見た目のきれいさ

食べものを提供するビジネスである限り、おいしいのは当たり前であり、最近はグルメサイトの出現で、全国のライバル店と簡単に比較されるようになってしまいました。

私の経験から言えば、グルメサイトのスコアで3.5以上であれば、まず失敗することはあり得ません。
当社の麺学校の卒業生は、卒業してキチンと手順を踏んで開店すれば、グルメサイトで、3.5以上のスコアを得ることは難しいことではありません。
そして、おいしさと同時に大切なことは、見た目のきれいさで、最近はSNSの発達で、インスタ映えがもてはやされ、きれいな盛り付けの料理はお客さまがネット上で、拡散してくれます。
従って、今の時代は、自分で広告宣伝する必要が全くなくなりました。

ただし、開店時に失敗し、程度の低い料理を出してしまい、最初に3.0付近の点数が付いてしまうと、その後、挽回するのは大変です。
そのため、開店時には絶対にチラシなどの広告宣伝をしてはいけないし、開店時には慣れていないので、多くのお客さまを集める努力は絶対にしてはいけないのです。
この部分は、当社の麺学校では詳しく教えています。

3.席数は売上と利益に大きなインパクトをもたらす

最近、当社の麺学校に来る生徒さんのほとんどが10席から20席程度の小さい店舗を作りたがります。
今後の厳しい人手不足の時代を考えると、このような小さい店で、十分な利益を上げて優秀な人手を確保するのは至難の業なのですが・・・。
優秀な人ほど、自分の将来を考えるはずですから。
5年先、10年先にここでいて、幸せになれる可能性があるかどうかは、入社する人にとっては、大変重大な問題なのです。

もし、同じ給料であれば、未来の可能性の高い職場に勤務したいはずです。
そのため、良い人に選ばれる店になるためには、店舗の規模もそれなりに必要です。

店主と2人だけ、あるいは、2~3人だけの小さい店で、いつも店主と鼻を突き合わせているような店舗へ優秀な人は勤務したいはずがありません。
ラーメン業界で、グローバル化に成功した一風堂のような店舗を見れば、このことは非常に良く分かると思います。

私は、人手確保で成功し、チェーン展開している店のビジネスモデルを分析した結果、1店舗で月商1千万円程度の売上がないと、チェーン展開が難しいことに気が付きました。ただ月商1千万円を売り上げるには、最低でも40席程度の店舗は必要です。

4.駐車場台数も大切な要素

日本で開店する場合、ほとんどの立地は駐車場の必要な自動車立地になっています。
それにもかかわらず、駐車場が少なかったり、もしくは無い状態で無理やり開店する人が後を絶たちません。

そのような悪い立地でも、絶対に失敗しない条件は、グルメサイトでのスコアが4.0以上の場合だけです。
スコアが4.0を超えると、どんな立地で開店しても必ず繁盛しているのです。
しかし、スコア4.0以上はうどんそば店、ラーメン店市場において、上位0.1%以内の非常に狭き門で、現実的には非常に難しいのです。
また、郊外型店舗においては、どんなに席が空いていても、駐車場が不足していると、お客さまが店に入れません。
従って、郊外型店舗は席数以上に、駐車場台数も非常に大切な要素です。

当社では、お客さまの利便性のために、常に商圏分析をし、必要な駐車場台数を割り出しています。(大和製作所の出店分析

5.取り合えず、人手不足を補う対策

さて、厳しい人手不足対策について、ここまで述べてきました。
根本的には、「儲かる店」「行列のできる店」、言い換えれば「良いお店」づくりをしていくことが、人手不足対策の王道といえます。

その中で、大和グループ(大和製作所・讃匠)として、すぐにお手伝いできる人手不足対策として次の4つを提案したいと思います。

  1. 人手のかからない製麺機の活用
  2. 自家製麺代行業で高品質な業務用麺を購入する
  3. 高品質なスープの購入
  4. 高品質な元ダレ、香味油、かえしなどの活用

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藤井 薫(ロッキー藤井)

株式会社大和製作所、株式会社讃匠 代表取締役。
令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

1948年5月、香川県坂出市生まれ。国立高松工業高等専門学校機械工学科卒業。川崎重工株式会社に入社し、航空機事業部機体設計課に配属。その後、独立し、1975年に大和製作所を創業。

過去48年以上にわたり、麺ビジネスを一筋に研究し麺ビジネスの最前線で繁盛店を指導。麺専門店の繁盛法則について全国各地で公演を行う。小型製麺機はベストセラーとなり、業界トップシェアを誇る。
「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として「カンブリア宮殿」「ありえへん∞世界」「スーパーJチャンネル」等、人気TV番組に出演するほか、メディアにも多数取り上げられる。
また、2000年4月にうどん学校、2004年1月にラーメン学校とそば学校を開校し、校長に就任。

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